保留率関数法による流出解析
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更新2009年3月23日
開設2007年9月7日
越前 明
ダムは洪水を調節し、水資源を供給する役目を果たしている。森林域は土砂の流出防止、地球温暖化の防止(炭素循環)、雨水を地中に浸透させ洪水を緩和する等多様な機能を持っている。「ダム」と「緑のダム」が対立する昨今、流出解析から土壌保水量の定量的評価が求められるならば、議論は今少し建設的になる。
当解析法からは流出量に対応する三本の特性曲線が得られる。各特性曲線は流域の定量的評価であり、緑のダム指標でもある。
水文解析の多くは3段もしくは4段の「直列型タンクモデル」を使用して解析を行うが、モデルを決定する定数(流出係数や貯留高初期値等)が多く、その決定には試行錯誤の回数も多く、長年の経験と勘を要する。
「並列型タンクモデル」で解析する場合、降雨量を基底流量分と直接流出量分に分ける「分配則」が見出されば、流出解析は相当容易になる。
本解析法は分配則として「保留率関数」を導出して行う解析法である。
ダム技術(財)1998年7月号、1999年9月号、建設(社)2001年7月号及び電力土木(社)2004年5月号、2005年1月号各誌に発表させて頂いた研究内容をまとめております。
雨が降れば、川の水が増えるのは自明の理であります。
流出量は、降雨量、流域面積、土質の状況、土壌表面の植生状況、季節及び気候的要因により複雑に変化します。
現在、流出解析として「菅原の直列型タンクモデル」と「貯留関数法」が多く用いられていますが、1939年Barnesは、「流出量は表面流出量、中間流出量、基底流量の3成分に分解され、その各々は減水曲線で表される。」とした。
菅原のタンクモデルは3又は4段のタンクを直列に配して流出解析を行いますが、
当流出解析は、「保留量曲線..農水省構造改善局S53制定、土地改良事業計画設計基準P42」の考え方と「Barnesの解析法」を基にこれまでとは全く異なる並列に配した3個のタンクから流出解析を行います。
「並列型タンクモデル」に付いて解説いたします。
図は流出解析の3要素の相互関係を現しており、2要素が同定できれば残りの要素が求められることを現しており、流出解析には、次の二通りの方法が考えられる。
@ 雨量を「証」として流出量を求める。
A 流出量を「証」として雨量を求める。
@の方法は直列型タンクモデル等多くの解析例がある。
Aの解析は流出量曲線から各流出率を求め、流出量に見合った雨量を逆算することになる。この時に得られた雨量は流出量に相当する分だけで損失雨量を含んでいないので、これを「有効雨量」とする「Back Analysis」である。
当保留率関数法による流出解析は「Back Analysis」である。
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