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流言蜚語 先日、某大手取次から、葦書房はもう本の出荷はしないという話を聞いたが本当なのかとの問い合わせの電話が入り、ビックリ仰天しました。どこからそんな噂が流れてきたのか尋ねましたが、詳しくは教えてもらえませんでした。もちろん事実無根のニセ情報です。昨年10月代表就任以来、葦書房の評判をおとす噂や情報がどこからか次々と流されてきましたが、最悪の危機を脱した現在でもまだ、弱者叩きがつづいているのかと暗澹たる気分に襲われました。ただ根も葉もない噂にしろ、こんな噂が流されるその背景には思い当たる節はありました。 最近その全貌が理解できたのですが、出版流通特有の制度に常備寄託という制度があります。まとまった冊数を書店の棚に展示して売ってもらうというシステムですが、最初に納める30冊とか50冊分は無料納品です。展示品が売れれば次の補充分から売り上げに計上される決まりにはなっていますが、補充されなければ1年後の清算まで版元には1銭も入ってきません。展示用本なので、最初に納品した本は1年後の清算時には全部版元に戻される決まりになっていますが、この常備寄託本を返品として流用し、月々の注文などの支払いの消去に当てられることも珍しくはありません。取次に問い合わせてもどこの取次も否定はしません。つまり事実として返品への流用が行われているということです。 しかも常備寄託の納品、返品は1年サイクルの定期事業になっており、常備本の返品受け入れと前後して例年ほぼ同数の常備納品を一斉に行うことになっています。その上常備寄託の出荷には、通常の出荷より何倍も手間がかかります。常備寄託専用の注文用短冊に、書名、定価、期限を書き込んで1冊ごとに挟みこまなければならないからです。出荷も大変ですが、仮に原則どおり1年前に納品したものが100パーセント戻ってきたとしても、返品を確認して仕分けして整理するだけでも、かなりの人手と時間がかかります。さらにその上、痛んだ本の再生をしなければ、戻ってきた本を商品として利用することはできません。どう考えても版元にとっての負担の方がはるかに大きい。最大のメリットといえば、正常に運営されていれば、沢山の本を書店の棚に展示してもらえるということです。 人目に触れなければ本も売れませんので、このメリットは版元にとっても非常に大きなものですので、この制度そのものを否定するつもりはありませんが、もう少し無駄を省き、効率よく運用すれば書店、版元双方にプラスになるはずです。ただ問題は、特殊な納品形態ですので、清算がすんなりとは進まないところがあることです。年末を控え、常備品清算をお願いしたのですが、ある取次1社だけ、清算するのなら、常備寄託の解消を各書店に伝えてほしい。解消しなければ、常備の清算はできないといわれました。資金繰りに窮し、常備を解消してでも資金の回収をしたいと目前の資金繰りを優先させざるをえず、各書店さんに解消の文書を用意し、取次を通して流してもらいました。 その後書店さんから問い合わせがあり、書店の棚から当社の本が完全に消えてしまうという事態も現実のものとして想定せざるをえなくなり、また、各所にご無理や不義理を重ねながらも、最悪の事態だけは避けられそうな見通しも立ちましたので、当の取次には常備寄託解消の取り消しをお願いしたのですが、取り消しはしないといわれました。従来どおりの定期事業としての機械的な常備搬入はしないと答えたからだろうと思いますが、書店さんからは常備の清算はすでに済ましているとの話を聞いています。 この常備をめぐる問題が、葦書房は本を出荷しないという噂になったのかもしれません。思い当たるといえば、この一件ぐらいです。最後にもう一度強調いたしますが、当社は従来どおりの営業をつづけております。 ■西日本新聞紙面の異様 話が変わりますが、今日の各紙のトップニュースは道路公団民営化推進委員2氏の抗議の辞任ですが、西日本新聞だけは「わいせつ教師増加」をでかでかとトップニュースとして報じていました。道路公団のニュースもトップ面には置いていましたが、小さな見出しで、「わいせつ」の異様なほどのデカ文字の陰に隠れて、見落としてしまうような扱いです。西日本新聞のニュース感覚=報道感覚の「現在」を象徴する紙面です。西日本新聞しか読んでいなければ、同紙の異様さには気づかないかもしれず、読者に対して問題の軽重の判断を誤らせるおそれは十分にある紙面構成でした。 ■高速料金は高すぎる!!! 日本の高速料金は高すぎるというのは周知の事実ですが、先日その高さがいかほどのものであるのかを実体験してビックリ仰天しました。東京から福岡まで車で走行したのですが(運転者は長男)、東京から福岡まで高速で走ると、なんと、なんと新幹線の料金よりはるかに高いということを初めて知りました。信じられなかったのですが、事実だということが分かり、経費節減のため高速の利用は一部にとどめざるをえませんでした。となると一般道路を走るしかないのですが、時間節約のため、つづら折に曲折した山越えをし、命の縮む思いをしました。 新幹線の料金は走行にかかる経費一切はもとより、車両の製作、保守・管理や、車両が走る軌道の敷設から保守・管理等も含んでのもので、相応の金額にならざるをえません。飛行機も同様です。しかし高速道路はただただ、道路を提供しているだけにしかすぎず、走行にかかる燃料代や車両にかかる費用一切は走行者負担です。にもかかわらず、高速道路を利用すると、どんな交通手段を使うよりももはるかに高くなるというのは、単に高すぎるというよりも異常だとしかいいようがありません。よくぞみんな、黙って走っているものだと感心するのを通り越して、呆れています。 今回の猪瀬直樹氏が画策したらしい道路公団民営化案は、この異常な高速道路体制を温存するだけではなく、さらに悪化に手を貸すものだといえそうです。12/24付けの西日本新聞の記事は、この反国民的な民営化案への批判を隠蔽しようとしたのではなかとさえ思われてきます。実は『週刊新潮』12/18号のコラム「日本ルネッサンス」で、櫻井よし子氏が猪瀬氏の民営化案を道路族の主張とソックリだと批判していたのですが、この時はあまり興味がなく読んでいませんでした。しかし抗議辞任の新聞記事を読み、東京から一昼夜ぶっ通しで走り抜いて帰福した、今月初めの耐久走行体験を思い出し、遅ればせながら昨夜読んだのですが、櫻井氏はいち早く、猪瀬氏の道路族との癒着を衝いていました。ちなみにこの案に賛成した委員お二人はともに作家・評論家業。(12/26) |
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葦書房有限会社 |