補体
ある細胞で免疫した動物から得た新鮮抗血清を免疫に用いた細菌に加えて37℃に保つと、細菌は破壊されます(溶菌)。この溶菌は、抗血清を56℃30分処理する(この処理を「非動化」という)と起こらなくなります。
 非動化により抗体の機能は損なわれません。また非免疫動物から得た新鮮血清を非動化血清に加えると溶菌活性が回復します。
 このように溶菌を生じるためには、抗体に加えて補体が必要です。補体は熱処理に不安定な血清成分です。
 補体は一連の蛋白質群により構成されており、通常補体系と呼ばれます
 活性化された補体は、好中球の食作用を助けて、好中球を呼び寄せたり、膜侵襲複合体を形成して、溶菌、細胞破壊をもたらすといった作用を有し微生物から生体を守るために重要な働きをしています。
 一方、補体系産物は、抗体のような厳密な特異性を有していないことから、自己の細胞を攻撃する危険性を有しているか、血清中にも細胞表面にも補体から自己細胞を守る因子が存在し、補体系の制御が行われていることが知られています。
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/tootake/zisyo5.htm#p16