「RRR RRR RRR」
「はい」
「なんだ、帰ってたのか?」
「何よ、帰ってちゃ悪いの?」
「忘年会だって言ってたじゃないか」
「一次会で抜けてきたわ。このところずっと残業だったのよ、いい加減寝たい」
「そうか」
「で、どうしたの?」
「ああ、住所、教えろよ」
「どこの?」
「おまえの住所だよ」
「なんで?」
「今、年賀状書いてんだよ」
「・・・」
「桐子?」
「今、気絶しかけた」
「なんで?」
「・・・今日非番だって言ってなかったっけ?」
「おう、ようやく時間がとれたからな、朝から書いてたんだ」
「何時間かかってんのよ?もしかして手書き?」
「三百枚も手書きできるか、俺はいつも版画だ」
「・・・」
「今年の絵は凝ってるぞ。蛇って絵的にいまいちだろ?だから、傘の絵にして」
「・・・蛇の目傘」
「そうそう。俺の年賀状はいつも評判いいんだぜ?凝ってるって」
「・・・」
「桐子?おい、どうした?」
「熱、出そう」
「はぁ?」
「もう、いい。切る」
「おい、住所!」
「場所は知ってるでしょ。なんとかしたら?じゃね」


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