『元寇の乱』>飛鳥部勝則
| 飛鳥部勝則 | ||
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| 本人の公式ページ 飛鳥部勝則美術館 『誰のための綾織』の著作権問題で現在、これに関するコメントのみが掲載されています。 今回の絶版については、えちゃんも軽軽しくはおもわないものの。少々問題が大きすぎるかなと、オマージュでしょう。これで、絶版なら、他にも絶版にしなければならない本や著作物の多いこと。 今回は、出版社があまりにも性急に絶版にしましたが、これも弱小な出版社だったからという想像もつきます。もっと大きな出版社、会社、マスメディアだったらこういうことになったでしょうか? この問題は、単なる著作権の問題のみに関わらず、小説作品におけるオマージュの線引きの問題というところもあります。ただ、おしむらくは、作者の沈黙。想像できるのは、ここで何を弁解しても無駄だろうという気持ちもうかがわれます。確かに、少し沈静化するのを待つのも得策かもしれませんが。 上記のHPのコメントもちょっとどうかなあ。あまり嫌いになるような決着をしないでほしいものです。 |
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| 誰のための綾織 (ミステリー・リーグ)原書房 新潟の大震災の最中、離れ小島に誘拐監禁された、英語教師と女子高生 彼女らを襲う蛭女の正体は・・・ 蛭女という作中作を用いて、ミステリーのアンフェアぎりぎり限界の境界線を模索する作品。 アンフェアなのではなく、アンフェアであることを公言しながらアンフェアではない作品。いや、こういう作品があってもよい。おもしろい。 一部、日本家屋の密室が出てきたりしているが、あくまでおまけ 最初から、謎の回答は提示されいている。 しかし、どうしてもこの人は怪奇趣味が抜けないと思う。 絶対怪奇小説やホラー向き!と思っていたら、最新刊はホラーでした。 |
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| 鏡陥穽 文芸春秋 こちらは、モダンホラー 鏡に切断された人間の絵をモチーフにした本格的なホラー 今までミステリを読んできてどうしてもホラーに偏らないことの不満が大きかったのですが、いよいよ読めます。モダンホラーということですが、微妙に日本風、和風ホラー。 |
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| レオナルドの沈黙 創元推理 新潟に住む、現役美術教師でミステリ作家という変わった御仁。 しかも、変態的なミステリから、本格的なミステリまで縦横無尽に書いていたのだが、満を持して、今回ようやく自分の探偵を作り出す。 現代美術、アーティストの探偵。作品は、遠隔殺人、超能力殺人、さかさま殺人。 すばらしい、数々のミステリ論とミスディレクションが読者を惑わせつつもしっかりと地に着いた解決を見せる。 今回の作品では、探偵小説作法十三箇条もあげられており。マニア納得の逸品。 みんな絶対1行目から騙されているはず・・・俺も1行目を4回も読んでいるのに騙されました。 ただ、次回作がどうなるか・・・ |
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たった、5年間の間に500枚以上の絵を描き遺して自殺した画家・東条寺桂。 彼の絵のモデルが、自分の妻に似ていることから彼に興味を持ち調べ始めた学芸員・矢部。彼の遺された絵を探しているうちに、遺族の元を訪れうちに、20年前の夜に起きた密室殺人の謎が浮かび上がる。 ほぼ同時に同じ凶器で、2重の密室殺人が行われた。その惨劇の原因とは、犯人とは??そして、彼が書き残した二枚の大作「殉教」と「車輪」に込められた思いとは・・・ 第九回鮎川哲也賞受賞作 飛鳥部勝則の処女作であり、受賞作。 最近の作品は、割と毛色の変わった作品が多い著者ですが、ここまでがっちりと本格の香り漂う作品というのは、他にないようです。久しぶりに読んだ本格小説という感じでした。 図像学を生かして、絵に対する考察を重ね。画家の遺した手記という形で作中作もでてきます。 一読して、ミスディレクションや、ヒント・解決の鮮やかさにもう一度ひもときたくなるような作品には、なかなか出会うことができないので、満足満足。 ただね、暗いね。悪いことではないです。でもなあ、暗いなw |
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| 小さなしまの版画館で働く警備員が、毎日決まった時間に訪れるセーラー服の美少女がいることに気がつく。彼女の目的は、「バベルの塔の崩壊」 同じ頃、島内で連続殺人事件が起こり、その死体の傍らには必ず、バベルの塔の絵が残されていた。バベルの塔のメッセージの意味とは。美少女と殺人事件の関係は・・・ あとがきが井上雅彦・・・ ということは、やはり推理小説ではないのか?w 幻想小説かなあと思っていれば、この作品は至って普通にミステリーだったりと はずされるなあwこの作品でも、バベルの塔をモチーフにした絵がキーワードとなって 作品が展開されるが・・・・ミステリーなので、詳しく書けないんだな |
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大物画家の私設美術館の開館セレモニーが行われる前夜。 関わりのある人物だけでのパーティーが行われていた。 やがて、廊下に見つかる血の跡。何かを多数引きずった跡。 それは、私設美術館の方へと・・・・ パーティー参加者が美術館を開けると、そこは死体の山だった。 陳列された死体。それぞれの死体が飾られている殉教者の絵の通りに 腸を引きずりだされ、矢で針の山に、歯をペンチで抜かれ、乳房をえぐり取られ・・・ 凄惨な死体の山を築いたのは誰なのか・・・・ え〜そこの奥さん、わたしがいつもこういう本ばかりを読んでいるわけではないので、いろいろ詮索しないように・・・といっても、さすがにピンクの表紙で骸骨の絵、帯には、「陳列された凄惨な死体、死体、死体・・・」とでかく書かれた本が届いたら、普通はどうかなと思うよな。うちのかみさんは、普通に、またか〜と思ったそうだ。ちなみに「バラバラってたくさん書いてあるよ!」と云っていたが、バラバラでも薔薇でもないw バラバって人の名前だよ。 最新作「ラミア虐殺」という一見本格推理小説なのに、どっからどうみてもおバカホラーだったのが、いたく気に入って読み始めている飛鳥部勝則。 始めに読んだラミアでは、まったく訳がわからなかったが、だんだんわかってきた。 この人の本質は、幻想小説&ホラーなんだ! たしかに小説の骨格というか背骨のレベルあたりは、古き良き本格物なんだろうけど、そこに乗っかっている肉が幻想&ホラー・・・という感じですか。 綾辻行人の幻想風味の作品にも近いけど、あれよりかなり本格的で、しかも怖い。 だけど、話を合理的に終わらせる気持ちは、毛頭ないみたいで・・・・ もちろん、本格なので、WHY WHO HOW位は、明確にされるけど、 それでは、理解しきれないことをなぜ混ぜる? 本格推理である必要がないと思ってのことか。 文学としての本格ものの行き詰まりを感じているのか。 それとも、ただ単にホラー好きなのかw とりあえず、刊行されているものを全て読むことに決定!!! 光文社のホラーアンソロジーにも参加しているらしい。ホラーと銘打たれた短編集がでないかな。 |
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荒れ果てた洋館の地下室で、女子高校生が首なし死体で発見される。 同級生の奥本美奈は、喫茶店で働いているときにおかしな女性に出会う。死体の第一発見者で画家の明石尚子だった。そして明石にモデルになることを依頼される。 その死体発見現場の洋館に越してきた、おかしな彫刻家 自称刑事の謎の男 そして、行方不明の同級生 疑わしい人物ばかりが揃い次の惨劇が・・・ というわけで、またもや惨殺です。 実は、この話は、「冬のスフィンクス」(創元クライム・クラブ)というお話と密接に関わっているらしく、これだけでは、腑に落ちない点が多すぎます。自称刑事の男がどうやらそれらしいです。 このお話は、会話劇ですすみます。と作者が云ってる通り、ほとんど登場人物の会話のみでお話がすすみます。同級生の首を切った犯人は、誰なのか? というか・・・やはりそこには、あまり深く入っていかない変な推理小説。 例によって図像を多く利用して、生首はどうして怖いのか? 怖いというのは、なぜ怖いのか? そして、宗教画等にに描かれる生首について等々、全く関係ないところで話が盛り上がる。やれやれ。 しかも、そっちの方がおもしろいw しかも、推理小説なのに、現実にありえないパラレルワールドのような章が、合間に挟まれて・・・幻想風味になっていく。そして、本格推理的なところは、しっかりしているものの、そんなことをかまっている暇もなく、読みやすいのですらすら読んでしまう。 とりあえず、ネットで買ったからいいようなものの、会田誠の表紙がイカス ハラキリ女子高生という絵です。美術手帳でよく取り上げられるのでしってるけど。 書店じゃちょいと恥ずかしいか。でも、この絵と内容がよく似合うな〜と読了後は、思わせられるんだけどね・・・ |
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| 東北地方の都市で、しがない探偵を営む主人公のもとにある女性が舞い込む。 「わたしを守ってほしい。」 そういう女性とともに女性の父の家に行く。 そこは、雪上車でないと行くことができない、雪に閉ざされた雪の山荘。 もちろん、外は吹雪で外界とは謝絶される。そこで起こる連続殺人事件。 まあ、これだけ読むと、普通の「嵐の山荘」ものと云われる本格ミステリーの様だが・・・・ タイトルからして「ラミア虐殺」 女性の父が米軍と一緒に開発した謎の新薬 序章では、TVや新聞のニュースが取り上げられるが・・・ UMAの連続目撃事件 全長7mの蛇、巨大な蜘蛛。全身を白い羽に覆われた鳥人の目撃・・・・ え〜本格推理ではありませんw モンスターは、実在します。(って序章から言い切ってるな・・・) どちらかというとデビルマンのような話ですw しがない探偵は、元外人部隊の傭兵w |
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| 眠りに就く前に絵画を見るとその中に入り込める男・盾経介 夢の中で遭遇した連続殺人事件の顛末は?どこまでが夢か現実か分からない世界で、幾重もの夢と探偵小説がせめぎ合う これも困った本である。 しっかりと本格推理の骨格ができているので、ミステリーとしても文句なしの作品です。最後には、しっかりと読者への挑戦もある。(多少、凝ってはいるけど。) しかし、探偵が夢の中で絵の世界に入ってしまう。この設定ですでに幻想小説風味。 全4章の構成ですが、章題も人を喰っている 第1章 推理小説風の発端 第2章 探偵小説風の展開 第3章 幻想小説風の結末 終章 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・という感じだ。あくまで「風」なのがおかしい。 実際読んでみると、連続殺人が起きて、謎解きを行うんだけど、主人公は本当に探偵なのか?今、これは夢なのか?現実なのか?作中作なのか、現実なのか?混 沌と入り交じり、読者を目眩く翻弄し続ける。それでも、物語は、破綻することなくしっかりと収束していく、いやあ、力業。 読み終わってみると、割とすっきりと読み終えることができるのに、読んでいる最中は、 「誰が死んでいるの?」 「これは、作中作なの?」 「え?夢なの?現実なの?」 と、次々に足下から世界が崩壊していくようなゆらぎが楽しめる不思議な推理小説でした。 砂漠の薔薇という作品と表裏一体のような形で書かれているので、(しっかりと個別でも完成しているが)一緒に読むとかなりおもしろい。これで、やっと砂漠の薔薇のもやもやしたところが、すっきりとする。 |
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画家である久我は、夜中に友人の画家の元へ絵の具を借りに行くが、途中で首のない怪物に出会う。 そ して、家に入ると、友人の画家は応接室で死体になっていた。そして、久我は、なぜかそのまま自宅に帰ることにした。次の日、知らない振りをして、画廊の女 性と友人宅に再び赴いたとき、友人は、密室の中で死んでいたのだ。誰が、なんのために?。そして、友人の死体は、ヴェロニカという女性像の複製画の元に倒 れていた。久我にとっても、特別な意味を持つ、ヴェロニカ。久我の思い描くヴェロニカとは、誰なのか? 首のない怪物、移動する死体、密室殺人。 実 は、それほど驚くべき正体でも謎解きもなく、淡々とストーリーは進んでいく。ハウダニットより、フーダニットに幾分重きを置いているが、それすらもこの物 語の主題ではない。作者のあとがきにあるように「暗い青春」という主題で描かれたミステリーという感じです。ただ、最近の大風呂敷を広げすぎた本格推理が 多い中で、古めかしさを感じながらもじっくりと論理を重ねていく推理の過程が楽しめる一作になっている。 幾分古いというか若い感じのする作品で す。最近の著者の遊びが多い作品群の中では、かなり地味目な感じがします。この作品は、2001年に出版されたものですが、原型は1998年にできていた ということで、この前後に書かれた作品と比べると、ちょいと若いかなあという気もしますが、謎めいたタブロー、会話主体で謎解きの論理の過程を楽しむとい うところ、キリストの聖顔布を写し取ったヴェロニカという女性のモチーフなど、ぎっしりと飛鳥部ミステリーの醍醐味を味わうことができる作品になっていま した。 飛鳥部勝則のミステリー作家にあるまじき幻想文学やホラーへの傾倒ぶりに惚れ込んで読み始めたのですが。おもしろいことに、今作では、幻想 風味が一切ない作品でしたが、一番読んでいて、すっきりとした読後感があって、やっぱり「本格」ミステリーは、いいなあ。と感慨をいだいたのも事実です。 |
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推理小説の大賞を受賞した作家が、授賞式会場で高校の後輩のホラー作家と再会する。そこで、ホラー作家が言った言葉は、「幽霊って信じますか?」 「本格推理小説の幽霊なんですけど・・・」 ゴーストストーリーについて語ろう そんな書き出しで始まる推理小説ってどうよw ねじの回転から始まって、M・R・ジェイムズやバーカーまで言及され、「本格推理小説の幽霊」について語る友人は、ホラー作家とすっかりホラー小説なのか???とはてなマークがいっぱい・・・N・Aの扉という奇妙な題名の「N・A」は、作中の登場人物の探偵小説の探偵の名前です。わかりにくいですね。 なんだか、感想の書きにくい話です。虚実がかなり入り乱れて、えらく真実味のある私小説風の手記のようなところもあります。下手に感想を書いてしまうとネタバレになりそうなのでやめます。作者の私小説、もしくは、舞台裏、あるいは、エッセイ程度として読んで、充分に楽しめました。 作者に思い入れがないとつらいかな・・・・ あとがきにあるように、 「本作を自分の体験とより合わせて、合わせ鏡のように楽しむことができる読者は、たいへん幸福な読者なのではないか。」 わたしは、たいへん幸福な読書ができました。 さて、この本を楽しくよめる読者がどのくらいいるのか、それが一番の問題です。 |
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『元寇の乱』>飛鳥部勝則