腫脹swelling
浮腫; 全身腫張; 全身水腫; 圧痕を伴う浮腫; 依存性浮腫

定義
組織内における水分の過剰な貯留または増加。腫張には、全身に現れるもの(全身性腫張)と、体の特定の部位だけに現れるものがあります。

参照:
- 足首、足、下肢の腫張
- 血管性浮腫
- 歯肉腫脹
- 腺の腫張
- 顔面の腫張
- 腹部の膨隆
- 乳房の腫脹
- 陰嚢腫脹
- 関節腫脹

考慮すべきこと
ここでは、腫張について全般的に説明します。特定の部位の腫張の特有な情報については、定義にリストされている、該当する項目を参照してください。

夏の暑い時期に、下肢に軽度の浮腫が現れるのは異常ではありません。

全身性腫張(全身水腫)または重度の浮腫は、大きな病気の徴候であることが多いと言えます。軽度の浮腫は見分けづらいものもありますが(特に太りすぎの人の場合)、重度の浮腫ははっきりそれと分かります。

広範囲に現れる浮腫は、長期間続く、進行性のものであることが多く、原因にはさまざまなものがあります。

浮腫には、圧痕を残すもの(むくんでいる部分を指で10秒間押さえて素早く離すとくぼみが残り、ゆっくり消えてゆく)と、圧痕を残さないもの(むくんでいる部分を10秒間押さえて素早く離しても、皮膚にくぼみを残さない)があります。

一般的原因
- 塩分またはナトリウムのとりすぎ
- 熱傷
- 日焼け
- 血液中のアルブミン濃度の低下(低アルブミン血症)
- 栄養不良
- 妊娠
- 薬剤
- アンドロゲンおよび蛋白質同化ステロイド
- 降圧剤
- プレドニゾンなどのコルチコステロイド(ナトリウム貯留作用がある)
- エストロゲン
- 抗炎症薬(参照:非ステロイド剤)
- 食塩水の経静脈的投与またはチューブ栄養法
- ネフローゼ症候群
- 急性糸球体腎炎

注: 腫張の原因は上記以外にも考えられます。上記のリストは、考えられる原因をすべて網羅しているものではありませんし、また、原因として多いものから順に並んでいるわけでもありません。稀な病気や薬剤が、この症状の原因となることもあります。また、患者の年齢や性別、および症状の現れ方(性状、経過、悪化要因、緩和要因、随伴症状など)によっては、異なる原因が考えられることもあります。「症状分析」機能を使って、腫張だけが単独で起きているのか、他の病気と関連があるのか可能な説明を探してください。

家庭での治療
医師の指示に従って、浮腫をきたす基礎疾患を治療します。床ずれの防止のため(慢性の浮腫の場合)、エアマット、羊毛マット、円座などの使用について主治医に相談してください。

ふだんどおりの生活でかまいません。ただし、立ってばかりいるよりは、歩いているほうがよく、座ってばかりいるよりは、立っているか、横になっているほうがよいと言えます。横になるときは、水分の排出を促進するため、可能なら手足を心臓より高くなるような姿勢で寝るようにします。息切れが起こるようなら、このようにしてはいけません。

むくんでいる箇所を定期的にマッサージします(特に、腰、尻、背中の浮腫の場合)。

食事の際、ナトリウム(塩分)の摂取量を減らすようにします。

医師に相談
- 原因の分からない腫張が現れた場合。

診察室での処理
緊急を要する場合(心不全、肺うっ血など)を除いて、問診および診察が行われます。

腫張の詳細について以下のような質問をされる可能性があります:
- 経過
- 初めて気付いたのはいつですか ?
- 絶えずむくんだままですか ?
- むくみが現れたり消えたりしますか ?
- 性状
- 腫張の範囲はどのくらいですか ?
- 指先で押さえたとき、くぼみが消えずに残りますか ?
- 場所
- 全身に現れていますか、それとも特定の場所だけ(限局性)ですか ?
- 腫張が特定の場所だけに現れているのなら、それはどこですか ?
- その他
- どうすると症状が軽くなるようですか ?
- どうすると症状がひどくなるようですか ?
- このほかに現れている症状はありますか ?

以下のような診断検査をするかもしれません:
- アルブミン値の測定
- 心電図
- エコー心拍動記録
- 血清電解質測定
- 尿検査
- X線検査

補足:
治療としては、水分とナトリウムの摂取制限、利尿薬類やジゴキシンの投与、(まれに)アルブミンの経静脈的投与などがあります。場合によって、プレドニゾン(注:日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイドや免疫抑制剤の投与が行われることもあります。水分摂取量と排泄量を記録し、毎日、体重測定を行います。

肝疾患(肝硬変、肝炎など)が原因の場合は、アルコールを控えます。血管支持ホース(TEDホース)が勧められることがあります。
http://www.kasari.jp/HouseCall/encyc/1/5/38_0_0_0.html