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2009年9月11日
植物に対しての三大肥料は、チッソ・リン酸・カリだと言われている。人(動物)の三大栄養素は、炭水化物・タンパク質・脂質であると言われていることと対比してみると興味深い。
植物でも動物でも、カルシウムは骨格を作るのに不可欠であるし、細胞内の情報伝達にも必須である。
岡野(月刊フードケミカル(1996.01)48)が、“食品カルシウムとその利用効率“と言う総説を書いているので、そこで取り上げられた医療用や食品添加物としてのカルシウム製剤を紹介しておこう。
医療用医薬品:カルシウム製剤
L−アスパラギン酸カルシウム、塩化カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸水素カルシウム
一般用医薬品:カルシウム主薬製剤
グルコン酸カルシウム主薬製剤、リン酸カルシウム主薬製剤、ボレイ主薬製剤、電解カルシウム、カルシウムイオン水、真珠カルシウム、鹿骨粉カルシウム、珊瑚カルシウム
食品添加物:無機カルシウム化合物
塩化カルシウム、酸性ピロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム(ニガリ原料)
食品添加物:有機カルシウム化合物
グリセロリン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム
特定保健用食品:有機カルシウム化合物
カルシウムサイトレートマレート(CCM)(炭酸カルシウム、クエン酸、リンゴ酸の混合物)
特定保健用食品:カルシウム吸収促進物質
カゼインホスホペプチド(CCP) (カゼインの酵素消化物)
“現代農業“誌(農文協)が、石灰の特集を行ったので、ここで紹介する。細かいことについては、原報を参照してください。
現代農業 (2007.6) “安くてよく効く石灰防除”
現代農業 (2007.10) “病気に強くなる肥料 石灰”
現代農業 (2008.6) “安くてよく効く 石灰防除 100人に聞きました”
表. 石灰を含む肥料の特性と使い方
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種類 |
主成分 |
土壌中でのpH |
製法・性質 |
使い方など |
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生石灰 |
酸化カルシウム CaO |
強アルカリ性 pH13.4 |
石灰岩を焼き、CO2を放出させたもの。水を加えると発熱して、消石灰になる。 |
土の中和力は速効的で、施用して7〜10日経ってから植える。生石灰の水溶液をトマトの株元に流し込むと、青枯れをほぼ止める。
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消石灰 |
水酸化カルシウム Ca(OH)2 |
強アルカリ性 pH13.4 |
生石灰に水を加えたもの |
空気中のCO2を吸収して炭酸カルシウムになる。施肥後は土とよく混ぜる。水に比較的溶けて効きやすい。土のpHを上げる |
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炭酸カルシウム (炭カル) |
炭酸カルシウム CaCO3 |
アルカリ性 pH9.4 |
石灰岩を粉末にしたもの。有機酸や炭酸を含む水に溶けて、徐々に肥効を発揮 |
酸性中和力は遅効的なので、すぐ作付けできる。水に溶いたけん濁液を定植直後、白菜の根元にかん注すると、根こぶ病を抑える。 |
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苦土石灰 (苦土カル) |
炭酸カルシウム CaCO3 炭酸マグネシウム MgCO3 |
アルカリ性 pH9.7 |
ドロマイトを粉末にしたもの |
1000倍液の上澄みを大根にまくと軟腐病が止まる。 |
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カキ殻石灰 |
炭酸カルシウム CaCO3 |
アルカリ性 pH9.7 |
カキ殻を乾かして砕いたものと、高温で焼いたものとある。焼く温度で水溶性石灰になる |
効き目が穏やかで、キュウリやピーマンンの生育中にそのまま振りかけると、ほとんどの病気を抑える。 カキ殻を木酢や竹酢と混ぜて、葉面散布やかん注すると、枝豆が増収したり、キュウリの耐病性が高まったり、イチゴの肥大や日持ちが良くなったりする。 |
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ホタテ貝殻石灰 |
炭酸カルシウム CaCO3 |
アルカリ性 pH9.4 |
カキ殻を乾かして砕いたものと、高温で焼いたものとある。 |
高温で焼いて微粉末にしたものを、イネに直接散布すると、いもち病が止まる。 |
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硫酸石灰 (石こう) |
硫酸カルシウム CaSO4 |
中性 カルゲン pH5.7 ダーウィン pH6.4 |
リン鉱石が原料。過リン酸石灰の抽出残渣 |
pHが5.5以下なので、畑のpHを上げずに、石灰を効かすことができる。中世からアルカリ土壌向き。リンドウに追肥すると灰色カビ病が治り、葉も立ち、日持ちも良くなる。 |
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過リン酸石灰 |
第一リン酸カルシウム Ca(H2PO4)2 硫酸カルシウム CaSO4 |
酸性 pH3.0 |
リン鉱石に硫酸を加えて作る |
pHは3前後と低く、石こうを50%前後含むリン酸質肥料 |
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塩化カルシウム |
塩化カルシウム CaCl2 |
酸性 |
吸湿性が高い |
葉面散布剤として市販されている。石灰吸収量を多くすることができるが、薬害を生じやすいともいう。 |
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硝酸カルシウム |
硝酸カルシウム Ca(O3)2 |
酸性 |
水によく溶け、速効性、流亡しやすい。吸湿性が高い |
チッソ肥料に指定されていて、水耕栽培でよく使われる。被覆硝酸石灰や硝酸石灰液肥が市販されている。 |
(現代農業、(2007.10)p.82~83より引用)
表. 石灰資材の溶解度
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肥料名(主成分) |
化学式 |
溶解度(g/100ml) |
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生石灰 酸化カルシウム |
CaO |
0.140 |
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消石灰 水酸化カルシウム |
Ca(OH)2 |
0.185 |
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炭カル 炭酸カルシウム |
CaCO3 |
0.0015 |
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硫酸石灰 硫酸カルシウム |
CaSO4 |
0.16 |
(現代農業、(2008.6)85より引用)
有機酸カルシウムの作り方:苦土石灰をpH3.0の木酢液に入れると、泡を出して溶ける。これを希釈して使う。
苦土石灰ばかりでなく、アサリ、ハマグリ、しじみなどの貝殻(主成分は炭酸カルシウム)を木酢液に溶かしてもよい。この場合には、カルシウムばかりでなく、マグネシウムその他の微量元素も溶けだしてくる。
畑の酸性土壌を中和するために使う石灰は、炭酸カルシウムである。炭酸カルシウムの水溶解度はきわめて小さいので、そのままでは植物には吸収されない。酸と反応して中和の際にできるカルシウム化合物は吸収されるだろうが、どんな酸なのかは調べてない。
畑の中和をするという目的で毎年炭酸カルシウムを入れ続けても、一般的には炭酸カルシウムはそのままの形で土壌中に蓄積されるであろう。これは植物に吸収されないカルシウム(石灰)だ。
栄養周期農法では、酸化カルシウムを水に入れ、水酸化カルシウムにしてから植物に吸収させる。
下の表にある、溶解度のきわめて大きいカルシウム塩を用いたらどうなるかについては筆者は調べていない。
カルシウム化合物のおよその溶解度/100g
(インターネット検索より)
水酸化カルシウム 0.185g 塩化カルシウム 59.5g
燐酸カルシウム 不溶 硝酸カルシウム 266g
硫酸カルシウム 0.16g 酢酸カルシウム 52g
グルコン酸カルシウム 可溶 乳酸カルシウム 7.1g
クエン酸カルシウム 0.0849g 蟻酸カルシウム 16.1g
リンゴ酸カルシウム 0.92g 炭酸カルシウム 0.0012g
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以下で、カルグレンは栄養周期農法で使われるカルシウム資材である。
カルグレンは主成分が生石灰CaOですので、このまま使う訳にはいきません。
水と反応して、発熱します。(駅弁を温めるのにつかわれています。)
CaO+H2O=Ca(OH)2+熱
水酸化カルシウムCa(OH)2が吸収されます。
消石灰CaCO3(炭酸カルシウム)は畑の中和と言うことでよく使われていますが、これは吸収されません。(普通の畑には消石灰を撒く必要がないようです。
この点に関しましては、農文協のルーラル電子図書館
http://lib.ruralnet.or.jp/
のデータベースが参考になると思います。)
私自身は栄養周期栽培を行っているわけではないので、別のミネラル剤を使っています。
栄養周期栽培の指導を行っている方から聞いた話ですと、
カルグレンは水と反応して発熱することから、直播する場合にはかなりの雨量の時に行います。(普通の肥料の散布と同様に撒いてから耕耘機でうなうというやり方では、空気中の炭酸ガスCO2と反応して
CaO+CO2=CaCO3
と、吸収されない消石灰が出来てしまいますので、これは不可です。)
これは実際的ではありませんので、3000〜4000倍に希釈した水酸化カルシウムの水溶液(カルグレン1gを3〜4リットルの水に溶かし、上澄みを使う)を葉面散布するほうが実際的でしょう。
栄養周期では、生育段階に応じて肥料(栄養素)を与えるというのが基本です。
それは植物生理学に基づいています。
チッソ・燐酸・カリが3大肥料と言われて、それらを多く含む肥料を与えがちです。
特に、チッソ肥料が多いです。これは、人ではたんぱく質や脂質を多く摂取することに相当します。
体内での化学反応を支配しているものは、動物でも植物でも酵素です。
酵素の中心にある元素が、ミネラル(鉄・銅・亜鉛・・・・)と呼ばれているもので、この摂取が人でも植物でも減っています。そのため、人だと生活習慣病、植物だとツルボケや実りが悪いことにつながります。
カルシウムは人でも植物でも骨格を作るのに役立っています。植物の乾燥物の数パーセント(5〜7%)はカルシウムです。カルシウムは代謝にも関与しているようです。
と言うことで、カルグレン(カルシウム)が注目されます。
植物にとって吸収されやすく、カルシウム以外の必須元素を含むものであれば原則なんでも良いと思います。
米ぬかもその一つになると思いますが、そのままが良いのか、発酵させたほうが良いのか、施肥法はどうかなどは、土壌や気候にも大きく影響されますので
小面積で実験した上で、拡大するのが良いと思います。
牡蠣殻を食用酢や木酢に溶かして使う場合も同様でしょう。(2000〜3000倍に薄めて葉面散布)
いろいろ書きましたが、人にしろ植物にしろ、健全に生育するためにはどうすべきかが基本です。
大井上康:新栽培技術の理論体系(日本巨峰会、2000)
大井上康:家庭菜園の実際 栄養周期理論の作物づくり(農文協、2006)
昔、植物は無機成分しか吸収しないと考えられていたが、最近では有機化合物も吸収することが判ってきた。このことは大井上の頃の研究とは大きく違うところであろう。また、いろいろの文献を読むと、作物の健全育成の最近の流れは、大井上の後継者以外の方々によるところが大きいように思う。巨峰会・理農協会グループの活躍を望みたい。
栄養周期農法の解説ではないが、植物(作物)の生理学の最近の研究を紹介している本として、
渡辺和彦:作物の栄養生理最前線 ミネラルの働きと作物、人間の健康(農文協、2006)
がある。大井上先生も、今活躍していれば、類似の研究をなさったことと思う。
無機肥料ばかりでなく、有機物(質)肥料の吸収やその働き、共存微生物の働きまで統一的に説明が出来る、理論体系の構築が望まれる。
p82 栽培資料 その2 土 物理性 化学性 生物性 樹木への肥料の与え方
p85 有機質 肥料 ぼかし アミノレブリン酸 ホウ素 販売
石灰、生石灰、消石灰、肥料について、Googleサイト内検索をしてみましょう。
http://www1.ocn.ne.jp/~amiyacon/
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携帯電話:090-4755-6419 でお願いします。
300-0332 茨城県稲敷郡阿見町中央2-15-27 伊藤洋行
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