かつらぎ橋の野鳥  〜14年6か月(4500回以上)の調査〜  (2002.3 に書いたものです。現在は継続調査していません)         
かつらぎ橋(撮影:2002.2.23)
 今から14年あまり前のことです。紀ノ川の広い範囲内のコサギの個体数調査は順調でした。
 しかし、「せまい範囲内ではどうなのだろうか」、「毎日調べたら、どんな結果になるのだろうか」と考える日が何日も続きました。
 「朝の出勤途中ならば、継続調査ができる」、「とりあえず、紀ノ川のかつらぎ橋でやってみようか」。そう考えて、1987年9月2日から、調査をはじめました。
 かつらぎ橋は、和歌山県北部の紀ノ川中流域(伊都郡かつらぎ町)にあります。
 最初の約2か月間は、調査の範囲をどこまでにするか、どんな記録をすれば数値データとして残せるか、双眼鏡と望遠鏡のどちらの観察器具を使うか、どうしたら毎日無理せずに継続調査ができるかなど、試行錯誤の繰り返しでした。
 現在の調査にかたまったのは、だいたい1987年11月のはじめくらいからです。
☆ 調査の概要
観察期間   1987.9.2〜2002.2(現在も継続調査中:2001年2月以降のデータは未整理)
観察回数累計 4500回以上(1987.9〜2000.12の間では4184回(月平均 26.2回))
観察時刻   午前8時ごろの約10分間(天候にかかわりなく、観察する)
観察方法   かつらぎ橋の南端から中央まで歩いて、橋の上流と下流(各約100m)で観 察できる野鳥の種類と数を記録する。
観察器具    双眼鏡(主に、倍率8倍・口径40ミリ・防水タイプ)

1 野鳥の種類数のヒストグラム

 左のグラフは、4184回の調査の中で観察した種類数のヒストグラムです。たとえば8種類が356となっているのは、8種類記録した日が356回あったことを示しています。
 グラフより、11種類観察した日が630回(日)と最も多くなっています。種類数のいちばん少ない時が3種類で3回、多い時が23種類で1回という結果になりました。
 季節や観察者の野鳥識別能力のちがいにより多少の差が見られますが、10分間ほど歩いて双眼鏡で観察できる野鳥の種類数は「約11種類」ということになります。
 4000回を越えるデータを集計すると、きれいな正規分布のグラフが描けるのはすばらしいなと思います。

2 月ごとの観察種類数
 左のグラフは、1987年9月〜2000年12月までの調査で観察した野鳥の種類数の変動を月ごとにまとめたものです。このグラフからわかることをまとめると、
@ 種類数が少なくなるのは、6月〜9月ごろである。
A 11月〜翌年の1月ごろと、3〜4月にかけて、年に約2回種類数が多くなる時期がある。
B @・Aは、毎年ほぼ同じ傾向である。
 冬季〜翌春にかけて種類数が増えるのは冬鳥がやってくるからです。この時期は、マガモ、カルガモ、コガモ、カワアイサなどのカモ類、ツグミ、アオジなどの野鳥でにぎわいます。
 
3 出現率                     
 右の表は、1987年9月〜2000年12月(4184回)の調査の中での出現率のベスト10を示しています。
 この場合の出現率は
 (その鳥を観察した回数÷4184)×100 (%)
で計算しています。季節に少し偏りがありますが、いちばんよく観察できる常連の鳥がホオジロ(88.1%)、次がスズメ(82.7%)、次がアオサギ・・・・・・と続きます。
 もちろん、ツグミやハクセキレイ、カイツブリなど、冬季に極端によく見られる冬季限定種(?)もいるので、この表のデータはすべての季節にあてはまるものではありません。国際保護鳥のコウライアイサもかつらぎ橋で観察されています。
  種  名 出現率(%)
ホオジロ 88.1
スズメ 82.7
アオサギ 77.7
ハシボソガラス 61.8
ヒヨドリ 59.1
コサギ 55.5
キジバト 49.7
セグロセキレイ 48.7
モズ 46.6
10 トビ 46.5
4 観察した野鳥の個体数のヒストグラム

 左のグラフは、かつらぎ橋で観察した4184回の中での個体数の内訳をヒストグラムにして表したものです。1回の観察につき21〜30個体というのが最も多いことがわかります。
 以上、私の14年半あまりになる4500回以上の調査結果の概略を述べてました。
 それぞれの野鳥の種ごとに、この鳥は何月ごろに多くなるとか、この鳥は10年前くらいまでは多かったのに最近少なくなってきているとか、細かく調べれば多くのことを述べることが可能です。しかし、限られた紙面の関係で、今回は残念ですが省略させていただきます。
 労多くして、得た実は少ないかも知れませんが、この調査を継続できたこと、個体数や種類数の変動の数値データを得ることができたのは大きな成果だと思っています。
 今後とも、気合いが続くかぎりこの調査を継続させ、紀ノ川全体から見れば小さい点にもならない私の選んだフィールド、「かつらぎ橋」の基礎データを蓄積していきたいと考えています。
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