テタニーtetany
おもに四肢遠位筋に強い拘縮を起こして,手足の屈曲位を呈するのが特徴的である(助産婦様手obstetrician's hand).重症の場合,喉頭筋,呼吸筋さらに全身の筋に及ぶ.テタニー軸症状Achsensymptome der Tetanie)として,Chvostek徴候(外耳道前方で,顔面神経の走行上を叩くと口輪筋,顔面筋が短時間拘縮する),Trousseau徴候(上腕をマンシェットで収縮期圧以上で圧迫したときに,手根筋などの拘縮が起こる)がある.副甲状腺機能低下症によって起こるが,ほかに偽性副甲状腺機能低下症,ビタミンD欠乏症,過換気症候群,原発性アルドステロン症などでも起こる.多くの場合,低カルシウム血症,低マグネシウム血症あるいはアルカローシスを伴うが,二価の陽イオンであるカルシウムイオンの細胞膜外での減少により膜貫通電場の減少が生じ,脱分極と同じ状態となり,神経線維が興奮しやすくなっているために起こると考えられている.