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ウエハ表面は親水性でフォトレジストとの密着性が悪いため、脱水ベーク(デハイドレーションベーク)及びHMDS(密着性向上塗布剤)
処理を行い、ウエハ表面を疎水性にしてレジストとの密着をよくします。密着性向上処理の後、ウエハを常温に戻してからレジスト塗布
が行われます。特に、ポジ型フォトレジストはウエハとの密着が悪いため、密着性向上処理が行われます。
HMDS処理
HMDS(ヘキサメチルジンラザン)は無色透明な液体で、ウエハとレジストの密着性を良くするために使用される。
HMDSは水分と反応し、アンモニアが発生する。
ウエハとレジストの密着性を向上させるため、HMDSでウエハ表面を親水性から疎水性に変える。
ウエハはHMDS処理で疎水性になっています。一般的にシンナーを塗布・乾燥させてから
塗布が行われます。レジストの厚さは
数10nm〜数1000nmで、塗布に使用さ
れる約90%以上はムダになります。レジストの膜厚は、パターン寸法に直接影響します
ので重要な管理項目になります。
a)
エッジリンス
塗布されたウエハの端(エッジ)を見ると、端の部分までフォトレジストが塗布されています。このフォトレジストがカセット、装置内で剥がれて
ダストになるため、エッジリンスで端のレジストを除去を行います。但し、工程により行ってはならない場合があります。
b)
フォトレジスト塗布装置
フォト
レジストはスピン方式で塗布されるのが一般的で、下図のような構造をしています。ウエハの上にフォトレジストを滴下し高速回転させ
て、薄くて均一性のよいフォトレジスト膜を作ります。
フォトレジスト塗布スピンナーのカップ排気の強さは、フォトレジストに含まれる溶剤の乾燥速度に変化を与え膜厚に影響する。
c)
サックバック(吸い込み動作)
フォトレジストは、ポンプによりウエハの上に滴下されます。その時、ノズル先端に出て残ったフォトレジストは、空気に触れてフォトレジスト
に含まれる溶剤が乾燥してしまいます。そのノズル先端に残ったフォトレジストを、次のウエハに滴下すると膜厚ムラなどの不良になります。
また、液だれしたレジストが塗布中のウエハに落下することもあります。
ノズル先端のレジストの乾燥を防止するため、またフォトレジスト
の垂れ落ちを防ぐため、滴下後フォトレジストを吸引するサックバック動作を行います。
ウエハ上にフォトレジストを滴下する前に、ノズル先端のフォトレジストを吐出して捨てて、新鮮なフォトレジストと入れ替えることを
プリディスペンス動作といいます。
d)
フォトレジスト
フォトレジストには、露光された部分が現像で除去されるポジ型と、逆に残るネガ型の2種類があります
。フォトリソグラフィの作業工程では
フォトレジストの感光を防止するため、波長の長い黄色い照明を使用しています。
ポジフォトレジストは、露光された部分が現像液によって可溶となる。
ネガフォトレジストは、露光されなかった部分が現像液で溶解するレジストである。
屋外からフォトレジストを持ち込んだ場合には、クリーンルーム内の温度(使用温度)にならしてから使用しなければならない。
一般的にフォトレジストの容器は黒色の袋に入っている。
フォトレジストにはポジ型とネガ型がある。
膜厚制御のためレジストの温度を管理する必要がある。
ポジフォトレジストは露光量が多すぎると、現像後のレジストパターン幅は細くなる。
ネガフォトレジストは露光量が多すぎると、現像後のレジストパターン幅は太くなる。
ポジフォトレジストはネガレジストに比べて解像度が高い。
ネガフォトレジスト : ゴム系レジスト+感光剤 + 有機溶剤
ポジフォトレジスト : ノボラック樹脂 +感光剤 + 有機溶剤
エキシマ(KrF、ArF)には露光強度は弱いため、化学増幅型フォトレジストが使用される。
ポジフォトレジストはノボラック樹脂を使用している。
ポジフォトレジストはゴム系ネガフォトレジストに比べて解像力が高い。
ポジフォトレジストの主要原料は樹脂系で、ネガレジストの主要原料はゴム系である。
e)
定在波
フォト
レジスト膜厚が厚くなると、パターン寸法は大きくなる傾向にありますが、露光のときの定在波の影響により定期的に変化します。
少しの膜厚変化によりパターン寸法が大きく変化するため、レジスト膜厚の管理は重要になります
。
a)
縮小投影露光装置
(ステッパー)
ステッパーとは、ステップ アンド リピート(Step And Repeat)の略で
縮小投影露光装置
のこと
です。レチクルに描かれた1チップの
回路パターンを、XY方向にステップしながらウエハ全面に露光を行います
。
フライアイレンズは多数の小さなレンズを集めた構造で、コンデンサーレンズと組合わせることにより、露光光源の照度分布を均一にしている。
光の通過する順序 : 水銀ランプ → 干渉フィルター → フライアイレンズ → レチクルブラインド → コンデンサレンズ → レチクル → 縮小投影レンズ → ウエハ
フライアイレンズでは、光束の光強度を均一にする。
ステッパーでは、レチクルとウエハ上に設けられたアライメントマークにより自動的にパターンを合せる。
略図)
マスク(レチクル)は、膨張係数の小さい石英ガラスが用いられている。
b)
解像度と焦点深度
ステッパーでは、NAが大きいほど解像度は良い。
NAが大きいほど、焦点深度は浅くなる。
縮小投影レンズのNA(開口数)が大きいほど、焦点深度は浅くなり、高解像度が得られる。
ステッパの解像度(分解能)を向上させると、焦点深度は浅く(悪く)なる。
分解能(解像度)を向上させるには、焦点深度を浅くするとよい。
大気圧が変化すると、空気の屈折率が変化するため焦点位置が変わる。
解像度を上げるにしたがい焦点深度は浅くなり、ウエハの平坦度を厳しくしてフォーカスズレに注意する必要がある。
焦点深度が浅い(ピント合せの幅が狭い)ほど、ウエハの平坦化が必要になる。
c)
露光波長
ステッパーで露光に使用される光源として、水銀ランプとレーザーがあります。波長が短いものほど解像度は良いですが、焦点深度が
小さくなります。
i線ステッパーでは、露光光源として水銀ランプのλ=365nmの波長を使用している。
フォトレジストは紫外線、可視光線に感光する。
微細加工では、露光光源としてg線より波長の短いi線を用いるほうが解像度がよい。
縮小投影露光装置では、露光波長が短いほど解像度が向上する。
ステッパの解像度(加工精度)は、露光波長の小さいほうがよい。
d)
レチクル
石英ガラスにパターンをクロム膜、酸化クロム膜、モリブデンシリサイド膜で加工したもので、これらの膜が遮光となる。石英ガラスは
ソーダガラスに比べて不純物が少なく、熱膨張係数が小さく、また短波長での透過率が低下しないことから用いられる。
レチクル(マスク)の材料として、熱膨張係数の少ない石英ガラスが主に使用される。
レチクルの遮光部に使用される材料として、酸化クロム膜、クロム膜、モリブデンシリサイド膜等が使用される。
e)
ペリクル
レチクルの上に異物が付着すると、異物のパターンが転写されてしまい全チップが不良
になります。レチクル表面に透明な薄い膜のペリクル
(材質としてニトロセルロースなど)を貼り付けて、もし異物が付着しても露光時に焦点がズレて、異物のパターンが転写されないようにしています。
ペリクル膜を張るのは小さな異物が付着しても焦点ズレを起こして、ウエハ上に異物が露光されないようにするためである。
f)
ハレーション
フォトレジストの下地が光を反射しやすい金属の場合、段差部分で斜めに反射してしまい配線パターン断線等の原因となることがあります。
そのため反射防止剤を添加したフォトレジストを塗布(ARC)することがあります。
BARC : Bottom Anti−Reflection Coating
TARC : Top Anti−Reflective Coating
BARL : Bottom Anti−Reflection Layer
(Post Exposure Bake)
露光後、焼き締めと呼ばれる軽い熱処理を行います。
1)
定在波
露光時の定在波の影響によるパターンエッジのギザギザをとるためにPEBを行います。
2)
露光不足を補う。
エキシマレーザーの露光強度は弱いため、紫外線だけでなく熱に反応する化学増幅型レジストを使用して、露光後PEBにより露光不足
を補う。
現像では、ポジフォトレジストの場合は露光された部分を、ネガフォトレジストの場合は露光されなかった部分を現像液で溶解させてパターン
を形成します。
現 像 液
ポジフォトレジスト
強アルカリ水溶液(アンモニウム塩)
ネガフォトレジスト
キシレン系有機溶剤
ポジフォトレジストの現像液はアンモニウム塩(アルカリ水溶液)であるため、大気にさらすとCO
2
と反応して現像能力が低下する。
ネガフォトレジストの現像液はキシレン系有機溶剤を使用している。
ポジフォトレジストはアルカリ性現像液に溶ける。
a)
ポジフォトレジストの現像(イメージ)
ネガフォトレジストに比べて解像度がよく微細加工に適している。、また、プラズマエツチングに対する耐久性に優れている。
ポジフォトレジストは、露光により分解し現像工程で水と反応して酸となりアルカリ溶液に溶解する。
b)
ネガフォトレジストの現像(イメージ)
一般的にネガフォトレジストは、ポジフォトレジストに対して密着性がよく薬品に対する耐食性に優れているが、現像時に現像液が
浸透して膨潤するため微細加工に不向きとされる。
c)
化学増幅型ポジフォトレジストの現像(イメージ)
露光強度の弱いエキシマレーザ露光装置に使用される。酸触媒反応を利用しているため、アルカリ性の雰囲気に弱くアルカリ雰囲気
を除去するためケミカルフィルタがもちいられる。また、露光から現像までの間も酸触媒反応が進行するので注意が必要である。
現像によってレジストパターンを形成した後、レジストの密着性を向上させるためポストベー
ク(熱処理)を行います。現像後のレジストを100℃〜150℃
でポストベークするとレジストに残留していた溶媒や現像液が除去され、樹脂間の反応が進むなかで下地(ウエハ)との密着性がよくなります。
ドライエッチングに関しては、耐プラズマ性を向上させるために行います。また、ポストベークを過剰に行うとレジストの形状が変化したり、レジストの剥離
が困難になります。
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