私の好きなことば (3)
この部屋では、私が出会ったことばや好きなことば、思い出のことばなどを紹介しています
【サイエンスネット】 (98.10.16)
今から10年ほど前、まだインターネットは一部の研究者や技術者のもので、現在のように一般的なものではありませんでした。
10年ほど前には、パソコン通信のホスト局がたくさんできていて、なかには、個人でパソコン通信のホストを開く人も結構たくさんいました。そういう草の根的に開いているホスト局の電話番号を集めてイエローページ的な本が結構売れたようです。しかし、所詮一対一のパソコン通信はインターネットが普及するまでのつなぎだったようです。
朝日新聞の科学欄の人が始めた「サイエンスネット」という所は、私が最初にネットワーク通信のすばらしさを知ったところでした。また、ネットワークでの口論(フレーミング)やいさかいも多く、「けんかを見るならサイエンスネット」とまでいわれていました。ネットワークでの議論の難しさを教えてくれ、メールも含めて私のネットワークスタイルはこのころに決まったようです。
このサイエンスネットのホストシステムはUNIXだったらしいですが、レスポンスが速く、かつ各アーティクルがハイパーテキストとして管理されている素晴らしいものでした。PC-VANとかNIFTY-SERVEとか単なる掲示板のシステムとは違って、ネットワークでの議論に適したものでした。インターネットのニュースみたいなものと考えてもらえば理解していただけるでしょう。
オフラインミーティングというものもサイエンスネットで初体験しました。一般的な「飲み会」もありましたが、天文の好きな人が集まってオフ観測会なんて言う会もありました。うちの息子をテント持参で連れていったこともありました。
そのサイエンスネットも、新聞社の経費削減だかで91年11月にクローズしてしまいました。その時、ログをCD-ROMに焼いて出版しようという話もあったのですが、結局うやむやになってしまいました。
今でも議論のログを見ると、結構おもしろい書き込みがたくさんあります。そのログの一部分ですが、私のMOの中で眠っています。圧縮して約20MBのテキストです。
2008年4月にこのサイエンスネット立ち上げ時のシスオペの一人であった朝日新聞記者の団藤さんから、「サイエンスネット20周年にご協力を」というメールをいただきました。上に私がログを保存しているということで、そのデータを提供してほしいというものでした。
勿論、私は二つ返事で承諾しました。
ログデータはMOに書いていたのですが、MOドライブは最近あまり見なくなったSCSIというインターフェースで接続するタイプのものです。ところが、インターフェースボードが今使っているPCに取り付けできません。ただ、差し込みはあるので、インターフェースカードを差し込んだだけで固定しない状態で使うことができました。(危ない!)
ドライブが無事に使えるようになったので、ラベルに「Backup 通信Log」と書かれたディスクを挿入しました。でも、ドライブはジージーいうだけでデータを読み込むことはできませんでした。多分、ディスクの管理部分が読めないのでしょう。他に、約40枚のディスクがありましたのでそれらを挿入すると無事に読み込みできましたが、肝腎のログデータはありませんでした。まさに、マーフィーの法則が正しいことを証明する結果となりました。
マックスリティーのコンピュータの公理
ただ、世の中には破損したディスクを修復するビジネスがありますので、天下の朝日新聞だったらこのディスクの中のデータをなんとか救う手だてがあるのではないかと、とりあえずの団藤さんにディスクを送ることにしました。
1.バックアップファイルが、まともに取れていることはない。
そして、約2ヶ月後の7月初、団藤さんよりディスクが読み込めたという連絡とともに読み込めたデータをCD−ROMに焼いて返送していただきました。
というもろもろを経てサイエンスネット復刻版が立ち上がりました。