葦書房

デジタル新聞葦 18号(1)
The digital newspaper Ashi 18(1) 2009/6/24

 

葦書房有限会社
福岡市中央区警固2丁目2-11
シャンボール警固202号(〒810-0023)
TEL092-761-2895 FAX092-761-2836
ashi@gold.ocn.ne.jp
http://www1.ocn.ne.jp/~ashi/

English





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 

 

 

 

 






 

 

 








 

 

 

18号(1)
自由と破壊 6/24 

 

 

(1) 自由と破壊 6/24

前号17号の最後に6/22付けでお知らせいたしましたが、「デジタル新聞葦」の英語版を発行することにいたしました。英語版発行についての経緯につきましては、6/22付けのお知らせを前号から転載します。

なお、トップページの葦書房の英語表記を 「Ashisyobou」から「Ashishobo」に変えました。(6/22)

おすすめ本

蔵出しいっぽん

書名索引

既刊本

では本題ですが、2、3日前の朝日新聞に、「特許トロール」という新種の特許商売が紹介されていました。底引き網を使って一度に大量の魚を捕獲するトロール漁業の漁法を、特許売買に応用した新種の金融商品を指すようですが、今、世界の金融市場で盛んに取引が行われているらしい。詐欺的金融商品はサブプライムローンでうち止めかと思っていましたが、さにあらず。特許を使ったこの金融商品は、サブプライムローンに勝るとも劣らぬほどに異様なものです。投資ファンドが巨額資金を使って特許を買い漁り、特許侵害企業を見つけては提訴し、和解金をせしめて出資者に利益として配当するという、超異常なものです。特許を買い漁って、企業に売り付けて儲けるというのであれば、正常な商行為の範疇に入ると思いますが、特許侵害企業を見つけては文句をつけて、和解金をせしめるためにトロール漁法で特許を買い漁るとは、これはもうヤクザの手口そのものではないですか。しかも驚いたことには、アメリカには「特許トロール」企業が200社もあり、投資事業として堂々と営業しているという。

サブプライムローンでも呆れ果てましたし、企業倒産を待望せざるをえない、倒産保険までもが金融商品化されていることにも呆れ果てましたが、特許トロールという新種の金融商品まで考え出すとは、その恥知らずなあさましには言葉もありません。カネ儲けのためには手段を選ばずとはいえ、これほど異様な発想がどこから生まれてくるのか。これら異常な金融商品を生み出す発想の根本には、カネ儲けのためなら世界の経済を破壊することも厭わずとの、世界破壊願望があるのではないのか。そうとでも考えなければ、理解不能です。古今東西の長い歴史の中で、数限りない戦争が繰り返され、世界中で破壊が繰り返されてきましたが、今世界で進行中の、金融手法を駆使した世界経済に対する破壊志向は、過去のどんな破壊とも異質なレベルのものではないかと思われます。

過去の破壊は武器をつかった戦争という形をとって行われましたが、現在の破壊は経済活動の仮面を被って行われており、世界中の誰もが戦争だとは認識していません。しかし金融商品を生み出した金融資本主義は、金融による世界侵略であり、世界破壊をもたらす戦争そのものだというべきです。事実、金融資本主義の侵略に遭い、世界中でほとんど類似の被害が続出しています。金融資本主義の世界的な拡大は、新自由主義というイデオロギーに先導されたグローバル化と軌を一にしていますが、人、モノ、カネの障壁なき自由な流れを生み出しました。しかし国境を越えた人、モノ、カネの自由な流れは、世界中に何をもたらしたのか。あらためていうまでもなく、異常なほどの貧富の格差と移民の増大です。欧米でも日本でもアジアでもほとんど似たような事態に直面していますが、移民の増大は移民受け入れ国の先進国に共通した問題となっています。

特に新自由主義イデオロギーに席巻された日本と欧米では、ほとんど似たような社会的変化に見舞われていることに注目すべきです。アメ

おすすめ本

蔵出しいっぽん

書名索引

既刊本

リカはもともと移民国家ですが、近年は、そのアメリカですら移民の増大が問題化するほどに移民が急増しています。EU各国でも、アメリカ同様に移民が増大しています。移民には余り縁のなかった日本でも、外国人労働者が激増し、今やその数270万人ぐらいにまで達するという。移民や外国人労働者の急増の理由としては、欧米、日本各国では労働者が不足しているからといわれています。しかし一方、欧米でも日本でも、今回の世界金融不況以前から、自国の労働者の失業も増大しています。特に若年者の失業が深刻であるということでも、欧米や日本でも共通しています。ただ失業対策などの社会保障制度の完備、不備については欧州と日本では大きな開きがありますが、この問題は今回は取上げません。

欧米や日本にしろ、外国人労働者の賃金の方が自国労働者の賃金よりもはるかに安いのかどうか。その実態についてまでは調べていませんが、日本でもここ十年ほどの間に、派遣労働の自由化策を受けて、外国人労働者が激増しています。その一方で、自国労働者の失業者は放置されたまま。特に50代の中高年の失業者は職を得る機会のないまま、悲惨な最期を迎えています。マスコミではほとんど報道されませんが、50代での独居死も増えており、日本列島至る所で増大しているホームレスの大半も、元失業者のはず。一旦ホームレスになれば、公的機関の救済がないかぎり、そこから脱出することはほとんど不可能です。今回の世界不況では、ホームレスの人々がさらに増大していますが、自公政権は、ほとんど無策に放置したままです。その一方で、外国人労働者の受入れには非常に熱心です。日本にかぎらず、欧米でも、為政者は移民や外国人労働者の受入れには非常に熱心です。







 










つまり日本で起こっていることとほとんど同じことが、欧米でも起こっているということです。先進各国の人口構成を大幅に変えるならば、政権基盤も大幅に変ります。移民が増大すればするほど、移民がその国の実権を握ることも可能になります。かつてなら、武器を使った戦争によって他国の領土を奪ったものですが、現在は、経済政策として移民の増大を推奨することで、他国の実権を握る基盤作りが可能となっています。経済活動においても、金融商品に象徴されるような現在の金融資本主義手法を駆使するならば、旧来の世界経済秩序を根本から覆すことも難しくはありません。すでに世界秩序の破壊は、かなりな程度進行しています。特許トロール手法も、新たに何かを生み出そうという思想は皆無。この新種の金融商品も、他の大半の金融商品同様、そこにあるのはただ破壊の思想のみ。特許を開発した世界の研究者に対する敬意など、ひとかけらもないことは言うまでもありません。日本の自公政権が進めてきた大学破壊策も、こうしたファンド連中の破壊的思想と同根であることは言うまでもありません。

ではこの世界破壊に使われる爆弾は何かといえば、それは投資ファンドが集める巨額資金です。投資ファンドが世界的に威力を発揮しはじめたのも、そう古いことではありません。新自由主義の拡大と軌を一にしているはず。投資ファンドは一般の金融機関よりは国の規制ははるかに緩く、正体を隠したままの不透明な巨額資金を集めることも簡単です。通常の法人企業ならば、事業内容を税務当局に開示する義務を負っていますが、その義務もありません。法人税を納めることと事業内容の詳細な開示は表裏一体のものですので、投資ファンドには、組織としては法人税に相当する税金を納める義務はなく、したがって事業内容開示の義務もありません。

投資ファンドでは誰からいくら資金を集めたかは、外部からは窺い知ることはできません。この匿名性ゆえに投資ファンドは、一国の行方を左右するほどの巨額資金を集めることも可能になるわけですし、犯罪的な資金を集めることも、犯罪的な運用をすることも可

おすすめ本

蔵出しいっぽん

書名索引

既刊本

能になるわけです。世界経済の健全な発展のためには、投資ファンドに対しても、一般企業並の法人税相当の税金を納めさせるべきです。納税義務が課されると、当然のことながら事業内容も開示せざるをえなくなります。犯罪防止には透明化は不可欠です。一般企業には組織としての法人に対しても、企業の成員である個人にも納税の義務があるという二重の課税義務が課されていますが、投資ファンドにはなぜ、組織としては納税の義務は課されないのか。これは、投資ファンドが社会的責任を果たさぬことを国が認める不当な制度ですが、この不当な制度は投資ファンドによる、反社会的な破壊的投資手法を助長するものでしかありません。

しかし世界的な資金の流れが世界に貧富の格差をもたらす結果になっているのは、投資ファンドの動きだけではありません。つい最近知って驚いているのですが、WTO(世界貿易機関)加盟各国の自治体では、3500万円以上の物品購入や事業の発注は競争入札にかけるべしという決まりがあるという。つまり日本の地方自治体で3500万円以上の物品を購入したり事業を外部に発注する際は、日本国内だけではなく、世界中に向けてオープンに競争入札をする義務を負うということです。この決まりができたのも、そう古いことではないはずです。日本で国や地方自治体での競争入札が導入されたのは、小泉自公政権以降のことですので、時期的にはこの頃からそう離れてはいないはず。日本国内だけでも競争入札の実施は、地方の中小企業の衰退を促進せずにはいませんが、それが世界規模で実施されることになれば、地方の中小企業のさらなる衰退に拍車がかかるだけではなく、世界中の企業でさらなる低価格競争が激化することになるのはいうまでもありません。

小泉自公政権以降、官から民へのかけ声のもと、国や自治体の公共機関の仕事が民間委託される流れが一般化し、税金を使った民間の仕事が激増していますので、WTOのこの規定の実施が厳しく求められることにでもなれば、日本は地方まるごと外国勢に乗っ取られるおそれもゼロではありません。もちろんこの恐るべき事態は日本だけではなく、生活費や賃金の高い他の先進国にも同様に起こりえます。

国際機関のWTOが、加盟各国の地方自治体の、3500万円ぐらいの事業にまで、海外企業が参入しうる規定を設けるとは、何と世界はあさましく成り果てたことか。世界中の企業が、各国自治体の事業にまで細かく目を光らせる。いくらカネ儲けが経済活動の大目的だとはいえ、ここまで志低くなリ果てて、情けないと思わないのだろうか。し







 










かも一国内ではもとより世界大規模においても、過度の競争は、ごく一握りの人々にのみ富が集中し、圧倒的多数の人々を貧窮の淵に追いやるだけであることは、日本でも世界でもすでに実証済みの真理であり、現在もなお進行中の悪制度です。極端な富の遍在は、圧倒的多数の人々に死を迫るほどの貧窮をもたらすだけではなく、世界経済をも破綻させずにいないことも、すでに世界中で実証済みです。そしてこの一握りの富の保有者には、日本の自公政権を支えてきた勢力も含まれていることはいうまでもありません。彼らに富が集中するがゆえに、新自由主義的政策を推進してきた自公政権を支えてきたわけです。

WTOが世界経済の健全な発展を推進することを使命にした国際機関であるならば、過度の競争をあおる新自由主義の拡大をこそ阻止すべきではないのか。自由の行き過ぎは、生存する自由をすら人々から奪い、社会の自由な活動を阻害するだけだという、世界中で体験させられている目前のパラドックスの意味をこそ、今我々 はとくと熟考すべき時ではないのか。

そして世界は同時に、新自由主義が猛威を振うに至る以前はどうであったのか、このことについてもしかと想起すべきです。新自由主義とはすなわち市場原理主義、自由競争至上主義のことですが、この市場原理主義はあらゆる壁を押し倒して、世界を一つの価値で染め上げてしまいました。日本でも15、6年ほど前から徐々に、この主義による動きが目につき始めていましたが、小泉自公政権誕生以降は「官から民へ」の標語のもと、競争至上主義は政策として激烈な形で実施に移され、現在にまで至っています。

「官から民へ」の事業移譲に際しては競争入札が導入されているようですが、競争で勝つのは大企業です。地元の税金までもが大企業に巻き上げられる仕組みですが、大企業の支社がその地元にあるならばまだしも、本部は東京や他県に置かれたままだという例がほとんどです。当社も関係のあった事例でも、受託企業も受託企業が下請した企業も、事業所の事務所は発注した地元にはなく、地元にはほとんど何のメリットもないというのが実情です。また地方自治体の事業費も、宣伝されるほどに縮減されたのかどうかも非常に怪しい。仮に多少は軽減されることになったとしても、地元企業が倒産したり事業縮小した場合、地元に与える社会的影響や税収減などのマイナスの方がはるかに大きいことは明らかです。

事実、小泉改革以前の方が経済的には停滞していたとはいえ、日本ははるかに安定した安心、安全な社会であったことは歴然としています。競争至上主義が日本を破壊し尽した今、社会の安全、安心が破壊されたばかりか、経済もかつてない未曾有の不況に襲われ、改革以前よりもはるかに悲惨な状況に陥っています。さらには、国と地方の借金も改革以前よりも膨れ上がっています。いったい何のための自由競争を至上のものとした改革だったのか。新自由主義とは、まさに破壊そのもを目的にしたイデオロギーであったことを、事実が雄弁に物語っています。

 

談合批判に物申す

市場原理主義、自由競争至上主義による改革は、誰のためを思って導入された政策であったのか。いうまでもなく世界の富の一極集中を目指したものであり、一握りの特定勢力に世界の富を集中させるための政策であったわけです。この一握りの勢力の中には、日本の特定勢力も含まれていることはいうまでもありません。仮に世界の富が100あったとして、この富がたった一人に集中することになれば、世界中は餓死を余儀なくされざるをえません。また世界の富の全てをたった一人で独占したとしても、一人の人間がなしうる消費活動も含めた経済的活動は限定的なものでしかなく、人的再生産活動もごく限られた
 

バナちゃん節の実演

ものにならざるをえません。その結果一人で独占した100の富のほとんどは死蔵されることにならざるをえません。経済はいやでも停滞を余儀なくされ、ついには破綻。これが日本と世界で、今なお進行中の現実です。(6/25)

久本福子
YOSHIKO HISAMOTO 

 

葦書房有限会社
福岡市中央区
警固2丁目2-11
シャンボール警固202号(〒810-0023)

TEL092-761-2895 FAX092-761-2836
ashi@gold.ocn.ne.jp
http://www1.ocn.ne.jp/~ashi/

 

English

18号-2 18号-3 18号-4
 

蔵出しいっぽん

おすすめ本

既刊本

おすすめ本

書名索引

書名索引

既刊本

蔵出しいっぽん

既刊本

 

 

 








 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 

 

 

 

 

 




 

 

 

 

 

 

 

 

 






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葦書房

Copyrigt(C)209 Ashishobo,Yoshiko HISAMOTO All rights reserved.