掛川哲郎 人と文学

掛川君の文章にはよく潜在的二人称、つまり「君よ」「同志よ」 「同人よ」というのがでてくる。読者に向 かって、君も僕も猫も一緒だと語りかける いっぽうで、非難し罵倒して激しく突き放 すという文学的にも古い手法を用いている 。コンセプトの一貫しているところが彼の 強みではあるが「元気ですの心意気」「中 津川君と高円寺君」「来世を語らず」「わ しらの同人村」などは、ほとんど区別のつ ない内容である。平気で古いネタをテレも せずに何度でも使うものだから、読む側は もう開いた口がふさがらない。 作者もどうかしているけど読者もどうか している。

仙台行きフェリーにて早暁  竜飛岬おさみ