フィブリノーゲン(fibrinogen)
正常値
130〜380mg/dl
@フィブリノーゲン(fibrinogen)は肝で産生される分子量約34万の糖蛋白で、その生体内半減期は3〜4時間といわれています。
ADIC(汎発性血管内凝固症候群)診断のための基本検査は、フィブリノーゲン、FDP(フィブリノーゲン分解産物)、血小板数、プロトロビン時間(PT)の4つの検査です。この4項目中3項目以上が陽性となるDICは約2/3の症例に及びます。
検査目的
赤血球の沈降に影響を与える血漿タンパクのフィブリノーゲン(線維原)は,血液凝固第1因子ともよばれるように,止血作用に欠かせない働きをするタンパク質です。これは血漿中に溶け込んでいて,出血があると,他の血液凝固因子が連鎖反応的に止血作用をした最後にフィブリンといわれる網状の塊に変化して血液を固まらせます。このフィブリンが一定量を超えますと,血液中で今度はこの線維を溶かす作用が働きます。このような巧妙なバランス特性によって,血液は血管に詰まることなくスムースに流れます。そして,必要がある場合は止血のために固まってくれるのです。
この巧妙なバランスの働きをするフィブリノーゲンは正常値に示す値にあってこその特性であって,その量に変動を生じる疾患で異常値を示すものになります。
解説
血液中のフィブリノーゲンの濃度が上下著しく変化しますと,前述のバランスはくずれてしまいます。フイブリノーゲンが60mg/dl以下になりますと,出血の傾向が生じます。これとは逆に700mg/dl以上になりますと,血液の流れを阻害する血栓ができやすくなります。
疾病
数値が低い場合
劇症肝炎,肝硬変など。
数値が高い場合
脳梗塞,心筋梗塞,ガン,炎症性疾患,ネフローゼ症候群など。
低値
●DIC(急激にフイブリノーゲンが減少) ●肝障害(フイブリノーゲンは肝でのみ合成される。フイブリノーゲンが60mg/dl以下になると明らかに凝固時間が延長し、出血傾向が出現してくる) ●巨大血栓症 ●線溶亢進症 ●大量出血 ●先天性/低フイブリノーゲン
高値
●急性感染症* ●悪性腫瘍* ●ショック* ●脳血栓* ●急性心筋梗塞* ●糖尿病* ●ネフローゼ症候群* ●医原性(経口避妊薬長期連用、ヘバリン投与中止後、クリオプレチピテート投与中、凍結血漿の大量輸液など) ●妊婦(T〜U期でも平均で400mg/dl前後、V期で400〜600mg/dlに増加)
*一般にフイブリノーゲンが700mg/dl以上になると血栓傾向出現
「検診の検査値による健康診断」より抜粋。