寒 蘭 日 誌 3


 ( 10 月 5 日 )
  忘 れ た 頃 に 花 芽

 遅 く 出 た 花 芽  この坪では数年続けて沢山採った。2〜3年物もあり行く度に面白いように採れた。15年以上も前のことだ。2〜3年物等はその数年後から続けて咲いた。殆どが払い越しを連想させる上等の濃紅花だったが、それ以上の花は咲かなかった。土を切った花芽は濃い紅色で、春蘭の花芽のようにずんぐりしていた。この花芽もそれほどではないが似ている。どんな花が咲くか目が離せない。
 余りにも多く、又、葉状も似ていたので小苗はすべて同じラベルで数鉢の小鉢に寄せ植えのまま忘れかけられていた。

 払い越し、払い越しと言って皆が騒いでいたが、当てにならない坪に行くより沢山採る方が遥かに面白かった。川をぞぶって払い越しには渡らないで少し上流に行って左に上った。本当(?)の払い越しは川を渡って直ぐの狭い範囲だったがいつの間にやら随分と広くなっている。私の採った坪も払い越しになる。
 本坪には一度だけ行ったがすでに採れるような状態ではなかった。幸い小苗を1本だけ採った。立葉ふうで数年すると葉先が割れやすい。この1本は特に目をかけて育てていたが、機嫌を損ね小割にしてしまった。今年花を期待していたが花芽はついに来なかった。
 もっと川を頻繁にぞぶっていたほうがよかった・・・

 ( 10 月 1 3 日 )  蕾 は 語 る

 ・ ・ ・  蕾は語る。 花間、蕾の容、艶のある緑色に毎朝目が離せない。坪の匂いが漂ってくる。初花の蕾にはプラスアルファの魅力がある。
 葉の割には花芽の付きは遅かった。ここ数年花は来年の楽しみだった。鉢の方向を変えたので花軸が曲がってしまった。真上に真直ぐ伸びているより風情(?)があってこれもまたいいか。葉上に咲く3輪を勝手に想像する。初花は咲くまでが最高に楽しい。 今年初めてつける中で一番魅力を感じる花芽ではあるが、咲くまで楽しんで、咲いてからも楽しめる花になるか?

 蘭舎のあちこちで葉上に初花の花芽が伸びてきた。寄せ植えあり、小鉢あり。早いものは首を振りはじめた。11月の声を聞かぬうちに咲きそうだ。待ちに待った花の時季はもう直ぐだ。

 ( 10 月 2 0 日 )  初 花 開 花 第 一 号

 今朝の蘭舎の最低温度は10度。秋らしくなってきた。気のせいか寒蘭の花芽も凛としてきた。早いものは中旬頃から咲き始めた。(温暖化のせいか開花の時期が年々早くなってきているように思う) 
 佐喜浜の山採り初花、ゆっくりと開いてきた。完全ではないがベタ舌だ。花間も良い。今年の初花コーナー候補だ。期待していた坪ではあるが、幸運な当たりくじだ。山採りは応えてくれる。この坪では沢山採っている。今までに咲いたものは普通の青やサラサだったが、未開花株楽しみに育てよう。
 第一号と言っても自己満足できる開花第一号だ。咲くまで楽しませてくれた今年の初花すでに数鉢。今朝も極普通のサラサが咲いた。紅花の坪と聞いていたのだが。

 佐喜浜には坪は多い。佐喜浜流域、入木川流域は勿論のこと潮風の当たる海岸近くの雑木林から、海抜700m近い吉良川や野根との尾根境にいたるまで坪が点在する。人里近くの裏山にも坪があって楽しい。
 少し古い話だが、入木から白壁に至る尾根越えの生活道道沿いには寒蘭が多く自生していて秋には花を楽しめたようだ。インターネットは勿論、テレビやマイカーなどは無かったが良い時代だっただろう。

 開 き 始 め る  「蕾は語る」のその後。ゆっくり開き始めた。覗き込んでみる。点はあるが舌は丸そうだ。合 格

 ( 11 月 1 日 )  一 足 早 く 咲 い た 2 輪

 「蕾は語る」 一番上の花がようやく開き始めた。自己満足以上の花だ。長い山採り歴の中で3本の指に入る。明日にも咲きそろいそうだ。
一足早く株分け苗が可憐に2輪咲いた。殆どの山採り苗は寄せ植えのまま初花を見るが、この苗は葉状などに魅力を感じ株分けをしていた。
西土佐産だが採った場所は覚えていない。まだ西土佐に不案内な時に友達5人で当ても無く川沿いの幾つかの雑木林に入った記憶がある。

 11月の声を聞くととも待っていたとばかりに咲き始めた。それぞれ懸命に咲いている。どの花も咲き始めは人目を惹く。
 「17年の初花」に2花UPする。今年は幾つ自己満足の花が咲くだろうか。

 ( 11 月 5 日 ) 3 輪 咲 き そ ろ う

 「蕾は語る」の3輪咲きそろう。朝一番2鉢を並べて見惚れる。同じ株分けだが鉢によって少し違う。寒蘭は繊細だ。

 次々と咲いてくる初花、それぞれ懸命に咲くも見劣りがする。

 
 ( 11月 12日 )  来 年 の 楽 し み ( 1 )  

 ( 1 ) 楠山産 有名な払い越しの向かいの坪 やさしい紅の色合いと舌が良い 花型が決まればいいが、株に力をつけてみよう。


 ( 1 1 月 2 2 日 )  尾 根 境 の 坪 の 花

 野趣に富んだ花が咲いた。サラサ模様に特徴のあるごつい感じの花だ。昨年までに咲いた花 ( 9 ) と同じ坪採り。同じ花だろうと思いながらも大きく膨らんでくる蕾にワクワクしていた。すごみも独特な色合いもワンランク上だ。
 佐喜浜と吉良川の境の尾根筋の坪。吉良川側に多いが、これは数m佐喜浜側。
 未開花の苗も多いので楽しみだ。

 山は良い。展示会で皆が来なかったのだろうこの時期にしてはよく採れた。展示会の蘭談義で得た坪でも運良く巡り合えた。展示会続きで少々ストレスが溜まっていたがこれですっきりした。

 ( 1 2 月 2 日 )   遅 く 咲 い た サ ラ サ 大 輪

 吉良川産。このところの冷え込みにも負けずに大きなサラサ花がゆっくりと開いてきた。一文字咲き12cmの大輪だ。内弁も舌もこのままで止まってくれればいいが。大株になり株が充実してくると花の抜けも張りも良くなると期待しつつ眺める。数年後が楽しみ。
 大きな尾根をひとつ西に越えると、大輪のサラサや青で有名な大きな坪がある。

 払い越しの二鉢、濃紅色の蕾が朝陽に光っている。色は合格。今年の初花もこの二鉢を含め残り少なくなった。

 ( 1 2 月 1 2 日 )  払 い 越 し

 払い越しの初花が一輪開き始めた。やはり払い越しは良い。と言って払い越しにしては極普通。勿論本坪の武将系等には遠く及ばない。これを最後に今年の初花達も咲き終わった。開花を待つ楽しい季節は今年もあっと言う間に終わってしまった。早く咲いた花はすでに萎れている。このところの寒さのためか花弁が反り返っている鉢もある。株分けのため早めに切り取られた水中花はいつまでも凛としている。朝陽が射し込み暖かくなってくる。良い香りが流れてくる。

 ( 1 2 月 2 5 日 )  西 隣 の 山 の 花

 閑に任せて写真に撮っている花を懐かしく観賞した。山採りした時がよみがえって来る。瞼に焼き付いている花、こんな花も咲いていたのか、すでに忘れてしまった花等々。
 この花は今年咲いた花にUPした ( 1 0 ) に良く似ている。産地は同じ吉良川だが大きな尾根をはさんだ西隣の山。隣の山から風に乗って種子が飛んで来たのか。それろも似てはいるが親は別だろうか。
 平成2年に咲いた花だ。この頃はバック紙を使ってなかったのか。陽に透かして色を出している。

 花軸をすべてきれいに切り取りすっきりした。例年ならこの時季幾鉢も花容狂わずに凛と咲いているが今年は2度の雪に見舞われ花の終わりが早い。このところ蘭舎の最低温度はマイナス2〜3度。鉢の表面の土はカチカチ、10時頃には溶ける。しばらくは静かに休眠だ。マイナス4度、マイナス5度の予報の時は古新聞で被う。

 荒山に入り数年物を見つけたり、車を止めて直ぐの坪に秋芽が伸びていたり、雪に見舞われ諦めたり ・ ・ ・


 雨が降らない。山の腐葉土は乾燥している。条件の悪い坪では小苗たちの葉が萎れていた。兎に食べられたり、この冷え込み乾燥でお山の寒蘭達も大変だ。

 ( 注 ) このページを見て頂いた方から 「 春 寒 蘭 」 のようにも見えますねと言う感想を頂いた。良く観察してみたが、葉にも花にも春寒蘭のようなところは全くない。この花に早く咲いた春蘭の花粉がつけば春寒蘭が生まれるのだろうか。長い自然の流れの中ではこんな偶然が重なることもあったのだろう。

 ( 1 月 2 5 日 )   真 冬 の 収 穫

 大きな坪の直ぐ近くに、「花はみちょらんがあそこは広葉が出るぞ。滅多に採れん。出るのは5〜6年に一回ぞ」と教えてもらった小さな坪がある。毎年一回は覗いているが生えた気配も人の入った気配もない。椎の木も大きくなり鬱蒼として年々条件が悪くなっていた。
 枯れ枝の陰に青いものが光る、そっと除けると小さな2枚葉が2芽。生えるもんだ!!なるほど魅力ある葉だ。何年ぶりに出た芽だろうか。一昨年の台風で大木が数本根こそぎ倒れて明るくなっている。坪の土は倒木の根と共に掘り返されたようだ。
 大きな坪では例にもれず並み物が多いらしいが、多くの人が採っている。掘り跡はきれいに落ち葉で隠されているが分かる。広葉のポイントは坪の切れめから20 〜30m離れている。ここまでは人は来ないだろう。そっと私の秘密の坪であって欲しい。

 ( 2 月 1 4 日 )  春 の 生 長 の 準 備

 午後の日照時間も長くなり少し春めいて来た。寒蘭達の目覚めも例年より少し早いようだ。年末の寒波に対する反動だろう。寒蘭達は正直だ。目覚めようとしている寒蘭達には申し訳ないが、 主の栽培管理に合わせて3月上旬頃までもう少し休眠してもらう。日中は窓を空かし寒さにあわせる。
 一方で春の生長の準備を始める。準備第一として鉢の中の汚れを洗い流すつもりで朝、昼と2回タップリと潅水した。乾燥具合などと相談しながら3月の上旬頃まで潅水を我慢する。 今夜は冷え込みはない。夜間も窓を空かしておこう。

 ダ ケ 土  ダケ土の準備は近くの山から。ここ数年これが一番だと決め込んでいる。強く摘むと割れ砂状になる。小苗などは鹿沼の小を少し混ぜる。
寒蘭の土は色々やってきた。何度も天狗になったが難しいが結論だ。同じ土で同じ蘭を植えても一鉢は良いが一鉢は悪かったり。小苗の成育には良いが大株には芳しくなかったり。花色やそれぞれの蘭も持つ個性を考えたりするとキリが無い。
 蘭舎の条件、潅水、肥料、消毒等々と総合的に深く関係している。「水遣り3年」と言うが・・・


 ( 3 月 1 日 )  殺 菌 剤 1,5 0 0 倍 液  を 潅 水

 2月の中旬から水を切っていた。乾燥具合を確認して小鉢等にタップリと殺菌剤1,500倍液で潅水した。微かに音を出してしみ込んだ。鉢の中の土が乾燥しているので消毒の効果も高いだろう。寒蘭も水を欲しい状態なので、この潅水を機に春の活動を始めるはずだ。朝夕の空気の入れ替えは別として蘭舎の窓は締め切り自然界よりは少し早くそして急に温度を上げる。潅水と温度を上げ弾みをつける。大鉢は来週だ。
 山採り苗や元気な苗はそんなことにお構いなくすでに春の活動を始めている。昨年末の記録的な冷え込みの反動か目覚めが早い。
 自然界においても梅の開花は遅かったが、桜の開花予想は例年より早めだ。

 殺菌剤はダ○○ート ペットボトルに入れ微温湯で溶かし小さな粉がなくなるまで振る。
 殺菌剤は数種類を交互に使っている。専門家でもないので、どの症状にどの薬が最適が分からない。又、出る症状も違っている。ダ○○ートは年に一回しか使わない。

 ( 4 月 8 日 )  ハ カ マ わ ら う

 愛蘭家にとって楽しい新芽の季節、ハカマが割れバルブが丸くなり始めた。そっと土を除けてみると白い小さなアタリを発見。昨年芽を休んだ鉢はすでに芽を出している。寒蘭談義も活発になってくる。あの肥料が良い、この活力剤が良いと人それぞれが言う。鵜呑みにして肥料浸け、薬浸けにされる寒蘭はたまったものではない。大概は聞き流しているが、説得力のあるやり方は少し控えめに試みる。
 新芽の季節は元気をもらう。花の季節はかけすぎた期待の余りがっかりすることが多いのと対照的だ。

 一口に吉良川と言っても東の川と西の川があって広い。この二つの川の間に400〜ら600mの尾根筋が上流に向かって延々と続く。坪は点在する。

 ( 4 月 2 0 日 )  初 花 期 待 鉢 を 並 べ る

 株の充実ぶりを見て初花期待鉢を数えるのは本当に楽しい。東の坪あり、西の坪あり、銘花の出た坪あり、駄花ばかりの坪あり、新坪あり ・ ・ ・

 初花ではないが も う 一 度 見 た い 花  吉良川産 菊鉢に寄せ植えにしてあった山採り5年位の中苗に咲いた花。10年以上も前のことだ。これは良い花になりそうだと欲を出して小割りにしたが、その後の作下手と一時の倦怠期のため開花株に回復するまでに随分時間がかかった。少し機嫌を損ねやすい性質かもしれない。
 その頃は滅多に写真等撮った事ないが余程気が向いたのだろう。今見ても期待を持たせる花だ。特にこの谷の花は株が充実して大株になると中苗に咲いた花をワンランクもツウランクも上まわることが多い。この一鉢もこの類であって欲しいと願いつつ秋の開花を楽しみにする。初花を待つのとはまたひとつ違った楽しみだ。

 毎年この時期になると生理的(?)な所謂スッポヌケが小苗等に一鉢、二鉢見られるが、今年は冬の潅水に少し注意したので今のところ全く無い。気付くのは今だがスッポヌケに遣られるのは冬だ。

 ( 5 月 1 4 日 )  人 工 増 殖 の 恐 怖

 今日は蘭採りにも行かず、閑にまかせて会誌「寒蘭」(昭和48年度)を思い出したように読んだ。
以下はその投稿記事「話題」からの抜粋

人 工 増 殖 の 恐 怖
 蘭の種子を普通の土に蒔いてもなかなか生えてこない。
 蘭の種子は胚が極めて貧弱であり、胚乳も全く発達してないので、ラン菌の力を借りなければよう発芽しないことはよくしられている。ところが近頃糖分を中心とする栄養を与えることによって、所謂試験管ベイビーが誕生し、洋蘭の大量育苗が始まった。何さま一つのサクに百万も一千万もある種子を殆ど発芽さすことに成功すれば、寒蘭もタダ同様になるというので随分話題になったことがあるが、現在も着々と研究が進んでいるそうだから、何時大変事が起こるかもしれぬと心配している向きが多くよく話題になる。
 これが実現すれば、一本何百万、何十万だという値段は昔話になるだろうが、また一方には、それをやるには種子がいる。どんどん新種を育成してそれを目の玉の飛出るような値で売ればよいと云う人もいる。
 先年薬品処理による大量繁殖方が完成したといって、真青になった人があり、二晩も三晩も寝れなかったという、名品所蔵者もあったがいつの間にか話題から姿を消した。しかしこういうものは話題が消えた頃よく現れるものだということがまた話題になっている。

  旧暦で言えば、五月は梅雨の頃だ。梅雨時の嬉しい晴れた日を 五月晴れ と言ったのか。浅学な小生そんなことは知らなかった。

 ( 7 月 2 6 日 )  一 腹 の 涼

 青 々 だ !!  山採り5年苗に初花。
 所謂狂い咲き。新芽に交じってすっと伸びた花芽を発見。青だ。季節外れの花も良い、しかも初花だ咲かしてみよう。新芽は極普通のサラサ芽。葉は柔らかい垂れ葉。紅花も咲くが、青やサラサの多い皆の知る広い坪。
 沢山採ってきた坪だ。記憶を辿ってみるが、残念なことに採ったポイントは定かでない。同じ坪の数ある未開花株を入念に調べたが同じ葉状はない。欲を出してもいかん。

 我が棚では狂い咲き等は数回しか記憶に無いが、青々の初花とは大当たりだ。この花に限って言えば、狂い咲き等と言う表現は使いたくない。梅雨を忘れ一腹の清涼感に浸る。

 子房には一滴の濁りも無い。寒さを感じる11月の本咲きに期待 ・・・

 ( 8 月 10 日 )  最 高 温 度 3 8 度

 遅い梅雨明けの後は猛暑、7日の午後には短い時間ではあるが蘭舎の最高温度38度。熱風が吹き込んできた。それ上よく乾く。過去に35度を超えた記憶は無い。水遣りは早朝か夜涼しくなってから3日に一回のペース。寒蘭作りにとってこの時期は結構忙しい。山採りより水遣りが優先することがしばしばある。

 遅 く 出 た 新 芽  毎年冴えた新芽だと思っていたが、今年は一段と冴えている。遅れを取り戻そうと急速に成長したためだろう。
山採り後順調に育った。一昨年、昨年と初花を心待ちにしたがお預け。株も充実し新芽も一つなので今年こそはと期待している。山採り苗は初花を見るまで無限に楽しみが広がる。
 この新芽に惚れてここ数年堀跡の直ぐ近くで採るが同じものは無い。葉状は似たものはあるが普通のサラサ芽。近くでは緑の濃い硬葉や広葉の小苗が採れる楽しい坪。

 6月、7月に山採りした小苗達は塀沿いの木陰で機嫌が良い。

 巷では花芽の便り。我が棚では未だだ。焦る気持ちは無いが早く見つけたいような。

 ( 9 月 2 4 日 )  花 芽 の 競 演

 花芽の競演とまでは行かないが、葉の間から花芽が見え始めた。山採りから何年も待たされた株、予期せぬ菊鉢のよせ植えに丸みのある花芽、濁り芽、サラサ芽、艶のある濃い紅芽 ・ ・ ・ どんな初花を咲かしてくれるだろうか。開花に至るまで愛蘭かにとっては最高の季節だ。
 我が棚では例年より2週間位遅い。花時季の遅い払い越しのバルブが大きく膨らんでいる。花芽だろうか。バルブをはぐってみたいが花芽を止めってしまったら大変だ。

 野 根 産 花芽を撮るつもりだったが、つい葉芸にピントがあってしまった。10年位前に初花を見たが欲を出し小割にした。久し振りの花芽だ。ピンク色で魅力ある。10年前に見た花に+アルファをつけて昇華させる。初花ではないがそれ以上に待ち遠しい。花弁の元は緑、中頃は白、弁咲きはピンク、白舌にピンク色の小さい点、龍が踊っているような花姿。開花時期は12月の遅花会の頃だった。

   
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 ( 1月 10日 )
 寒 蘭 は 辛 抱 草

 多くの蘭は少しポイントを掴めば、極標準的な培養土、水遣り、通風、温度、肥料、消毒等で良く育つ。初心者の頃は教科書通りの栽培管理で毎年順調に育ったものだ。殆どが直根付きの山採り苗だったせいもあるだろう。寒蘭を作り始めて4,5年の頃が一番上手だったように思う。
 初花が咲き株分けを始めた頃から、順調に育っている多くの蘭と同じ栽培管理をしているが機嫌を損ねる蘭がぼちぼち出始めた。それぞれの寒蘭の持つ個性だろう。

 「払い越し」の蘭も作りにくい一つだ。山採りから7,8年は順調で作りやすい蘭だと思った。ところが急にすべての葉を落としてしまった。根もバルブも全く異状は無かった。バルブをばらばらにして作り直した。殆どのバルブから芽が出たが、葉先が割れたり、黒くなったりで数年は親勝りには育ったなかった。多めの潅水が良かったのかここ数年元気になった。

 昨年の秋、これは良いぞと言われる培養土で植え替えた。画像では判り難いが1ヶ月もしないうちに昨年の葉の先が黒くなってしまった。植え替えのショックか、培養土が合わなかったのか。 ( 1 )
 この鉢も  ( 2 )  来年は待望初花を期待できるが、植え替えるべきか否か。ダケ土植えにしようか。「払い越し」の本坪の立葉なのでこだわる。

 ( 1月 2 2日 ) 産 地 の 里 山

 山採りシーズンも終わり近くなると人のよく入る有名な坪では殆ど採れなくなる。「この山にはありそうだ」「あそこには少ないがあったようだ」と気になりながら後回しになっていた幾つかの山に入った。さすが産地だけあって多くはないがぼつぼつあった。所謂坪と違って1,2本あるだけでいくら近くを探しても無い。山が小さいので直ぐに尾根を越してしまう。 気が付けば元の場所にいる。以外と地形が複雑だ。雑木林に入ったり、植林際を探したり、栗林になっている段々畑を探したりする。どちらかと言えば人里近い里山だが人が入った様子は無い。いずれも初めての場所での収穫なので楽しみだ。産地での寒蘭趣味は愉しい。

 椎の木の大木の元で見つけた 2 年 苗  昨秋の台風で落ちた枯れ枝で被われ葉先だけ見えていた。丁寧に枯れ枝や落ち葉を除ける。程よく湿度がありしまりのある良い土だ。丹念に近くを探したがこの1本だけだった。シーズン中に先を競って入る坪では味わえない収穫だ。

 ( 2 月 7 日 ) 東の山採り 西の山採り

 昨秋の山採り初花 佐喜浜産のこの花 ホームページを見て頂いた複数の人等から「官林の花に似ていますね」と言う感想を頂いた。展示会に出品した時も「官林ですか」と聞かれた記憶がある。官林の花は会誌等で見た程度しか知らないが、紛れも無く佐喜浜産である。寒蘭の花にはひとつとして同じものは無いと言われるがよく似た花はあるものだ。 昨日2年振りにこの坪に行った。近くに二葉が5本出ていた。少し葉状が違う。花も違うだろう。
 「この青花は野根だ。俺と同じ坪でとっちゅう」と言っているのを聞いて、出品者曰く「これは吉良川の○○山ぞ」 産地の展示会などではよく聞かれる寒蘭談義だ。

 「官林」の山採り、我が棚でもこの秋頃からぼつぼつ咲き始めそうだ。良い花の出る確率が高いようなので楽しみにしている。葉の特徴としては幅広で少し捩れがあるものが多い。ひとつだけ黄緑葉の変った葉状のものがあり特に期待している。
 「官林」を奥に行くと、今流行(?)の「原生林」の坪がある。辛口の人(?)は言う「官林は時代遅れぞ」、決してそんなことはない。

 ( 2 月 1 8 日 ) 山 蒔 き 実 生 苗

 山蒔き実生苗は新しいようで古い話しだ。(ラン菌のページ参照)  実験的に蒔いていたからか、山採り苗にたいする畏敬の念からか、それとも数年育てて余り良い花が咲かなかったためか、余り語りたがらない、どちらかと言えばタブー視されがちな話題だった。近年ぼつぼつ自然と寒蘭談義の話題にのぼるようになってきた。土佐の山は豊かな自然に恵まれている。試しに裏山や近くの山に蒔いたら生えたという人は以外に多い。蒔いて2,3年もすれば面白いように束になってに生えるという人もいる。幸か、不幸かそんな光景を見たことはない。 何れにせよ将来山蒔きを試す人は多くなるだろう。

 ( 1 ) 条件の良い場所でホルモンが生長したため地下に潜らずに直根を形成することなく発芽している。実生苗の多くに見られる特徴のひとつ。自生地においても同様の発芽はある。画像は数年前の山採り苗。( 寒蘭 日誌2の 3月22日を参照)
 ( 2 ) これは西谷物のDNAが 入っているようだ。300円と安かったのでつい手を出してしまった。一年で40cm近い3枚葉の成木になった。画像は一昨年。

  画像 ( 1 )( 2 )のように生姜根の多い苗を俗に一番苗といい一年で成木になり数年で花を付けるだる。山蒔き実生苗も良い花の咲く確立は普通の山採り苗と同様に低いようだ。実生苗は人気がない。特に西谷物の血が混じっていたら敬遠される。
  親木の選び方によって良い花の出る傾向も分かってくるだろう。将来的には血統書付きの実生苗の時代になるか?

      ( 寒蘭談義から得た情報で統計的なものでもなく学問的なものでもない。実生苗は多くの問題を含んでいる。 )

 ( 3 月 2 日 )  鹿 沼 土 か ら ダ ケ 土 へ

 小苗などを鹿沼土植えから乾燥の速いダケ土に植え替えた時は根がダケ土に馴染むまで潅水回数を多くして順調に育つ。
ところが、こ の 苗 (数年前撮る) チャボか、チャボ風に見えるだけが、それとも単なるこじれ苗か。山採りして2年位は鹿沼単用で新芽は出ないものの元気だった。上等の鉢にダケ土植えにしてから潅水には気を付けたつもりだが、じり貧になってとうとう枯れてしまった。
 この苗がチャボだったかどうか分からない。チャボはその葉姿等から潅水は控えめが良いと思っていたが、意外と水を好むのかもしれない。

 ( 3 月 20 日 ) 根 は 葉 よ り 一 足 早 く 目 覚 め る

 午前中ゆっくり蘭舎に入り浸る。久し振りだ。季節は春だ。午後の日照時間が随分長くなってきた。隙間だらけの我が蘭舎でも小苗など動き始めている。今日株分け植え替えをした成木も根の先が透明になり伸び始めていた。根は葉より一足早く活動を始める。寄せ植えの小苗は勿論、様子を見ながら一部の成木にも液肥を遣った。鉢の乾きも早くなってきた。 冬の間じっと動かぬ葉姿を眺めながら色々思い巡らすのも良いが、成長期に入った蘭を見るとファイトが沸いてくる。3,4,5月の成長期を大切にしよう。

 春を待ちわびていた 秋  芽  すでに少し伸びている。新芽が来たと喜んだら一枚葉、翌年は3枚葉、春芽を休んだとがっかりしていたら秋芽。丈夫そうだが生長は遅々としている。葉姿は勿論土佐のいごっそうみたいだ。葉上にチャボ花三輪 ・ ・ ・ なんとも 愉しい趣味だ。

  ( 4月 2 5日 )  世 代 交 代

 吉良川から佐喜浜越えの林道沿いには坪が点在している。見上げる尾根筋の坪と違って小さい坪だ。そんな坪をのんびりと幾つか回った。
椎、樫等の常緑樹の衣替えだ。落ち葉が散乱している。秋の落ち葉はカラフルに乾燥して軽やかだが、春の落ち葉は新芽の勢いに振り落とされたのか微かに緑を残している。豊かな腐葉土になりそうだ。
 見落としの極小さい苗等20本位あった。3年連続空振りの坪で見つけた貴重な1本に悦に入る。

 「作りが上手だから・・・」と言う決まり文句がある。アタリがひとつあるかないかの衆望の古株を貰ったり、やったりする時によく使われる。
 野根産、丸舌無点の紅花  古 株 か ら 3 年  1週間前は緑だった。3年間新芽を新芽を育てて役目を終えたのか。潔くポロリと落ちそうだ。否、葉は落としてもまだまだだ。バルブは緑をおび丸くみずみずしい。新芽が傾いているのは古株がでんと居座っているからか、蘭舎の光線の関係か。

 ( 5 月 1 5日 )  黄 金 葉

 安定した五月晴れが続く。このところ山行きの予定を変更することがない。今日は3人だ。佐喜浜に入ると坪の話題に熱が入る。
 1)あそこが件の「○の神」の坪だろうかと指をさす。それにしても「○の神」とは立派な名前だ。赤花とは聞いているが、名前負けすることのない立派な花だろう。 そう言えば、払い越しに通称だろうが 天神 と言うのがある。
 2)右手に白壁の集落が見えてくる。ここから入木に越すや山路には、かなり沢山自生していて、花の器量を見ながら採集したと言う夢のような話もある。50年位前のことだろうが郷愁に浸る。 遠い、遠い昔の一コマのように思える。
 3)鬼戸の山は険しい。遥か上の尾根筋を見上げる。半○○谷の奥の坪はあのくぼみだ。否、もっと上手だ・・・ ラベルの話になる。ひとりは「半○○谷」、ひとりは「半○○谷右」だそうだ。私は「佐喜浜」。尾根を佐喜浜側に越えていると言えば二人は頷く。
 蘭談義は続く。さらに上流へと車は走る。

 目的のサラサベタ舌の坪、収穫は少ないが満足する。3人のうち誰かの棚で数年後、展示会で一際光っていたあのサラサベタ舌が咲くだろう。

 黄 金 葉 か。 4月13日にUPしたものと同じもの。撮り方によってこうも違うのか。この佐喜浜産期待しているもののひとつだ。

 ( 5月 2 5日 ) ヤ マ モ モ の ホ タ

 5月も下旬、遅い遅いと心配していた鉢にも次々と新芽。毎年のことながら勝手に遅いと決め込んでいるが、これが普通だ。早いものは新葉が見えてくる。秋芽は新葉が開き始める。植え替えの時、根の悪かった株や無理して株分けしたものはまだまだだ。この時期、少し早かろうが遅かろうが、良くしたもので秋には帳尻を合わしてくる。梅雨明けからの暑さ対策次第だ。
 いくら見慣れたとは言え、西谷物のピンクのハカマは綺麗だ。人気が下がってしまったことなど関係ない。

 山採り以来機嫌の悪い作りにくいものがあった。新芽が出たら親葉は枯れるの繰り返し。冬場は保温をしたり、活力剤をやったり等色々やったが効果なし。
小さめの培養土で少し深めに植え、ヤマモモのホタ を置いた。あきらめ半分で試しに遣ったのだが、急に調子付いてきた。何が良かったのか分からないが、試してみるもんだ。
 寒蘭は葉が魅力。この蘭そうやすやすと花も咲きそうにない。それだけに愉しませてくれそうだ。

 ( 6 月 8 日 )  新 芽 の 季 節 近 し

 この時期になるとお山の蘭はいよいよ少なくなる。兎も大好物の寒蘭は見落としていない。それ以上に頭の黒い兎達に ・ ・ ・  当然ここ数回山採りの収穫は殆どない。それでも「あの山にはありそうだな」と入った初めての山で数年物の群生にびっくり。「秋には咲くぞ」と言いながら山分けする。西は小山が多く植林率も低い。坪の広い狭いはあるが、どの小山にもあると言っても過言ではないだろう。山は多い、そして広い。

 昨年の台風で倒木したり大枝が折れたりして明るくなった坪が多い。射し込む陽射しに地下のラン玉も活発になる。東で有名な鎮守の森の坪もそのひとつだ。大木がなぎ倒され痛々しかった。殆ど採れなかったこの坪も生き返るだろうか。 数年前展示会で見た印象に残る  こ の 花  の坪だ。この花は命名品だろうか。「迂山」「家宝」「帝王」のどれかだろう。

 ( 6 月 2 3 日 )  早 い 芽 、 遅 い 芽

 空梅雨とは言え湿度が高くなってきた。遅れ気味だった今年の新芽もハカマから新葉が伸び始め加速機に入る。
 昨秋株分けした時、葉も殆どない古株を園芸用のプランター土で植えたこの  古 株 出 し 新芽が早い。葉緑素の乗りも早く元気でしまっている。特別日当たりの良いコーナー等に置いたわけではない。腐葉土の持つ保水力、保温力、養分のためだろう。数鉢試しているがどの鉢も同じく成績が良い。色々やってみる のも楽しみのひとつ。そろそろ夜間の最低温度も25度以上になってくる。これらの鉢通風には特に気を付けよう。
 根も葉も良い新株の方はハカマから新葉が見え始めたところだ。

 ( 7 月 2 日 )  空 梅 雨 の 中

 6月の降雨量は極端に少ない。最高気温も30度を越す日が続く。空梅雨どころではない。寒蘭の栽培管理については無頓着な方だが今年は戸惑う。入梅前なのか、梅雨中なのか、梅雨明けなのか?昨夜から降り始めた。朝見た芽が夕方には目に見えた伸びている。

 お 山 の 新 芽   秋芽が伸びたものだろう。ここでは恵まれた山の環境のおかげで空梅雨の影響も少ないようだ。この雨で今年の新芽も元気に伸びてくるだろう。

 ( 7 月 7 日 )  素 心 芽

 新芽時は昨年の山採り苗ばかり覗き込む。山採り苗が初めてみせるハカマにドキドキ、ワクワク。初花を待つ気持ちと同じだ。多くは普通のサラサ芽だが、濃い紅芽だったり、冴えた色合いの芽だったり、又、ずんぐりむっくりの芽だったりすると楽しく想像を膨らます。
 数点UPしてみよう。

素 心 芽  昨夏楠山 深く落ち葉に覆われ新芽もかなり伸びていたので特に気には留めてなかった。長い蘭歴の中、素心芽を採ったのはこれで2回目だ。
ハカマの色と花色は必ずしも同じではない、否、関係ないと言うのが本当だろう。しかし、素心芽には素心花が咲く確立は非常に高い。

 ( 7 月 1 4 日 )  山 採 り 苗 の 変 貌

 一昨年の夏、「小雪」や「太湖」の坪だと言うことで地を這うようにして探した。有名坪にしては在ったのは奇跡的だ。左の中苗等近くで5本見つけた。坪違いだったろうか。
貧 弱 な 小 苗  一昨年は芽を休んだが、今年は良い感じの芽をつけた。葉幅倍増で何かを期待させてくれる。 近くで採った他の苗と似ているが一味違う。山採り苗の多くは小苗で貧弱だがこれほど変るのも珍しい。栽培条件が良かったことは勿論だろうが、この蘭の持つ特性だろう。「小雪」等がどんな葉状かは知らないがそれらでなくても楽しみだ。
 
 先日のこと、この坪を覗いてみた。

 ( 7 月 2 2 日 )   採 り た い、 採 り た い

 梅雨明けの暑さの中、蘭舎の新芽達は自然の風に揺れながら開き始め急速に伸びる。眺めながら一安心満足する。
少 し 遅 く 出 た 新 芽   遅く出た新芽は秋までにはつじつまを合わせるというが、そうは行かないこの蘭は時間を使ってゆっくり伸びる。昨年は芽を休んだが、今年は遅れながらも奴に来た。山採りした時は3cmにも満たない2枚葉だった。年々、 特徴のある幅広の硬い葉になってきた。昨年のハカマが全く傷んでいないので気持ちが良い。その前のハカマも殆ど傷んでいない。 すべての鉢かこうだったら理想的だがなかなか難しい。

 気持ちばかりが焦るが、お山の新芽はこれからボチボチと言うところだ。同じ所には数年は芽立たないと知りつつも、谷に入ったら1本の糸に導かれるように昨年採ったところに行く。ある筈がない。「採りたい、採りたい」の気持ちばかりが先走っている。一つの谷に坪は幾つもある。もう生えそうになかった坪や数年ぶりの坪で少し採る。これくらいの収穫で充分だが、8月、9月には 山の生気に凛と輝く粋の良い新芽を期待しよう。

 ( 8 月 3 日 )  新 芽 か ら 花 芽 に 

 気持ちは新芽から花芽に。初花期待の株元など食い入るように探すがない。楽しみはもう少し先だ。春先の新芽は土をほっじてまで探すこともあるが、花芽は気が付いたら出ているなと言うことが多い。昨夜は2度目のリンサン分の多い液肥を遣った。
 小苗や中苗は元気だ。暑さ等関係ない。潅水回数も多い。3枚葉、4枚葉と開きほぼ仕上がる。入梅以来殆ど降らなく湿度が低いので病気が出ない。

 冴 え た 新 芽  一昨年秋、吉良川のお気に入りの坪の山採り。昨年は芽を休み心配していたが今年はその分親勝りになりそうだ。生長につれ葉緑素がのり親葉と同じ濃い緑葉になるだろう。葉緑素ののりが遅いから冴えた花が咲くだろう ・・・ 葉姿等から見て丈夫で作りやすそうに見えるがこの 坪の蘭には機嫌を損ねやすいものが多い。
 
 お山も乾燥している。寒蘭達もじっと乾燥に耐えている。昨年の採り残しなど葉に艶がない。例年なら粋の良い新芽が腐葉土を突き破って芽立っているのだが。

 ( 8 月 2 4 日 )  シ ー ズ ン 始 ま る

 ここ数日の雨で、お 山 の 新 芽 も動きだした。お山で見る新芽は最高だ。見つけた喜びは勿論のことだが、山中に凛と芽立つ姿には感動すらおぼえる。昨秋の採り残しの剣芽などが生き返って伸びている。腐葉土もタップリ湿気を含んでいる。粋の良い新芽が地下のホルモンから芽吹くのも近い。例年より2ヶ月近く遅れのシーズンインだ。これで寒蘭趣味のリズムが戻った。

 視線は初花予定の株元ばかり。多くは寄せ植えなので探しづらい。こっちから見たり、あっちから見たり。
 今年は少し遅れ気味だ。急に秋めいて来た。最低温度も20度位になってきた。バルブの元に小さく構えている花芽も急に伸びてくるだろう。焦ってもしかたない、じっくり待とう。

 ( 9 月 1 4 日 )  尾 根 筋 に は 秋 の 風

 坪の点在する南東斜面は暑く湿度も高い。少し動いただけで目から汗が出る。熱中症になりそうだ。水分を補給する。坪の腐葉土もタップリと湿度を含み生き返っている。昨年の採り残しや粋の良い今年の新芽があちこちに芽立っていて気持ちよかった。新しい2つの坪でも見つけた。充分な収穫に満足する。
 直ぐ上の尾根筋に出る。涼しい風に生き返る。これは西よりの秋の風だ。標高500m近いこの尾根筋はもう秋だ、沢の夏と尾根筋の秋が同居している。

 尾根二つ向こうの黄葉の坪に向かう。近くまで来たらどうしても寄りたくなる坪だ。昨年採った苗も枯らしてしまったというのに。採ると言うよりはそこに自生する姿を見たいからだ。 2 枚 葉 の 黄 葉  身震いする。近くに剣芽等10本くらい生えていた。よく生える坪だ。所謂、幽霊で一年限りの命だ。
 殆どが幽霊だが、中には育つものもあるようだ。桃花だと言う人もいれば、青花だと言う人もいる。

 ( 9 月 2 2 日 )  秋 の 生 育 期

 寒蘭趣味者にとってこの時期は悩ましくもある。花芽が伸び始めるとその色合いや容から花を想像する。初花には特に思い入れが強い。時間を忘れ食い入るように初花鉢巡りをする。これは艶のある濃紅色だと喜んでいたら、10cm位伸びると急に色が抜け緑になったりすることもある。濃紅花はあきらめても、幅広の厚葉なので、今流行の花弁の広いチャボ花だと決めてかかるも愉しい。
 開花は一ヶ月以上先のことだ。焦らず自然体で開花を待ちたいものだと思いつつ ・ ・ ・

 山 採 り 2 年 苗   花芽ばかりに気を取られているが秋は新葉の充実期である。
2枚葉を山採り。昨年の芽は親勝りにはならなかった。今年は鉢に馴染んで幅のある良い葉になってきた。ダケ土に鹿沼を少し混ぜる。
 

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