すばらしい日々へ 2006/9/28
12年と7ヶ月
言葉で表せばたった1行
思い出すとどこまでも話が出来るくらい、長い話になる。
出会い→恋愛→結婚→倦怠→浮気→縁故→慈愛
まるで男女間の人間模様の様なこの12年間で何をお互いに得、何をお互いに失ったのだろう。
去年のFV5で群馬・千葉まで走ったのが考えてみれば一番長い走行距離だったな。
とか
実際に完全に動かせなくなって困った事になったのって12年で1回か2回くらいだよな。
とか
考えてみればここ数年は内燃機関にとって酷い扱いだったな。
とか
思い起こせばいくらでも出てくる。
その時は突然やってきた。
9月某日朝、3日前に他界した友人の葬儀に出席する為に自宅を出発
途中、同席する友人二人を名古屋で拾う道中伊勢湾岸道を2区間だけ走った。
湾岸を降りて減速してすぐ、異変に気づく。
カラン カラン カラン
今まで聞いたことの無い音色が前の方から聞こえてきた。
ん?と思い、唯一生きてるだろう診断機能、油温計と水温計を見てみる。
!!
油温110度、水温120度を超えている。明らかに異常値。
すぐに頭をよぎる。
最近オイル足してないぞオレ・・・
だが待て、今までオイルが減るとワーニングランプが点灯してたじゃないか。今は点いてないぞ。
でもこの症状は明らかにアレな様な気がする・・・
大ピンチ
すぐに停車してエンジンを止め、ボンネットを開ける。
特に変な臭いはしていない。
冷却水のタンクを見ると中で水が見るからに激怒している。怖くて開けられない。
オイルレベルゲージを抜いて見る。
オイルがゲージに付かないYO。
見間違いかと思って何度やっても付かない。
間違い無い。やってしまった。
お前の力はそんなものか
手持ちのオイルが1リッター程あったのでとりあえず足す。
レベルゲージで量を見る。ほんの少し、先端に触る程度にオイルが付く。それでも少ない事に変わりは無い。
ちょっとだけ待って再始動
始動時に少しだけ例の「カラカラ」って音が一瞬しただけで違和感は無い。
普通に走るし走行中は異音も無い。
行けるのか?
すぐ近くのスタンドまで走り、オイルを足してもらう。
2.5リッター入った。
さっきのと併せて都合、3リッター強入った事になる。
この時点でも、始動時にほんの少し「カラカラ」と音がするだけで、普通に走るしエンジンの回転に問題は無かった。
怖くて高回転まで回せないけど。
待ち合わせ場所の友人宅へ着き、事情を話す。
行き先は岐阜県郡上市。名古屋から約100キロだ。
今は大丈夫かもしれないけど、もしかしたら途中で止まるかも。
そういや君達クルマ持ってたよね?と聞いてみる。
友人No.1:ごめん、今日は親戚の子の運動会で、嫁さんが乗って行ってしまってクルマ無いんだ。
友人No.2:面倒臭いからタクシーでここまで来た。何か文句あるか。
・・・
とことんツいてない。仕方ない、ゆっくり走れば大丈夫かも。
現にここまでは問題無くちゃんと走って来れた。
出発して、東名阪へ乗る。
油温、水温も適温だ。
しばらく走り、一宮への名古屋高速を経由して名神→東海北陸自動車道へ。
尾西ICを過ぎるあたりでいきなりキタ
カラカラカラカラ
悪魔の鳴き声の様な音がし出す。これがホラー映画だったらどんだけ良かった事か。
併せて回転が明らかに上がらなくなり、回転落ちも変になる。
クラッチを切ってアクセルを踏んだら異音と共に振動もし出した。
ダメだ。ダメだ。降りよう。
ごめん、ちょっと遅れるかもしれないけど、レンタカーでも借りよう。と友人達へ提案する。
このへんの臨機は良かった気がする。
もっと言えば先の待ち合わせ場所でレンタカーを探すべきだったけど。
一宮木曽川ICで降り、スタンドで聞いて近所のレンタカー屋さんを目指す。
国道22号線は土曜日の昼と相まって、なかなかの混雑。
走っているうちに症状はどんどん悪くなる。
カラカラカラ だった音が ガラガラガラ と明らかに抵抗感が増えた様に変わってきて全く吹け上がらず。
パワーは多分軽トラ以下、前へ進むので精一杯な状況が続く。
アイドリングも保持出来なくなってしまい、停車するとエンジンが停止。
バッテリを気遣う為にエアコンも切り、キーもオフとするからウインカーも点灯しない。
再始動もセルが重たくなった感じがしてきて、いつ始動不可になるかわからない。
油温も120度を超え、水温は見るまでも無い。
もう、ダメだ。ごめん、でもせめて店までは持っておくれ。
なんとか到着し、奥の駐車場まで移動する。
エンジンを止めてしばらくしたら冷却水がドバーっと漏れてきた。
良くここまで走った。とりあえず、時間が無い。何でも良いからクルマ借りて岐阜へ向かおう。
精神的ショックはかなりあるけど嘆き悲しむ余裕も無く、手続きを済ませてレンタカーを手に入れる。

TOYOTA パッソだった。
エアコンはまぁまぁ効く。ナビやETCなんかが最初から付いている。
「めっちゃ静かだね!」
「エアコン涼しー!」
「何この安心感」
友人達にはすこぶる好評のまま、少しだけ葬儀には遅れたけど、なんとか焼香には間に合った。
向こうに先行していた他の友人に先の顛末を告げると
友人No.3:そうか。明日はアルファの葬式だね・・・
友人No.4:13万キロか。大往生じゃねーか。弔ってやんな。
と寂しそうに言ってくれて、現実に戻る。
ふと思い出し、とりあえず、髭のおじさんに電話してみる。今日はお店が休みの筈なので携帯へ。
masa☆にしお:エンジンからガラガラ音がしてきて、パワー無くなって止まっちゃったよぉ。
髭のおじさん:オイルってちゃんと入ってる?
masa☆にしお:入ってませんでした。足したら4リッター近く入りました。もうダメなんですかね?
髭のおじさん:そりゃ、焼き付きだ。エンジンもうダメだよ。
masa☆にしお:そうですか。やっぱり。
帰り道の友人達は極力クルマの話はせずに何かと明るく接してくれ、気持ちを紛らわせながら帰名。
二人を送り届け、一人帰り道。
しばらく走っているとラジオから聞き覚えのある曲が流れてきた

・
・
・
・
一気に涙腺が決壊した。
涙で前が見えない。運転は危険なので路肩へ寄せ、レンタカーのステアリングへうっ伏した。
喪服姿なので、いっそう画になっていた事だろう。
最近、確かにかまって無かった。
週に1回乗れば多い方、年間で2千キロも走らない生活になって3年超。
走行距離が少ないからメンテなんて適当でいいや。と鷹をくくっていた。
その間嫁さんの8Vは16Vに代わり、周りの8Vオーナーは次々と8Vを降りている。
何か兆候があったのか?
いや、突然オイルワーニングが点灯しなくなるくらい今回は155の方からわざと黙っていたと考えるべきだと勝手に思う。
オイル消費は確かに激しいエンジンだった。
1000キロ走れば1リッター以上減る。年々消費は激しくなってきている事は知っていた。
上がりか下がりかわからないけど、とにかく点検をしなかった自分が悔しく、同時に155に対してすまない気持ちで一杯になった。
長年連れ添って、相思相愛だと思っていた。
これからもずーっと一緒にいられると信じていた。
そんな安心しきってる時に、愛する妻から突然捺印済みの離婚届を叩きつけられた感じ。
一度冷めた関係の修復は容易ではない。
人間でも同じ。
修復するのは人間だ。
何も行動をせずに勝手に治る関係など、元々良い関係では無かったと考える。
自宅へ帰ってから家族へ報告をし、引き続き会議を行う事に。
価値的にはゼロどころかマイナス。
自分以外の誰もが乗りたがらない外装
走行距離13万キロ超
目立った特徴:青い事くらい
議題 「ネガな要素しかないエンジンの壊れたクルマをどうするか?」
masa☆にしお Speaking
| 何も無理する事はない。ここで廃車としても、誰も文句は言わないだろう。 代わりのクルマが見つかるかどうかはわかんないけど、とりあえずエアコン効いて車検が残ってれば何でもいいや。 お!このシビックフェリオ車検2年付いて19万だってよ!どーよどーよ。 余計な出費になるけどさ。ごめんね。 |
mido Speaking
| それ、本音じゃ無いでしょ。あんたの考えてる事くらい、アタシにだってなんとなくだけど解るわヨ。 あれ以外のクルマや、また155買ったとして、あんたそれで満足しないでしょ? 治すのってどれくらいかかるの?エンジンって武豊に置いてあるこないだ廃車にした155から移植出来ないの? |
・・・
全てを見透かされる様に、まともに会議をするまでも無く。にしお家の方向は決まった。
思えば2ヶ月ほど前、8Vを廃車にしたのは今回の伏線だったのかもしれない。
そう思う事が出来るくらい、前へ、上へ向いている自分がいた。
「たかが機械」で済まされない後悔と、希望と、単純な思い。
155乗りの友人にも相談をしてみた。
何だ?カマかけてんのか?
とでも言いたげだったけど、大凡嫁さんと同じ答えが返ってきた
| masa☆にしおとしてはきっと治すと思うぜ。 至極個人的な思い入れが多すぎるんだろ。事故で壊したんならきっと納得いくよな。 でも諦められないよな。あれじゃ。 |
自分が人に相談をする時は、大概、答えは既に出ています。
明後日、髭のおじさんと二人で155を引き取りに積車でのドライブ中、今までの事、自分の思い、これからの事を話した。

相変わらず難解な言葉を散りばめながらの会話、masa☆にしおの心情を理解するのにたいそう時間がかかったそうです。
「素直になれよ」と揶揄もされ。
結果
髭のおじさん:ヨシ。そういう事なら治すしかないな。載せ替えようぜ。
何とも頼もしい答えが。
この時間を使って思い切り話そうと思い、無理矢理積車へ同乗して、本当に良かった。
事故で激しく外装を壊したならば、諦めただろう。
寿命で何かがぶっ壊れ、多額の費用を必要になったとしても、きっと諦めただろう。
そのときには多分、今回の様な涙は出ないだろう。
これは手を差し伸べてる訳では無いんだよ。
君の事は誰よりも大好きだけど、振り回されるのは相変わらずイヤなんだ。
機械として終焉を迎えるのは、まだ早い。そう思うんだ。
勝手な事を言っているかもしれない。でも、
大丈夫だ。君はまだ走れるんだぜ。
だからもう一回、やり直そう。な。
9月某日、エンジンを載せ替える為にKen-WORKSへ2台の8Vを預けました。
フュージョン中
たいそう面倒で場所と時間が余分にかかる仕事ですが、快く承諾していただき、感謝しています。
考える間もなく、当面の足として大切なクルマを貸してくれた友人に感謝。
嫁さんの理解(諦めにも似た妥協とも言う)へ最大級に感謝。
実は「自分の事は誰も理解していない」と思っていた。実はそうでは無かった事に感謝。
今回の出来事で色々再確認をさせてくれた、
青いクルマに感謝。

意地でもしがらみでも無い。
ただ、好きだからもう少し自分の155で走りたい。これで終わりにしたくない。
世間一般的には普通にキモ!と思われるかもしれない。
正直ここまで自分の155が好きだとは思わなかった。
大事なモノは何か、愛する家族とか自分の思いとか、大切な仲間とか、様々に絡み合った運。
始まったな