WHOによるヘルスプロモーション用語集(Health
Promotion Glossary WHO/HPR/HEP/98.1)第2版の (pdfファイル:598kb)の日本語版
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Jakarta Declaration on Leading Health Promotion into the 21st Century |
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本文
健康は1948年のWHO憲章で次のように定義された;
身体的、社会的、精神的に完全に良好な状態であって、単に疾病がないとか、虚弱でないということではない。
ヘルスプロモーションの文脈のなかでは、健康は理想的な状態というよりは、目的達成の手段と考えられ、実用的な意味合いから資源と表現されうるものである。それは、人々に、個人的かつ社会経済的に生産的な生活を導きうるような資源である。
健康とは、日常生活の資源であって、生活の目的ではない。それは、身体的能力と同様に社会的、個人的資源の重要性を強調する積極的な概念である。
基本的な人権としての健康概念を保持するうえで、オタワ憲章が強調していることは、健康のための一定の前提条件である。それは、平和や、適切な経済的資源、食物、住居、安定的なエコシステム、持続可能な資源利用などを含んでいる。これらの前提条件を考慮すると、社会経済的な状況や、物理的環境や、個人のライフスタイルと健康との間の抜き差しがたい関連が浮かび上がる。これらの関連から、健康の全体的理解のための鍵、が生み出されうるし、それはまた、ヘルスプロモーションの中心的概念である。
今日、健康のスピリチュアルな側面が認められてきている。健康はまた、WHOによって、基本的人権とみなされており、それにふさわしく、すべての人々が健康のための基礎的な資源にアクセスすべきである。
健康の包括的な理解が意味することは、社会経済的状況や物理的環境を管理するすべてのシステムや構造は、責任をもって、個人的、集団的健康や良好状態に影響を与えるような活動の実施を行うべきであるということである。
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ヘルスプロモーションとは、人々が自らの健康をコントロールし、改善できるようにするプロセスである
ヘルスプロモーションが意味しているのは包括的な社会・政治的プロセスであり、それは単に、個人的スキルや能力の強化のためのアクションだけでなく、公衆衛生や個人の保健への悪影響を緩和するように社会・環境。経済的状況を変化させるようなアクションを含んでいる。ヘルスプロモーションとは人々が、健康の決定因子をコントロールすることができ、それによって、健康を改善できるようにするプロセスである。ヘルスプロモーションアクションの維持には、参加が欠かせない。
オタワ憲章はヘルスプロモーションのための三つの戦略を明らかにした。すなわち、健康のためのアドボカシー(唱道)、これは上に示した健康の必要条件を創出するもの;イネイブリング(能力付与)、すべての人々が十分な健康の可能性を達成できること;メディエイテイング(調停)、健康の追求のために社会の種々の関心を調整すること。
これらの戦略は、オタワ憲章に述べられているヘルスプロモーションのための5つの優先的行動分野によって裏打ちされている。
1997年7月に、21世紀に向けた先導的ヘルスプロモーションに関するジャカルタ宣言では、これらの戦略や行動領域はすべての国にふさわしいものであるとされ、さらに次のことが明白であるとされた:
健康開発への包括的なアプローチが最も効果的である。単一のアプローチよりも、5つの戦略を組み合わせたアプローチがより効果的である。;
健康面での環境整備が、包括的戦略の実施のための実際的な機会を提供する; 努力の維持には、参加が不可欠である。人々が、ヘルスプロモーションの行動や、意志決定プロセスの中心にいるべきことが、非常に効果的である;
ヘルスリテラシー/健康学習が参加を奨励する。健康教育や情報へのアクセスが、効果的な参加を達成し、人々やコミュニティのエンパワメントを得るのに不可欠である。
21世紀のヘルスプロモーションとして、ジャカルタ宣言による5つの優先課題は次のようになる:
これらはこの用語集の中で定義されている。
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社会的・経済的にみて豊かな生活を送れるような健康のレベルに、世界のすべての人々が到達できること。
このことは、WHOとその加盟国の健康戦略の重要な焦点として約20年もの間提唱されてきた。それは、各国の社会的・経済的状況や、住民の健康状況や死亡状況、ヘルスシステムの開発状態によって異なって解釈されているが、健康上の公平の概念に基礎をおいた理想的なゴールを規定している。「すべての人に健康を」戦略は、21世紀にも通用するように、最近開発し直されて来ている。新しい政策が開発され、1998年の世界健康集会で採択された。
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社会の組織的な努力を通じて、健康を増進し、疾病を予防し、寿命を延長させる科学であり技術である。
公衆衛生とは、ヘルスプロモーションや疾病予防やその他の健康介入によって、すべての住民が、健康を改善し、寿命を延長し、生活の質を改善してゆくことを目的とした社会的・政治的概念である。ヘルスプロモーション関連文献では、「公衆衛生」と「新公衆衛生」が、健康の決定因子の記述や分析や、公衆衛生の問題解決の方法についてのかなり異なったアプローチを強調するために、区別されるようになってきている。この「新公衆衛生」の特徴は、ライフスタイルや生活状況が健康状態の決定要因であるという包括的な理解や、健康的なライフスタイルをサポートしたり、健康のための支持的な環境整備の創造によって、健康を生みだし、維持し、守るような政策や、事業や、サービスなどに社会資源を動員し、十分な投資をする必要性の認識に基礎をおいた方法である。公衆衛生の主要な概念が将来的に発展し広がって行けば、「旧」と「新」とのそのような区別は、必ずしも必要ではない。
エコロジカル公衆衛生の概念も、文献上で広まりつつある。それは、健康事象の性質の変化や、増大する地球環境問題との相互作用に対応して、広まってきた。これらの新しい問題は、オゾン層の破壊や、管理できない大気水質汚染や地球の温暖化といった地球的生態的リスクを含んでいる。このような問題が進むと、単純な因果関係や介入のモデルでは説明できない健康上の重要なインパクトを生ずる。
エコロジカル公衆衛生が強調することは、健康の達成と持続可能な発展との間の共通の土俵である。それは、経済的、環境的健康決定因子に焦点をあて、最良の住民の健康成果や、より大きな健康上の公平さや、資源の持続的利用を生み出すことを導く経済的投資の手段の必要性にも焦点を当てる。
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プライマリーヘルスケアとは、コスト的に国やコミュニティが負担でき、現実的で、科学的に堅実で、社会的に受け入れられる手法による必要な医学的ケアである。
アルマアタ宣言で強調されているのは、すべての人がプライマリーヘルスケアにアクセスでき、参画できることである。プライマリーヘルスケア的アプローチには、以下の鍵となる要素を含む;すなわち、公平性、コミュニティの関与/参画、部門横断的、技術や経費の適切性。
一連の活動内容として、少なくとも次のようなことを含むべきである;すなわち、健康問題の規模や性質に応じて、また、予防の方法や、問題解決について、個人やコミュニティにたいして行う健康教育。その他の、活動としては、食事や適切な栄養の提供、十分で安全な水、基本的衛生、母子ケア、家族計画、予防接種、ありふれた病気や外傷の適切な治療、必要な薬剤の提供などの推進である。
プライマリーヘルスケアは、上に定義されたように、これまでに示された健康の前提条件の多くの部分に強く関わるものである。しかも、現実的には、コミュニティの中で、ヘルスケア関係者と個人の間での日々の接触をとおして、企画されようと偶然であっても、ヘルスプロモーションの大きな視点が存在しているものだ。クライアントとの健康教育や、コミュニティに替って行うアドボカシーを通して、プライマリーヘルスケア関係者は、個人のニーズを支援するだけでなく、コミュニティの健康に関連した政策や事業へ影響を与えている。
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疾病予防が意味するものは、単に、リスクファクターの減少といった、疾病の発生を予防することだけでなく、慢性化したときに、その進行を止めたり、後遺症を減らすような活動をも含む。
一次予防は病気の初期の発生を防止することを中心課題とする。二次や三次予防は、早期発見や適切な治療によって、すでにある病気や障害の進行を止めたり、遅延させることを目的としたり、再発を防いだり、効果的なリハビリによって慢性状態の固定化を減少させたりする。
疾病予防という用語は、しばしば、ヘルスプロモーションと相補的に使用される。内容や戦略の上で、重なる概念ではあるが、疾病予防は区別されて定義されている。疾病予防は通常、さまざまなリスク行動を伴ったり、明白なリスクファクターの存在が認められるような個人や集団を扱い、保健部門に由来する活動と考えられている。
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健康教育とは、意識して企画した学習機会を意味し、個人や コミュニティの 健康を導くような知識の向上や 生活技術の開発といった ヘルスリテラシー の改善をねらったある種のコミュニケーションを含んでいる。
健康教育 とは単に情報のコミュニケーションを意味するだけでなく、健康を改善するための活動をするのに必要な、動機や、技術や、自信(セルフエフィカシー)を育てることも含んでいる。健康教育は、個人のリスクファクターやリスク行動だけでなく、ヘルスケアシステムの利用や、健康に影響を与えている社会・経済的・環境的状況についての情報のコミュニケーションを含むものである。したがって、健康教育においては、社会的・経済的。環境的な健康の決定因子に対する、政治的に適当で、組織的に実行可能なさまざまな活動を示せるような、情報のコミュニケーションや技術の開発を必要としている。
これまで、健康教育は、社会参加やアドボカシーを含む広い範囲の活動を表す用語として用いられてきた。これらの手法は現在では、ヘルスプロモーションという言葉で表され、ここでの健康教育のより狭い定義では、その区別を強調するものである。
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ある健康目標やプログラムに向けた、政治的関与、政策的支援、社会的承認、システム的支援を得るために考えられた一連の個人的・社会的活動。
そのような活動は、健康を導き、健康的なライフスタイルを実現するような生活状態を創造するために、個人や集団に替わって、and/or 代理の上に、なされうるものである。唱道はヘルスプロモーションの三大戦略の一つであり、例えば、ある問題に関心のある人々の協調を通じて、コミュニティが参画していくなど、さまざまな形をとりうる。保健の専門家は社会のあらゆる段階に応じて、健康のための唱道の活動に大きな責任を持っている。
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ヘルスプロモーションのための協調とは、二つ以上の部門が、同意されたヘルスプロモーションのゴールを追求するために、協働することである。
協調形成は、ゴールや倫理的ベースの異なるさまざまなパートナー間や、協働活動領域におけるある種の調停や、その協調に反映される協力の型の同意というものを含んでいる。
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特定の人々の集団であり、しばしば特定の地域に住み、共通の文化や価値観や規範を共有し、そのコミュニティが長年培った関係性による社会的構造に依拠してまとまった集団である。コミュニティメンバーは個人的・社会的なアイデンティティを、共通の信念や価値観や規範を共有することによって得ているわけだが、それらは、コミュニティによって過去から発展し、未来にわたって変遷していくものである。彼らは、アイデンティティの自覚を、グループとして、ニーズを共有したり、会合に参加する事で示している。
多くの社会において、特に開発途上国においては、個人は、単独の明確なコミュニティにのみ属しているのでなく、例えば、地域とか、職域とか、社会的・娯楽的関心の基礎の上にたった様々なコミュニティのメンバーシップを同時に保っていることが多い。
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コミュニティの保健活動とは、健康の決定因子を管理することで、健康を改善していけるような、コミュニティによる様々な活動の事をさしている。
オタワ憲章では、よりよい健康を実現するために、優先的な健康課題を設定し、意志決定し、戦略を立て、それを実行することにおける具体的で効果的なコミュニティの活動の重要性が強調された。オタワ憲章でのコミュニティの保健活動の定義には、コミュニティエンパワメントの概念が深く関係している。この考え方では、力を得たコミュニティにおいては、個人や組織は、優先的健康課題や健康上のニーズに対応するための協働の努力に対して、その技術や資源を供給することになる。そのような関与を通じて、力を得たコミュニティの中の個人や組織は、健康のための社会的支援を生み出したり、コミュニティでの矛盾に対応したり、コミュニティの中の健康の決定因子に影響を与えたり、管理したりするようになる。
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個人や集団の健康状態を決定するという意味合いでの、個人的・社会的・経済的・環境的要因
健康に影響を与える要因は数多く、互いに関連している。ヘルスプロモーションは本質的に、健康を修飾しうる可能性のある広範な決定要因に対する、活動やアドボカシーに関連している。それは、健康的な行動やライフスタイルといった個人的行為のみならず、収入や、社会的地位、教育、雇用、労働条件、適切なヘルスサービスの利用、物理的環境といった要因も含んでいる。これらのことが合わさって、様々な生活状況を生みだし、健康に強い影響を与える。健康状態を決定するこれらのライフスタイルや生活状況の改変を得ることが、中間的な健康上の成果と考えられている。
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ヘルスプロモーションにおいて、エンパワメントとは、健康に影響を及ぼす行為や意志決定を、人々がよりよくコントロールできるようになるプロセスである。
エンパワメントとは、社会的・文化的・心理的・政治的プロセスであって、それを通じて、個人や社会集団が、彼らのニーズを表現し、関心を示し、意志決定への参加戦略を考え出し、ニーズを満たすための政治的・社会的・文化的行動をなしうるようになるプロセスである。そのようなプロセスを通じて、人々は生活の目標と、それをどのように達成するかという意識とが、結局表裏一体であることや、努力すれば生活上の成果が得られることに気付いていく。ヘルスプロモーションは単に、個人の基本的な生活技術や能力を強化するための行動を意味するだけでなく、健康に影響を与える根底的な、社会的・経済的な状況にも立ち向かう行動をも含んでいる。この意味で、ヘルスプロモーションとは、上記のように、個人や集団が努力すれば、その結果としての健康上の成果が得られると言うことを気付かせるような状況を創造するという方向性を持ったものである。
個人のエンパワメントとコミュニティのエンパワメントが区別される。個人のエンパワメントとは、主に、個人が意志決定したり、個人的な生活をコントロールしうるような能力を指している。コミュニティ・エンパワメントとは、コミュニティにおける健康の決定因子や生活の質をコントロールし、大きな影響を与えるような個人的行動の集積を含み、それはまた、コミュニティの保健活動の重要なゴールでもある。
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ヘルスプロモーションにおいて、イネイブリングとは、健康を増進し守るために、人的・物的資源を活用することによって、自らを力づける(エンパワー)べく、個人や集団が協働して行動することを意味する。
協働によるエンパワメントとか、資源の活用とかと云う点を協調することで、ヘルスプロモーション活動のための触媒としての役割(例えば、健康についての情報共有とか、技能開発の促進とか、健康的公共政策を進める政治的プロセスへの支援とか)を、保健関係従事者やその他の保健活動家が担うことの重要性について注意を引き出すことができる。
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疫学とは、特定の集団における健康状態や事象の、分布や規定要因についての研究であり、健康問題のコントロールのためにこの研究を適用することでもある。
疫学情報、特に、個人的・集団的かつ環境的リスクを明らかにするような情報は、公衆衛生の核心であったし、また、疾病予防活動のための基盤を与えるものでもあった。疫学研究は、集団における疾患研究において、社会学的分類方法(たとえば、社会・経済状態とか)を用いるが、一般的には、集団における疾病や健康の研究や理解の面で、経済や公共政策形成などの社会科学を十分活用しているとは言えない。
社会疫学は、この20年間、一つの学問領域として発展してきた。社会疫学とは、社会的・心理的・経済的・政策的な情報によって築かれる、集団の健康と疾病についての研究であって、その情報を用いて、公衆衛生上の問題を明らかにし、解決法を提案するものである。疫学の学問領域がさらに発展し拡がるにつれ、将来的にはこのような区別はあまり重要でなくなるであろう。
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公平とは、公正を意味している。健康面での公平性とは、人々のニーズによって、健康のための機会が提供されていくことを意味している。
WHOの「すべての人々に健康を」の世界戦略は、基本的には、集団間あるいは集団内の健康面での公平性のより高い実現の方向に向かうものである。このことは、すべての人々が、健康への資源を公平かつ正しく利用することを通じて、健康を開発し維持してゆく機会の均等を得ることを意味している。健康面での公平性とは、健康状態の均一性と同じではない。個人と集団間での健康状態の不均一性は、遺伝性の差や、社会・経済状態の差、個人的な生活習慣の選択の結果として、避けられない。しかし、例えばヘルスサービスや、栄養のある食物、家屋などの不平等な利用に至るような、機会の差の結果として、不公正は出現する。そのような例では、生活における機会の不公正の結果として、健康状態の不均一性が現れてくる。
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実際の、あるいは認識している健康状態に関わらず、健康の増進、予防、維持を目的とした、個人によってなされる活動をいう。そのような活動が、その目的にとって客観的に効果があるかは問わない。
ほとんどすべての個人的行動や活動は、健康状態に影響を与えるという議論はありうる。これに関して、有意義なことは、(先に定義されたように)健康の増進や予防にとって重要な行動と、健康につながるかどうかに関わらない行動とを区別することである。健康的な行動はリスク行動とは異なる。リスク行動とは、不健康の特定な原因になりやすい行動として別途定義されるものである。
健康的行動やリスク行動は、ライフスタイルと言われている、より複雑な行動パターンにおいて、しばしば一塊のものとして関連しあう。
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ヘルスコミュニケーションとは、人々に健康上の関心事についての情報を提供し、公的な議論のうえに健康に関する重要な問題をのせ続けることである。有用な健康情報を人々に伝え広めるために、マスメディアやマルチメディアを利用し、また他の革新的な技術を利用して、個人的・集団的な健康の独自な視点や、健康発展の重要性をさらに気付かせることができる。
ヘルスコミュニケーションは、個人や集団の健康状態の改善を目的として行われる。多くの現代的文化は、健康に対して良くも悪くも強い影響を与えているマスメディアやマルチメディアによって伝播されている。研究によれば、理論を駆使して行われたヘルスプロモーション事業によって、健康の話題が人々の議論にのぼり、健康のメッセージが強化され、人々がさらに情報を求めることを促し、ある条件下では、健康的なライフスタイルをもたらすという。 ヘルスコミュニケーションの領域には、edutainment あるいは教育導入、ヘルスジャーナリズム、個人間コミュニケーション、メディア・アドボカシー、組織的情報共有、リスクコミュニケーション、社会的コミュニケーション、ソーシャル・マーケティングなどが含まれる。それはまた、マスメディアやマルチメディアから、物語や人形劇、歌謡などの伝統的かつ文化的に特殊なコミュニケーションまで様々な形を取ることができる。まじめなメッセージの形をとることもあれば、ソープオペラなどの現存するコミュニケーションメディアの中に取り込まれることもある。
コミュニケーションメディア、特にマルチメディアや新しい情報技術の進歩は、健康情報の利用を改善し続けている。このようなことから、ヘルスコミュニケーションは個人やコミュニティのエンパワメントをより達成するために、さらに重要な要素となりつつある。
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健康の開発とは、個人や集団内のグループの健康状態の、引き続くさらなる改善の過程である。 ジャカルタ宣言では、ヘルスプロモーションは、健康の開発の一つの重要な要素であると述べられている。
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健康寿命とは、特定の人口集団における、健康で充実していて、病気、疾病、障害なしに生きていけることが期待される時間の割合についての指標である。それは、社会的基準や認識や、専門家による判断などを根拠にしている。
健康寿命は近年開発された新世代の新しいタイプの健康指標に属している。これらの指標は、健康やその決定要因をよりダイナミックに反映するような尺度を創造するために開発された。健康寿命の指標は、生命表からの情報と集団の健康調査からの情報を結合している。それらは、行政区域レベルあるいは同等の地理的エリアでの平均寿命に基礎をおく必要がある。現在利用可能な健康寿命指標例は、障害のない平均余命(DFLY)や、質調整生存年数(QALY)がある。それらは、基本的には、各個人がどの程度、障害、疾病、慢性疾患なしに生きてゆけるかということに焦点を置いている。ヘルスプロモーションの追求するものは、この健康寿命の概念の広がりであって、それは、健康的な人生を強調するもので、病気・障害・能力低下の有無だけでなく、積極的な健康の創造・維持・保護の尺度なのである。
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健康状態の向上とは、改善された健康成果を表現する一つの方法である。それは、ある種の介入が、他のものに比べて、最大の健康状態の向上をもたらす上で、相対的に優れていることを反映しうる。
ジャカルタ宣言では、ヘルスプロモーションとは「人々のための最大の健康利得を創造するために、健康の決定因子に対して行う活動」であると示された。
健康成果、中間的な健康成果も参照のこと。
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健康目標とは、実在する知識と資源に照らして、国あるいはコミュニティが、限られた時間内に達成することが期待できる健康成果の総和である。
健康目標とは、健康的な社会ということに関するコミュニティ全般の価値観、特に保健関連部局の価値観を反映した、意向や抱負の全般的な言明である。多くの国が採用しているアプローチは、健康目標や健康の目的を設定するさいに、健康への投資についての方向性や抱負の言明を行うというものである。WHOは、健康目標(ゴール)や目的(ターゲット)を、地球レベル、地域、国家、地方レベルでそれぞれ開発し、利用することを推進支援してきた。
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健康指標とは、個人や集団や環境の特徴を示す指標であって、それは(直接間接に)測定の対象であり、個人や集団の(質的、量的、時間的な)健康の状態を示すのに用いられる。
健康指標が用いられるのは、ある時点での公衆衛生における問題点を挙げるためや、集団や個人において健康レベルの変化を時系列的に表すため、また集団間における衛生状態の差を示すため、さらには保健衛生計画の目標がどの程度達成しているかを評価するために利用される。
健康指標には、健康成果(ヘルスプロモーションの結果)を表すときに用いられる疾病に関する統計的数値のみならず、前向きな健康状態の指標(例として生活上の技術・技能や生活の質、健康余命など)や、保健に関連する行動・生活習慣の指標も含まれている。さらに社会学的経済学的状態を表す指標や健康状態に影響を及ぼす自然環境の指標、ヘルスリテラシーや健康的公共政策の指標すら含まれることがある。このような後者の健康指標はヘルスプロモーション的成果(健康を左右する要因の変化)を表すのに用いることができる。
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ヘルスリテラシーとは、認識面でのスキルや、社会生活上のスキルを意味し、これにより健康増進や維持に必要な情報にアクセスし、理解し、利用していくための、個人的な意欲や能力を表すものである。
ヘルスリテラシーとは、生活習慣と生活状況の改善を通じて、個人やコミュニティの健康の改善を図るよう主体的に行動するための知識・生活上の技術技能・自信の成熟度のことである。ヘルスリテラシーはただ単にパンフレットを読んだり、予約を行ったりできる能力のことだけを言っているのではない。保健情報に接する機会を増やし、それを効果的に利用する能力の向上によって、エンパワーメントするためにヘルスリテラシーは不可欠である。ヘルスリテラシーは本人の一般的読み書き能力に左右される。この能力が不足すると、人格・社会性・教養の育成が阻まれ、健康状態に悪影響を与え、ヘルスリテラシーの発展をも妨げられる。
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介入の結果として生じる個人、集団の健康状態の変化のことで、それが意図した結果か否かは問わない。
この定義で強調しているのは、介入によって生じた(例えば偶然におこったリスク曝露で生じたものとは正反対の)結果であると言うことと、それはまた個人や集団や全人口のへの介入結果でもあるということである。国レベルの政策、それから導き出される事業や法規則、ヘルスサービス、さらにはヘルスプロモーションの計画を含む保健プログラムも、介入の一形態となる。だから保健分野以外の行政機構による施策により生じた狙い通りの、あるいは予想外の結果もこれに含まれる。一般的には、健康指標によって、健康成果(ヘルスプロモーションによる結果)は評価される。
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健康政策とは、公的機関(特に政府機関)内部における、公式な声明や手続のことであり、健康面でのニーズや、利用可能な社会資源、政治力によって、施策の優先順位や条件が定められる。
保健政策とは、通常、法制定やその他の規則制定方式によって作られるもので、保健サービスの提供や計画の実施さらには保健サービスの対象や計画への参画を高めるような、規則や促進案を定めたものである。保健政策と健康的公共政策とは、最近は区別されており、保健政策とは、保健サービスとそのプログラムに基本的関心をもつものをさす。保健政策は、健康的公共政策の領域に拡がっていく形で、将来的に発展していくだろう。 ほとんどの政策と同じように、保健政策は、公衆衛生活動の支援の確立の体系的なプロセスから生まれるものであって、それは、信頼できるエビデンスやコミュニティによる選択、政治の世界の話や社会資源にも左右されながら生み出されるものである。
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健康増進活動拠点病院とは、高い質で包括的な医療と看護サービスを提供するのみならず、ヘルスプロモーションを組織の理念として掲げ、患者や全ての医療スタッフが積極的に関わることのできるヘルスプロモーションに合致した組織の構造と文化哲学を持ち、コミュニティと積極的に協働し、ヘルスプロモーションを施行するにふさわしい環境を形成する機能を持ったものを言う。
健康増進活動拠点病院は、患者の健康のみならず医療スタッフや地域住民に対しても保健衛生活動を行い、また積極的に組織形態を「健康的な組織」に変革しようとしつづける。この仕組みは1988年に始まったもので、病院やヘルスケア施設において、こうした理念をより広く浸透させていくための国際的なネットワークが築かれている。
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健康増進活動拠点学校は、健康的な生活・学習・就労の場としての機能を高め続けようとしている学校であることを特徴とする。
この目標を達成するために、健康増進活動拠点学校では、保健や教育の関係者、教師、生徒、父兄さらにはコミュニティのリーダーがより一層の保健・健康を目指して協力している。あらゆる手段で、自由に、健康と学習を養い育て、健康面での支援的環境を作り、重要な学校健康教育と保健推進計画、さらには保健サービスをも提供するように努めている。健康増進活動拠点学校では、個人のセルフ・エスティームを尊重し、成功のための多様な機会を生み出し、個人的達成度のみならず正しい方向に向けた努力や意図をも評価するような政策や実施活動や評価活動を行う。また、生徒だけでなく教職員や家族・コミュニティ住民の健康状態の改善に力を注ぎ、コミュニティのリーダーと力をあわせて、コミュニティが自分たちの保健・教育のために何ができるかを気づかせもする。
WHOのGlobal School Health Initiativeは全ての学校におけるヘルスプロモーションの普及を支援するために始められ、健康増進活動拠点学校の国内外を問わないネットワーク作りや、国レベルで行われる学校を通じたヘルスプロモーションの普及政策の支援などをしている。
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ヘルスプロモーションの評価とは、ヘルスプロモーション活動がどの程度「価値のある」成果を達成したかを、測定し評価することである。
ヘルスプロモーション活動によって、どれだけ住民やコミュニティが健康をコントロールすることができたかが、ヘルスプロモーションの評価においての中心的な要素である。
多くの場合、個々のヘルスプロモーション活動とその結果とを結ぶ論理的な道筋をたどるのは難しい。これには多くの理由が考えられ、例えば実社会においては因果関係が複雑で、原因や結果を明確に分けることが難しいということもその一つだろう。したがって、最近作られたヘルスプロモーションのモデルでは、結果をいくつかのタイプに分類し、それに重み付けをしている。ヘルスプロモーション成果とは、評価の開始点であり、個人的・社会的・環境的な変化を反映している。その変化とは、つまり人々が自らの健康をコントロールする点での改善を意味している。健康の決定因子の変化が「中間的な健康成果」であり、健康状態の変化が「健康成果」となる。
多くの事例において、プロセスにも評価されるべき「価値あるもの」があり、これによって達成成果も変わりうる。プロセスにおける、ヘルスプロモーション活動評価の対象とは、参加:すべての関係者の参加、学際:さまざまな学問領域の視点、統合:計画策定から実行までのヘルスプロモーション活動の全ての段階における統一性、また、個人・コミュニティ・組織機関・政府が健康の重要問題に取組む能力の向上、などがある。
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ヘルスプロモーションによる成果とは、ヘルスプロモーション活動によってもたらされた個人の特徴・能力の変化や社会的基準や社会の動きの変化、あるいはまた組織活動や公共政策の変化のことをいう。
ヘルスプロモーションによる成果は、実行後最も早く起こってくる結果であり、一般的には変えことのできる健康の決定因子の変化を、直接めざすものである。ヘルスプロモーション成果には、ヘルスリテラシー・健康的公共政策・保健政策に関するコミュニティアクションなどがある。
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保健衛生分野とは、(ヘルスプロモーションや疾病予防・診断治療・ケアサービスを含む)組織された公的・私的な保健サービス、保健担当の政府機関による施策・業務、保健衛生に関連したNGOやコミュニティグループ、さらには学術団体などを指す。
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個人や集団の健康・衛生状態を記述したもの、あるいは測定したもので、ある決まった時に一定の明確な基準、普通は保健指標を用いて表される。
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保健数値目標とは、ある集団において、一定の期間にもたらされ得るだろう健康指標の変化の量を表したものである。通常は、健康成果や中間的健康成果での、特定の測定しうる基準の変化に基礎をおいている。
保健数値目標は、保健政策の目標の達成に向けた一つ一つのステップを明確にするためにある。また改善項目の中から数値化可能なものを基準として取り上げることで、保健政策や実施計画に関する評価の一手法ともなる。調査介入の対象となる集団において改善の対象となる健康指標の数値・分布が分かっていなければ目標の設定はできない。さらに指標分布の現在・未来の変化傾向を見きわめることや、対象集団において指標の分布をどう変化させることができるかという可能性が十分に分かっていることも必要である。
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健康都市とは、人々が相互に助け合いながら、人生でなすべきことを全て達成し、最大限の可能性を引き出していけるようにするために、都市の物質的・社会的環境を創造し改善し続け、コミュニティの資源を広げてゆくような都市のことである。
WHOの健康都市構想は世界中の都市において健康問題を政策課題として取り上げさせ、また、その地方地方で公衆衛生への支援を継続して築き上げようという長期開発計画である。健康都市の理念は健康の村構想など他の形態の自治体における保健計画を包括するために発展してきたものである。
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健康な島とは、島嶼における保健構想であって、島民のよりよい保健衛生や生活の質、そして衛生的な自然・社会環境を持続可能な発展の文脈の下に構築していくプロセスに積極的に関与していこうというものである。
ヤヌカ島宣言(Yanuca Island Declaration)では、健康の島とは、子供の心身が健康的に育まれ、自然環境を用いて学習と娯楽が楽しめ、島民が尊厳を持って働き暮らせ、環境に優しい暮らしを誇りに思えるような島のことをいっている。この宣言は1995年に太平洋の14の島嶼国の厚生大臣によって認証され、以来健康の島構想の基として地域を問わず世界的に参考にされている。
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健康的公共政策とは、保健への明確な関心と公正な政策運営、さらには健康成果についての説明責任からなる。これは健康面での支援的な環境を創造することで、住民が健康的な暮らしを送れるようにすることを重要な目的としている。こうした理念により住民はより簡単に健康に即した選択が出来るようになる。またそれによって、社会・自然環境自体が健康を推進するようなものになる。
オタワ憲章は、ヘルスプロモーションの活動は保健衛生分野の枠をこえて行うべきであることを前面に打ち出し、保健衛生の改善は、全ての分野、全てのレベルの行政機関においての政策課題であるということを強調している。健康的公共政策を築く上で重要になるのが保健衛生問題に関する説明責任を十分に認識することである。政策の帰結、あるいは政策の欠除による帰結に関して、行政府は最終的な責任を負う。健康的公共政策の遂行とは、健康への投資、さらにそこから導かれる健康成果、また投資と政策履行で生じるヘルスプロモーションによる変化を、行政府が測定し、誰にも通じる言葉で報告することである。健康的公共政策のヘルスプロモーション的理念は、健康への投資戦略と深く関連する。なぜなら健康への投資は、公共政策におけるヘルスプロモーション的な効果を最大化する戦略の一つだからである。
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公衆衛生の問題や課題への組織的なヘルスプロモーション的対策をおこなうための、人的・物的資源、活動組織や機関、政策や規則・誘因のこと。
この社会基盤はヘルスプロモーション専門機関や財団のみならず、プライマリーヘルスケア・行政府・民間組織・NGO・自助組織・など多様な組織形態をとって現れうる。多くの国ではヘルスプロモーション専門の組織を持つが、もっと広義の保健衛生組織や、保健関係以外の組織(例:教育・福祉など)、そしてそれぞれのコミュニティにいる一般大衆の活動などに、より大きな人的資源が見いだされる。つまり目に見える有形の組織や仕組みのみがヘルスプロモーションにおける社会基盤なのではなく、健康問題に関する市民と政治の問題意識の高さや取組みへの参加の程度もその一部となる。
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これは、ヘルスプロモーションによって生じた、健康を左右する要因の変化、特に生活習慣や生活状況の変化のことを意味しているが、それらは、ヘルスプロモーション活動や疾病予防・プライマリヘルスケアなどといった意図的な介入によるものである。
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異なった社会機関の部門間で結成され、健康成果や中間的健康成果を達成するために行われる活動を協力して進めていくと認知されている連携のことで、これは、保健衛生分野の機関が単独で施行するよりも効果的・効率的・持続的に行うために形成されるものである。
健康の機会平等(健康上の公平さ)を成し遂げる上で多機関の協働は中心的な課題であり、とくに、農業・教育・財務など他の分野の政策決定・施策が大きく結果を左右する。多機関協働の大きな目標は、政治レベルの決断と各分野の活動が保健衛生面にもたらしうる成果についてより深い共通認識を得ることと、さらにそれを通じて健康的公共政策に向かって進み、実現していくことである。また保健分野に関する多機関の協働だからといって、全てにおいて保健分野が直接的に関与するわけではない。例えば、ある国では交通事故による傷害を減らすために、警察と交通分野とが共同の活動をしている。こういう施策は、外傷の減少を明確に目標としているにもかかわらず、保健衛生分野が常に関与しているわけではない。また、多機関の協働とは異なる社会組織形態での協力、例えば公共機関と市民団体と民間組織などとの協力であるとも、徐々に理解されてきている。
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健康への投資とは、健康それ自体や衛生状況の改善のために用いられる資源についてのことである。公的・私的機関のみならず個人や私的なグループもその投資の主体となる。健康への投資戦略には、健康を左右する要因の知識と健康的公共政策に対する政治のより一層の関与が基盤となる。
健康への投資とは、なにも保健サービスのために割り当てられた予算のみを指すのではなく、例えば、個人や集団で行う、教育・住環境の整備・女性へのエンパワメント・青少年教育への投資もその中に含まれてくる。広義の健康への投資には保健衛生分野内での、ヘルスプロモーション・疾病予防に重点を移した予算配分の見直しも含まれることになる。健康への投資の中で大きな割合を占めているものに、自己や家族の健康維持のために日常生活で費やされるものもある。
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Health promotionを参照のこと。
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生活上の技術・技能とは、周囲に適応し、かつ前向きな行動をとれる能力のことで、これにより日常生活における要求や課題に効果的に対処することができる。
生活上の技術・技能は、認識面や身体面での、個人的かつ個人間での能力で成り立っており、これにより自分の人生を動かし決断を下し未来の可能性を育み、さらには環境の変化をも産みだしうる。個人的な生活上の技術技能の例としては、決断力・問題解決力・創造性・批判的思考・自己認識力・共感する心・コミュニケーションの能力・社交性・感情をコントロールする力・ストレスに対処する能力がある。上で見たような生活上の技術・技能は、ヘルスプロモーションを個人が実行していく能力の開発において必要不可欠であり、このことは、オタワ憲章で重要な活動領域の一つと述べられている。
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生活習慣とは、各人の個人的性格や、社会活動、社会経済面および環境面での生活状況が相互に影響しあって形成される個人に特有の行動パターンに基礎を置いた行動様式である。
これらの行動様式は、異なった社会状況でつねに変貌し試されているので、固定的なものではないが、改善の対象ではある。そしてそれは特定の行動パターンとして、その人の健康のみならず他人の健康状態にも深い影響を与える。もしある人に生活習慣の改善を促し健康状態の改善を図るなら、その人個人のみならず、行動様式を形成し担保している社会状況・にも働きかけていかなくてはならない。
ここで忘れてはならないのが、万人にあてはまる「理想的な」生活習慣など存在しないということである。文化程度・収入の多寡・家族状況・年齢・身体的能力・生活就労環境により、ある生活習慣の型が、より魅力的で実現可能で適切なものとなるに過ぎない。
Living conditions 生活状況
生活状況とは人々の日常の環境のことであり、生活し楽しみ働く場のことである。このような住民の生活状況は社会的・経済的状況や自然環境によって形成されるものであり、これらは全て健康状態に影響を及ぼすものであるが、すぐさま個人がどうこうできるものではほとんどない。
オタワ憲章における健康面での支援的な環境の創造に向けた行動計画では、健康の維持改善のために生活環境の改善と変化が必要であることが大きく取り上げられている。
Mediation 調停(調整)
ヘルスプロモーション*の文脈においては、健康の推進や保護のために、個人的・社会的・経済的に価値観の異なる個人・コミュニティ*・公的私的機関を調整することをいう。
生活習慣や生活環境の改善を目指そうとすると、それは必ず、ある集団内の組織間の摩擦、利害の衝突をも引き起こす。例えば、そういった衝突は、資源へのアクセス、利用や再配分、個人や組織の活動規制の際に起こりうる。そういった齟齬を保健衛生に適った方法で収めるには、ヘルスプロモーションの専門家による努力が必要でありまた、健康面でのアドボカシー上の技術の適用が求められもするだろう。
Network ネットワーク
上下関係がないことを基本とし、共通の問題や関心のため形成された個人や機関・組織の集合で、前向きに有機的にお互いの関与と信頼に基づいて活動していく組織のこと。
WHOは、重要なセッティングや事案について、いくつかのヘルスプロモーションネットワークを作り出し維持管理している。例を挙げると、分野の枠を超えた健康都市構想のネットワーク、保健活動拠点学校ネットワーク、WHOのmega country initiativeなどのヘルスプロモーションのためのWHO 参加国ネットワークなどがある。またネットワークどうしのネットワークも作られつつある。例えばWHOの欧州本部が進める「ネットワークのネットワーク形成」や地球規模のヘルスプロモーションネットワークは、国際的なヘルスプロモーションのための協働機構を作るためのものである。
Partnership for health promotion ヘルスプロモーションにむけたパートナーシップ
ヘルスプロモーションにむけたパートナーシップとは、健康成果の共有にむけて、いくつかの主体が自主的に合意し共同して取組むことをいう。
こういったパートナーシップこそが多機関の協働を形成し、ヘルスプロモーションにおける協働組織の基礎となりうる。パートナーシップは、例えば法律の制定や改正の実現といった明確な目標の達成に限られることもあれば、常に変化する広範囲の問題に当たり、継続されていくこともある。ヘルスプロモーションは、公的機関や市民団体、民間企業などの間でのパートナーシップの範囲を次第に広げつつある。
Quality of life 生活の質
生活の質とは、その人の暮らし状態の受け止め方のことをいい、生まれ育った場所の文化や価値観、一人一人の目標や期待・基準や関心事とも関連している。これは非常に広い概念を持ち、身体の調子や心理的状態、自立の程度や人間関係、さらには自分の信念や、環境面での顕著な特徴などとの関係が複雑に組み込まれたものである。
この定義において特筆すべきなのは、生活の質は主観的判断に左右されるとしたことである。これはプラスの面とマイナスの面を持ち、また文化的・社会的、さらには環境面での文脈の中においてこそ意味を持つものである。
WHOはどの文化においてもあてはまる生活の質の概念の根幹をなす部分を6つの面に分け定義した:(1)身体の面(例:体力・疲労)(2)心理の面(例:前向きな気持ち)(3)自立の程度(例:可動性)(4)社会的つながり(例:利用可能な社会的支援)(5)環境面(例:医療・介護へのアクセスしやすさ)(6)個人の信条や心の持ち方(例:生きる意志)。健康と生活の質は、こうした面でそれぞれ補完・重複する関係にある。
生活の質は、個人のニーズが満たされているか、幸福や人間的充実の達成機会が否定されていないかという個人の受け止め方を反映しており、身体的健康状態や社会・経済的状況は無視されている。ヘルスプロモーションにおいては、避けられる不健康状態の予防とともに、生活の質の改善という目標はさらに重要なものとなってきている。このことは特に、高齢者、慢性疾患、終末期、障害者分野でのニーズ対策に関連して重要である。
Re-orienting health services ヘルスサービスの方向転換
ヘルスサービスの方向転換の特徴は、集団の健康成果の達成ということへのより明確な関心であり、その方向で、ヘルスシステムがどのように組織され資金を与えられるかと言うことである。これにより、現在個人のニーズに重点が置かれているヘルスサービスの姿勢や機構に、集団的なニーズにたいして均衡を取る方向で、変化が導かれるに違いない。
オタワ憲章では、より健康的な暮らしを実現していく上で、保健衛生分野が果たす重要な役割を強調している。その実現には全ての専門職・保健サービス機構・行政組織のみならず、その保健衛生分野がサービスを行う対象である個人やコミュニティもその一翼を担っている。また、現状ではほとんどの事例で、ヘルスプロモーション・疾病予防・病気の診断・治療・看護・リハビリのそれぞれに投入される予算を理想的な割合にするために、ヘルスプロモーション・疾病予防のより一層の展開が必要となる。ただしこの展開をヘルスシステムの活動増加のみで図る必要はない。健康成果の達成の上で、保健分野以外の役割のほうが効果的なこともありえる。こうした分野の枠を越えた保健活動の支援における保健衛生分野の重要な役割を行政府はよく理解する必要がある。
Risk behaviour 危険行動
特定の病気や健康障害を起こしやすくなることと関連があると証明されている特定の行動様式のことをいう。
危険行動とは通常、疫学的あるいは社会学的な研究の結果から、「危ない」とされているもののことである。疾病予防の大きな目標が危険行動の改善であり、健康教育は今までそのための手段として用いられてきた。しかしヘルスプロモーションを広く捉えていく流れの中で、危険行動は不利な生活環境を克服する反応あるいはメカニズムと考えられるようになって来た。これに対処していく方法としては、生活技術の向上、健康面でのより多くの支援的環境の創造などが挙げられている。
Risk factor リスクファクター
特定の疾病・不健康・傷害を引き起こしやすくする原因か、関連がある社会的・経済的・生物学的な状態・行動・環境をいう。
危険行動を伴う事例においてリスクファクターを見つけ出すことが出来れば、それらはヘルスプロモーションの戦略や活動においての糸口や対象となりうる。
Self help 自助努力
ヘルスプロモーション*の文脈において自助努力とは、医療関係者でない一般人が、個人やコミュニティの健康を増進・維持・修復するために必要とされる手段を利用するために取る行動のことをいう。
自助努力は普通、個人や集団が自分たちの直接的な利益のためにする行動と解釈されている。しかしここでは個人間、集団間の相互扶助も含んだものである。また自助努力にはセルフケア、例えば社会において日常的に行われる自己診断による投薬や初期治療も含まれている。
Settings for health 健康のための生活の場(セッティング)
健康のための生活の場とは具体的な場所、あるいは社会的環境を指し、そこでは日常生活が営まれ、環境的・組織的・個人的要素が相互作用し、健康とウエルビーイングに影響を及ぼす所をいう。
場とは、また、人々がいきいきと周囲のものを用い形作ることで、創造したり、健康に関連した問題を解決したりするところである。通常具体的な場所や、役割の決まった人の範囲や、社会的な構造をもっていることで特定されうる。
場が違うとヘルスプロモーションのための活動パターンも違うものとなる。しばしば、物理的な環境の変化とか、組織構造、行政、マネジメントの変化といった、組織的な構造改善という形を取ることも多い。生活の場は健康増進のためにも利用される。たとえば、そこで働く人々を対象としたり、保健サービスへのアクセスの機会を提供したり、より広いコミュニテイでの異なった生活の場同士の相互作用といったものを通じて活動が行われる。場の例としては、学校・職場・病院・集落・都市が挙げられる。
Social capital 社会資本(社会の潜在的な資源)
社会資本はコミュニティ*におけるつながりの深さを示すものである。ネットワーク*や規範・社会秩序の確立や、相互利益のための調整や連携を促進するような人間間のプロセスを表している。
社会資本は、人々の間での毎日の無数の相互活動から生まれるものであり、市民のグループや宗教集団、親戚関係・非公式の住民ネットワーク、さらにはボランティア精神・利他心・信頼といったもので形成されている。こうしたネットワーク・つながりが強くなればなるほど、コミュニティ構成員が相互の利益のために働くことが多くなる。こうして社会資本が健康を創造し、また健康への投資の効率が上がる。
Social networks 社会的ネットワーク
個人どうしの社会的関係やつながりのことで、これによって健康面での社会的支援の利用や利便性が向上する。
社会が安定すると、さらに社会支援への利便性を産むような社会的ネットワークを持つようになる。社会を不安定化する要因である高失業率・大規模な立ち退きを伴う再開発計画・急速な都市化は社会的ネットワークの破綻を少なからず招きうる。こういう状況下では、保健活動は社会的ネットワークの再構築への支援に主眼を置くことになる。
Social responsibility for health 健康面での社会的責任
健康面での社会的責任とは、機関の公的・私的を問わず、健康を増進し保護していくための政策や事業を遂行していく決定責任者の活動が反映されるものである。
政策やその施行においては公的私的機関を問わず住民の健康を害さないようにするべきである。それはすなわち環境保護を図り、資源の持続的利用を保ち、本質的に有害な商品や物質の産生・取引の規制をし、非健康的な市場活動の台頭を防ぎ、取引の場にいる市民、労働現場にいる個人を保護することであり、また健康上の公平さに及ぼす影響の調査も政策形成における不可欠な部分としてこれに含まれる。
Social support 社会的支援(支え合い)
この援助は、同じコミュニティ*にいる個人やグループ同士で行われるもので、日常や生活状況*に応じて生じる不利な問題を緩和し、生活の質*の向上を支援する前向きな資源を生み出す。
支えあいは精神的支援、情報共有、さらには物的な社会資源やサービスの供給をも含む。支えあいは現在、健康を左右する重要な要因の一つとして、また、なくてはならない社会資本の要素として広く認められつつある。
Supportive environments for health 健康面での支援的環境(健康面での身の回りの支援体制)
健康にむけた支援的環境とは、健康の面での危機から住民を守り、さらに健康を保つ能力と自己信頼能力の向上を育むものをいう。これは住民の生活場所からコミュニティ*、家庭、仕事場、遊び場を含み、さらには保健衛生に関する社会資源への利便性やエンパワメント*の機会をも組み込んだものである。
健康面での支援的環境の創造のための行動は様々な側面をもち、支援体制の構築を助けるような施策や法規を作り出し実行していく直接的政治活動、経済行為、特に持続可能な経済的発展を育むもの、社会的活動などを含むことがある。
Sustainable development 持続可能な発展
持続可能な発展とは、現在のニーズを満たしつつ、将来の世代のニーズを満たしうる能力をも損なわないような発展形態のことである。さまざまな要素から成り立ち、保健分野を含むあらゆる部門が達成のために努力しなければならない。
人間にとって持続可能な発展は中心課題である。持続可能な発展とは、資源の利用や投資の傾向・技術開発の方向の見直し・組織の練成と深く関連し、この世代の発展と資源の利用が将来の世代の健康や生活を脅かすことがないようにする方法である。
開発と環境と健康の複雑に絡み合った関係をまとめ上げる一つのきれいな解が存在するわけではない。しかしその関係は、公衆衛生上の介入のために重要な相互関連や介入の糸口がどこになのかを示すものとなる。ヘルスプロモーションにおいて持続可能な発展が特に重要なのは、健康的公共政策の構築や支援的環境整備の観点からであり、現在、そして未来において生活状況を改善し健康的な生活習慣を支援し、健康上の公平さをさらに達成するためでもある。