長野県の文化財(特集号)

 

 

 

 

 

○茅野市尖石縄文考古館

 について

(訪問記)

 初めて訪問した時は雨だったが、八ヶ岳の緩い斜面の落ち着いた森林の中に博物館はあった。

まだ比較的新しい建物で、博物館の周辺には復元された竪穴式住居がいくつか見え、出土品と出土地の両方を堪能できるようだ。館の中は、近年の博物館学スタイルを取り入れて、至る所にその成果が発揮されていた。教科書で見たこともあるような全国の有名土偶のレプリカをきれいに配置し、この後に見るであろう国宝の土偶と比べることができる。その奥に『縄文のビーナス』と『仮面の女神』だけを特別に展示した部屋がある。本やテレビで見たことはあったが、本物から感じる出来映えは相当の物であった。右に画像を付けてはみたが、実像とはかけ離れてしまっている。つづいてその奥に、周辺から出土した土器が無造作におかれている。ガラスケースに入っていないので、触ることも不可能ではない。あまりにもたくさんの土器が同じように置かれているため、自然とこの博物館に親しみがわいてくる。八ヶ岳周辺は黒曜石の産地であるので、この場所からも相当量が出土しており、土器と一緒に展示されている。

近くにある諏訪市博物館とはまた違った趣向の展示方法で、面白い。

 それ以降は、いわゆるワークショップと呼ばれる活動をする部屋になっている。土器作り・縄文付け・火おこし・勾玉作りなどを体験することができるのである。生徒と思われる人達が制作した作品がいくつか置かれており、あまりの出来映えにビックリしてしまった。

 茅野市尖石縄文考古館は、もう1度きてもいいと思うような博物館で、今後の発展を期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めいん画面へ

国宝 縄文のビィーナス

 

 昭和61年に茅野市米沢埴原田の工業団地造成工事に伴って実施された「棚畑遺跡」の埋蔵文化財発掘調査で出土したものである。愛称「縄文のビーナス」と呼ばれ、作られた時期は約4500年前(縄文中期)といわれる。棚畑遺跡集落の中央部平地の径80cm程の不整形の穴の中に横たわっていました。

  「縄文のビーナス」は土で作った人形で、焼成の甘いところが一部剥落こそしていたが、ほぼ完全な形で埋まっていた。縄文人が土偶に託した祈りの意味は諸説あるが、女性の子供を産む神秘的な力 (生) を考え病気や災いから逃れようとする願いなどが祈られたものと想像される。

 


仮面の女神

 この土偶は、茅野市湖東の中ッ原遺跡で出土したもので、全長34cmの比較的大型な土偶である。顔に逆三角形の仮面をつけた姿に見えることから仮面土偶の類になるだろう。今から約4000年前(縄文後期前半)に作られましたといわれる。


 発掘されたのは、遺跡の中央付近にある墓と推定される穴が密集する場所で、穴の中にほぼ横たわるように埋められた状態で出土した。右足が壊れて胴体から外れていたが、研究者によると人為的に取り外したものであるいわれる。墓に一緒に埋葬されたものか、あるいは土偶だけが単独で埋められたかは、現在は不明である。


仮面の女神
(正面


仮面の女神
(背面)


仮面の女神
(左面)


縄文のビーナス
(正面


縄文のビーナス
(背面)


縄文のビーナス
(左面)