インフルエンザ脳症
昨日まで元気に過ごしていた子供が、ある日を境に生命の危機にさらされる。死亡確率1/3、後遺症が1/3、完治はわずか1/3です。症状が治まっても、後遺症との闘いがはじまります。何が原因だったのだろう…、何故我子が…と親の気持ちも追い込まれてしまいます。私たちもそうでした。この病気を知るにつれ、早く治療法の確立されるのを願わずにはいられません…。
カゼは万病のもと |
カゼいろいろ 一般に、『風邪』と称する病態の主な原因は、ウイルス感染によるものがほとんどです。その中でごく一般的なウイルスとして、アデノウイルス、RSウイルス、コロナウイルス、コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなどの他さまざまな種類があり、さらに冬季はインフルエンザウイルスも、『風邪』の原因としてあげられます。どれも小児が普通に感染するウイルスで、受診投薬などで多くは快癒してしまいます。 そのなかでごく稀に、髄膜炎、脳炎、脳症のような重篤な病態にまで発展してしまうことがあり、 これはどのウイルスでも起こりうることがわかっています。髄膜炎は、ウイルス感染による炎症が髄膜(内側)に限局し、脳または脊髄実質の炎症を伴わない場合をいいます。原因ウイルスの多くはエンテロウイルスで、およそ80%を占めます。脳炎は、ウイルス感染による増殖、炎症が脳内にみられますが、脳症の場合は脳内でのウイルス増殖はなく、感染を契機とした生体反応(サイトカイン産生など)による間接的な変化がみられます。脳炎の原因ウイルスとなる主なものは、単純ヘルペスウイルス、 日本脳炎ウイルス、エンテロウイルス、麻疹ウイルスなどがあり、脳症(急性脳症)では、インフルエンザウイルス、ロタウイルス、ヒトヘルペスウイルス(HHV−6など:突発疹原因ウイルス)があります。特にインフルエンザの流行時に脳症(急性脳症)が多発し、『インフルエンザ脳症』として近年社会問題としてとりあげられたり、また日本(東アジア)特有の現象であり、欧米では見られない病態について研究が進められています。 脳炎、脳症の症状はさまざまで、初期は発熱、頭痛、悪心、嘔吐などてすが、経過とともに脳実質に影響が及び、意識障害、奇異行動、痙攣(けいれん)、その他の神経症状がみられます。どちらも脳に影響が出るため、治癒後に後遺症が出ることが多いとされています。 |
インフルエンザって・・・
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インフルエンザウイルス 有史以来、インフルエンザにより、歴史的な大流行が何度も繰り返されてきたことは、多くの記録により確認できます。近代では、1918年のスペイン風邪、1957年のアジア風邪、 1968年の香港風邪が有名で、スペイン風邪で2〜5,000万人、アジア風邪、香港風邪では数100万人の犠牲者が出たとされています。 定期的な大流行は、ウイルス自体が幾つもの種類に分かれていて、特にA型での突然変異(抗原シフト)による新型の発生に、ヒトが免疫を持ち合わせていないため起こったと考えられています。また、ヒトが免疫を獲得しても、ごく一部のマイナーチェンジを繰り返すことにより、小さな流行を繰り返しています。基本的に、飛沫感染(空気感染)の為伝染力が大変強いのも大流行の原因と考えられています。 インフルエンザウィルスは、A,B,Cの3つの内部タンパクの抗原性の違いで分けられています。そのうち、A型については、ウイルスの表面タンパクである、HA(ヘマグルチニン)と、NA(ノイラミニダーゼ)との抗原によりさらに分類されます。HAは、H1〜H16まで(2005年に16番目のHAが追加された)、NAは、N1〜N9までの亜型に別れ、組み合わせにより、A型H3N2のように表記されます。さらに、同じA型H3N2であっても、更なる亜型があり、このマイナーチェンジが獲得免疫をすり抜け再びインフルエンザに罹る所以です。 各亜型の毒性などはばらばらであり、また感染する宿主もヒト、鳥などそれぞれ特質があります。アジア風邪(H2N2)、香港風邪(H3N2)については、既存のヒトインフルエンザと鳥インフルエンザの遺伝子交雑体であると考えられています。これに対してスペイン風邪は従来ヒトには無かった鳥インフルエンザ(H1N1)がそのままヒトに感染、強毒性を維持したまま増殖する能力を得たため大流行につながり、多数の犠牲者が出たものとされています。 近年、報告されている鳥インフルエンザによるヒトへの感染は、1997年に、A(H5N1)、1999年に、A(H9N2)、2002年に、A(H7N7)が報告され、何れも死亡者が出るなど、重大な懸念が全世界で叫ばれています。 インフルエンザと熱性痙攣 インフルエンザは流行規模の大小はありますが、毎年冬季に流行する感染症で、流行した時には小児の半数以上が感染する事もあるといわれるほどのありふれた病気です。その神経合併症として、代表的なものは『 熱性痙攣 』と 『 急性脳症 』があげられます。熱性痙攣は欧米に比べて、日本での方が発症頻度が高く、インフルエンザ罹患時には小児の5%程度が痙攣を合併するといわれます。熱性痙攣の多くは持続が数分以内です。しかし、痙攣が30分以上持続すると痙攣重積症と呼ばれ、 緊急治療が必要となり、特に90分を超えると後遺症や死亡例が増加します。痙攣は、神経細胞の異常な電気活動によって生じますが、 長時間持続すると神経細胞自体が細胞死を起こしてしまいます。急性脳症とされている症例の中には、痙攣の持続によって神経細胞障害が起こったものが含まれていると考えられます。痙攣重積症の治療は抗痙攣剤の一つであるジアゼパム(静注)が一般的ですが、痙攣の持続が長くなると抗痙攣剤の効果も低下するといわれ、呼吸抑制などの副作用のある、より強力な薬剤が必要となり、ICUなどへの施設の収容が望まれます。 |
インフルエンザ脳症とは
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脳症発症の原因 1)インフルエンザウイルスが鼻粘膜や咽頭に感染することにより、嗅神経系に影響を及ぼし、それが中枢神経内にて何らかの原因で炎症性サイトカイン(IL-6、IL-1β、TNF-αなど)を異常に多く産生(サイトカインストーム)するトリガーとなります。TNF-αは、細胞内のミトコンドリア透過性転換を起こし、チトクロームCを誘導します。これにより神経細胞と、同じく中枢神経を形成するグリア細胞のアポトーシス(自己壊死)を誘導することがわかっています。また、サイトカインによる刺激により、 グリア細胞は、過剰なNOを産生し、神経細胞障害をもたらします。さらに、血中に増大したサイトカインは、血管内皮細胞の障害を引き起こし、血管透過性を亢進させ血管原性浮腫をきたします。 2)自然免疫の未熟な乳幼児が、インフルエンザ罹患時に、本来のサイトカインの役目である自然免疫細胞の活性化に異常をきたす。中枢神経内での自然免疫の異常活性化が直接的な原因と考えられているが、本症や高サイトカイン症候群も日本に多く見られる疾患であり、遺伝的に免疫系の異常活性化が起こりやすい多型が存在する可能性もあると考えられている。インフルエンザ脳症に罹患し重症化した患児の遺伝子には、一部の塩基配列で2箇所変異があることが報告されているが、 重症化との関連性においての報告であり、発症のトリガーとなり得るかは未確認です。 3)インフルエンザによる発熱中に、熱性痙攣と区別される持続型痙攣重積で発症する病態がある(SE型)。喘息の治療薬であるテオフィリンが関与して痙攣の収束を遅らせている場合があると推測されるようです。また、服用していない群でも、同様の病態になることもあり、一意的に断言は出来ないと思われます。2006年、小児アレルギー学会、厚生労働省研究班の指針により、熱性痙攣や、インフルエンザ脳症の疑いのある場合、テオフィリンの使用を控えるべきとの方針となった。 4)どの型・亜型からも脳症を発症するが、AH3(香港)の流行時に発症頻度が高い傾向がある。 ※ サイトカインとは、細胞が産生する蛋白で、それに対するレセプターを持つ細胞に働き、細胞の増殖・分化・機能発現を行うものです。 インフルエンザ脳症の全国調査結果 厚生省(当時)保健医療局結核感染症課が、1999年1月〜3月に初めての全国調査を実施しました。その報告書によると、この期間中217例の報告があり、その3/4はウイルス分離、ウイルス抗原検索、抗体検査などによってインフルエンザ感染であることが証明されました。年齢は1歳をピークに0〜5歳が、80.2%を占め、一方6〜9歳は21例、10〜19歳に14例、20歳以上に8例ありました。神経症状の出現がインフルエンザによる発熱と同日であったのが55例、翌日が103例で、 78.2%がこの2日間に集中しています。基礎疾患のない症例が83.7%を占め、『 健康であった0〜5歳の子供が、インフルエンザに罹患し、間もなく急性脳炎、脳症を発症する 』という特徴が確認されました。痙攣の発症頻度は79.7%に見られました。初発症状には失調症状、構音障害、意味不明の言動などの報告もありました。 検査所見では血小板数の低下、AST,ALT,LDHの異常が見られる症例の予後は不良でした。しかし、髄液細胞数が、10/3ml以上であった方は8.4%と少なく、高感度PCR法による髄液中のインフルエンザウイルスの検索でも、16.7%の陽性率にしかすぎず、インフルエンザウイルスが直接脳へ進入しているという所見には乏しいといえます。 ※ ALT(GTP)、AST(GOT)は、共に肝臓他に多く含まれる酵素で、特に肝細胞が破壊されると血液中に流出し、数値が上昇します。LDHは、肝臓、肺、筋肉などの異常がある時に上昇する、酵素です。 PCR法:ポリメラ−ゼ連鎖反応。試験管内でDNA合成反応を繰り返し行うことにより、微量の試料からその特定のDNA領域を数万倍に増幅して取り出す方法。 予後は、202例中『 死亡 』が61例(31%)、『 日常生活で介護を必要とする重度後遺症 』が、18例(9%)、『 軽度後遺症 』33例(17%)であり、『 後遺症なく完治した 』症例は87例(43%)にしかすぎませんでした。また、死亡した症例の多くは発症後短時間〜数日で死亡するという電撃的な経過を取っていました。 |
インフルエンザ脳症の分類
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最新の分類案では大きく分けて4つの病形に分類される @急性壊死性脳症 (Acute Necrotising Encephalopathy of childhood = ANE型) インフルエンザ脳症(急性脳症)の中で、古くから知られるこの病態と診断されるものが多い。脳画像は特徴的な所見を呈し、脳幹や視床の低吸収と腫大が特徴。興奮症状や短い痙攣の後に、意識障害をきたし、時に数時間で呼吸停止に至る。脳内血管の浸透性が亢進し、脳実質への血漿成分の漏出による強い浮腫をきたしやすい。 検査所見では、肝、腎、膵、筋など全身障害の所見が出易く、AST、LDH、CK、Creなどの上昇が見られる。血小板の減少、プロトロンビン時間の延長なども伴い、重症例ではショックや多臓器不全、DIC(播種性血管内凝固)をきたす。脳画像変化の出現は、発症後12時間程度以後。 A出血性ショック脳症症候群 (Hemorrhagic Shock and Encephalopathy Syndrome = HSES型) 高熱(40℃以上が多い)、下痢、意識障害、痙攣、ショック状態で発症し、短時間で昏睡となる。脳画像の変化は、およそ1〜4日後に大脳皮質全体の低吸収、皮質と白質の分離不良、浮腫がみられるようになる。急性壊死性脳症の特徴である、視床周辺の変化は少ない。早期に、多臓器不全(肝、腎)、DICが表れる。ライ症候群との相違は、肝細胞のミトコンドリア異常がみられない、血漿アンモニアの上昇が見られない、などで診断される。 口腔内出血、消化管出血、臓器内出血がみられるが、出血症状がなくても、血液凝固異常が存在する。脳波では、electrical storm とよばれる、棘波が多発しやすい。 小児が発熱を伴う疾患の進行中に、過剰にくるんだり、高室温などによりうつ熱を来たしたことで、熱射病様の症状となり、原因の一つと考えられている。 B急性脳腫脹 (Acute Brain Swelling = ABS型) インフルエンザ罹患中に、突如大脳全体の著明な浮腫が見られるようになり、脳ヘルニアによる意識状態の急変、脳幹圧迫による呼吸停止に至る病型。ANEのような虚血性脳障害の脳神経細胞障害に起因する浮腫ではなく、脳ヘルニアを起こしても可逆的に後遺症無く回復する場合もある。この病型は、発症(容態急変)直前まで意識が保たれており、気が付いた時には急死していることも多い。脳浮腫の原因はまだ明らかになっていない。平成15年、大阪で睡眠中に急死した6症例は、この病型と考えられる。 C痙攣重積型 (Status Epilepticus = SE型) インフルエンザの経過中に持続型痙攣重積で発症し、画像所見で、急性期に(肢体)片側痙攣ではその反対側の脳片側半球性浮腫、全汎性痙攣では両前頭葉の浮腫など、脳葉単位の広がりを持つ浮腫をきたし、やがて萎縮となります。治療域濃度のテオフィリンが病態に関連しているものもあると思われます。100IU/l程度のAST(GOT:グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)の上昇を伴います。本病型の中には痙攣重積後数日間は比較的神経症状が軽微で、その後に反復する無熱性痙攣などを伴い神経症状が悪化する例がみられ、注意が必要です。本病型の生命予後は良好で、後遺症は、
罹患した脳葉の機能によりますが、運動障害よりも高次機能、知能障害が問題になることが多いようです。 |
インフルエンザ脳症の症例 |
症例@急性壊死性脳症−脳幹型 1歳11ヶ月 男児 1月下旬のある日に最高38.5℃の発熱と咳嗽が出現し、罹りつけの小児科医に受診し抗生物質、気管支拡張剤(β2刺激剤)、喀痰溶解剤、抗ヒスタミン剤などの投薬を受けました。母も同日39℃の発熱がありました。翌日の午前中は、元気で運動も普通、ジュースやゼリーを食べ、この間解熱剤は投与しませんでした。13:30手足の震えと共に体温40℃台まで上昇。15:00眼球上転、ぐったり、顔色不良。16:30救急車コール。17:07近くの病院へ搬入されました。 診察中に全身強直性痙攣あり、ジアゼパム坐薬6mgとジアゼパム5mg静注にて、痙攣は止まりましたが、深昏睡となりAST、ALT、LDHの上昇があって当センターへ転院となりました。20:15来院。来院時現症では意識は深昏睡、瞳孔左右同大2.5mm、心拍149BPM、血圧76mmhg、自発呼吸は保たれていました。来院時の頭部CTは正常でした。また、髄液は細胞数0/3ml、蛋白32mg/dlと正常でした。気管内挿管と人工呼吸を開始しました。翌日午前2時頃から出血傾向著明、血圧低下あり、凍結血漿投与、カテコラミンで 血圧維持。6:00瞳孔不同出現、頭部CTにて視床〜基底核〜脳幹部の低吸収域、第4脳室への出血を認めました。そして血圧維持が困難になり、第4病日に死亡しました。剖検では視床と脳幹に病変が強く、病理学的にも急性壊死性脳症と診断されました。 症例E痙攣重積型 1歳5ヶ月 男児 患児は喘息性気管支炎で1歳前から近医に通院し、テオフィリンの処方を受けていました。1月下旬に4歳の姉が発熱し、患児自身は3日後の17時に38.7℃の発熱が出現しましたが、食欲はありました。翌朝も食欲はありましたが、13:30に39.6℃、はじめてアセトミノフェン坐薬100mgをいれたところ直後に痙攣が見られました。ぼーっとして一点を見つめそのあと強直し、チアノーゼもあり、5分ほど様子を見てもよくならないので、救急車コール。そして間代性痙攣が始まり、近くの病院へ搬入されようやくジアゼパム 静注で痙攣は止まったようですが、刺激で四肢硬直を繰り返し、2時間後気管内挿管され、当センターへ転送されました。入院時咳嗽が認められ、半昏睡程度でした。22時から血漿交換、ペントバルビタール、メシル酸ナファモスタット、デキサメサゾン、シンメトレルなどで治療。3日後脳CT正常でバルビタール療法を中止、第8病日抜管しました。MRIのFLAIR像で両側前頭葉の浮腫がみられ、後に両側前頭葉の萎縮が生じ、IQ60程度の知能障害を残しています。ASTは100台に上昇し、また来院時のテオフィリン濃度は11μg/mlと治療域でした。 |
予後について |
急性壊死性脳症、痙攣重積型 急性壊死性脳症ではCTやMRIの所見が重要です。@急性壊死性脳症−脳幹型では、生命予後は不良であり、A急性壊死性脳症−病変限局型では生命予後は良好です。後遺症は軽〜重度までさまざまです。B全大脳型も、生命予後は不良となるようです。E痙攣重積型は、急性脳症とするのか、痙攣重積症として、脳症から除くは異なる意見がありますが、全国調査ではインフルエンザ脳症として集計されていると思われます。調査報告によると、予後は痙攣重積の持続の長さに関係することが窺えました。痙攣が短い症例では死亡例や重度後遺症がかえって多く、持続時間が30分〜2時間では片麻痺や 知能障害などの皮質機能障害が多い傾向がありました。痙攣重積は脳波検査をおこなわないと神経細胞の痙攣性電気活動が停止しているかどうかを把握できず、外見上痙攣が消失していても、神経細胞の痙攣活動が持続していれば、やがて細胞死になる恐れがあります。我々は痙攣重積症により後遺症を残した症例で、急性期に半球性、あるいは両側前頭葉、両側側頭葉などの脳葉単位の浮腫が見られることに気づき、脳葉性浮腫と称した画像所見を提唱しています。 てんかん 脳症などの合併症として、てんかんがあります。脳症後に発症するてんかんは、急性期に引き続いて起こる場合と、4〜7ヶ月程して起こる場合があり、2年以上経過した後に発症する方の報告もあります。てんかんとは、脳症の他にも、さまざまな原因により起こる慢性の脳の病気で、大脳の神経細胞の過剰な活動に由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とし、それに変化に富んだ臨床および検査の異常を伴うものです。 1) 神経細胞の過剰な活動:これに一致した脳波の変化を認めます。 2) 反復性:一回の発作では、決しててんかんと診断されません。同じ発作が繰り返し起こることが重要な条件です。一回きりの発作を持つ人が、5年以内にもう一度発作を起こす危険性は33%ですが、2回目の発作を起こした人が次に発作を起こす危険性は73%と上昇します。脳に器質的な異常が無ければ、一回きりの発作では治療の必要も無く、行動の制限も必要ありません。 3) 慢 性:例えば、脳挫傷などの頭部外傷のすぐ後にけいれん発作が見られても「てんかん」とは言えません。 4) 発 作:通常は短時間(秒あるいは分単位)の症状のことであり、けいれんを伴うことも、伴わないこともあります。脳波でてんかん性異常波が認められても、発作が無ければ「てんかん」ではありません。 いずれも、早期よりの観察とてんかん発症後の治療が大切です。 |