| NPO法人日本住宅基礎工事業協会(佐藤吉宏理事長)はNPO活動の一環として、地場工務店と会員を対象にした工務店応援セミナーを、福井県敦賀市の日本原子力発電所の施設「アトムプラザ」において開催いたしました。 セミナーの冒頭において、同協会が活動目的にしている住宅基礎工事業種・住宅基礎工事士確立のための国への働きかけについての件に関して、政府は住宅の基礎に対してあまり関心を示していないという状況を報告させていただきました。 協会では今後の活動として、国民が住宅の基礎に不満や不安を持ってることを、政府にもっと理解してもらう必要があると考えております。 地場工務店の応援セミナーでは、理事長が、この一年半の間に地場工務店とハウスメーカーをまわって感じた点についてお話させていただきました。また、内容については以下に要約いたしました。 |
| ○伸びている工務店には、以下のような傾向が見られました。 @社員教育が徹底しており、ユーザーに受けが良い。 Aコストダウンを計っている。 B現場吹きつけの外壁を施工している。 C最初から地盤の補強が必要か否かを検討している。 また、接客が上手な会社では技術が伴わなくても受注があり忙しいという、素直に喜べない事例もありました。 ○伸びていない工務店には、以下のような傾向が見られました。 @オーナーが頑固である。 A技術力がないにもかかわらず、勉強しようという意欲がみられない。 B展示場を持っている。 |
| 新潟県であった事例ですが、新潟地震でも大丈夫だった敷地内での建て替えにもかかわらず、「地盤調査屋に杭を打たなければもたない、と言われたから、杭打ちをしなければならない。」という工務店がありました。 もつかもたないかは基礎を含めた建物の構造から設計者自身が判断しなくてはならないのに、何と言ったら良いものか…。 ここ最近では、医療現場や医者を描いたTVドラマがヒットしているようですが、これを医療に例えるなら、医者が医者でない者に、判断を仰ぎ、それに従い治療するようなものではないでしょうか? 必要のない地盤改良工事をするということは、病気にたとえるなら、投薬や生活習慣の改善により、十分に治る可能性があるにもかかわらず、患部の摘出手術をしてしまうのと同様であるといえるのではないでしょうか? 最近では、納得がいかなければ、最初に行った病院にこだわるのではなく、別の病院でも診てもらい、自分自身が納得できる治療法を選択することが大切であるということをよく耳にします。住宅の建築に関しても同様のことがいえるのではないでしょうか? |
| 関東ローム層においては、特殊な地盤でない限り、ほとんどのケースにおいて、地盤改良を行わなくとも、構造計算によって解決できることが判ってきました。また、実際には十分な検討もなしに、たくさんの地盤改良工事が実施されていることも判りました。 |
| 大手ハウスメーカーといえど例外ではありません。現場で工事を行うのは下請け、孫請け業者であり、全ての工程において十分に管理されているとは限りません。実際には地盤沈下により、建物が裁断され、修復に至ったという事例があります。 上記事故に関して、地盤沈下の原因ではないかと考えられているのは、地業時に転圧作業を行わなずにその日の作業を終わってしまったことです。その夜、雨が降って地盤に水がしみこんだ状態のまま、翌日、転圧作業を実施したのですが、地盤が思ったように固まらなかったというものです。その結果、地盤の自然沈下を招いてしまいました。地業を始めたら必ず転圧までを実施し、作業を終了する事が必要であるといえます。 基礎と上物が裁断された直接的な原因は、柱梁の構造体が構造計算上必要とされる太さよりも、実際には細かったことによって、地盤沈下による剪断荷重に耐えられずに基礎と上物が裁断されてしまったということです。 この修復には、建て替えるのと同じくらいに経費と時問が掛かったと聞いています。 住宅に関する事故は、あまり報道されませんので表には出てこないですが、大手ハウスメーカーだからといって、事故がない訳ではありません。 |
| 平成15年に発生した東北地方における地震などでは、軽量鉄膏のアンカーボルトは立ち上がり幅120mmのものでは破壊されていました。土台は木よりも鉄の靱性がないので土台に大きな力が掛かるために起こった現象であるといえます。従って、地震が発生した場合においては、靭性が非常に重要な要素であるといえます。 |
| セミナーでは、このほかにも、でたらめな工事の事例を何件か紹介し、閉幕いたしました。 最後に、これから施主になられる皆様方に注意して頂きたいことが1つあります。良い住宅を手に入れるためには、ユーザー自身が積極的に情報を集め、勉強し、自己責任において、工務店やハウスメーカーを選択する必要があるということです。 |