(肝は思推の中枢)「素問:金匱真言論篇、五臓生成篇」

人間の思推活動

肝の性質は剛強で、人間の思考、思索活動
の中心をなす臓器です。
肝は思推の中枢
肝は「将軍の官」と呼ばれ、外敵(病邪)を防ぐ一切の思慮、計謀をつかさどるとされています。
つまり、肝は思推活動の中心であり、人が思考思索をめぐらすことのできるのは肝のためで、また、肝の性質は剛強であるとされ、「肝っ玉の座った人」というときの「肝っ玉」は肝のことをさしています。 
この肝に異常が生じると(たとえば肝気の衰弱)、思推活動が鈍り、ぼんやりとして、無気力になることが多い。(素問:霊蘭秘典論篇、霊枢:師伝篇)
肝は血を蔵す
肝は血を貯蔵して、身体の血量を調節する働きをするとされています。これを霊枢の本神篇では、「肝は血を蔵す」と説明しています。
肝は過度の怒が起こると精神上の激しい刺激を受けて、その正常な働きができなくなり、ひどいときには吐血を引き起こすことがあるとされています。
したがって、激しく怒したときに起きた吐血は肝に対する治療も大切であるといわれているのです。(霊枢:本神篇)
肝と筋、爪の関係
肝と筋の関係を、素問の陰陽応象大論篇では、「肝は筋を生ず」といい、同じ五臓生成篇では、「肝の合は筋なり」と述べ、両者が密接な関係があることを説明しています。
つまり、肝は筋とその運動のすべての統率者で、筋骨の痛み、筋の引きつれ、巻き舌、陰嚢の収縮など、筋のすべての症状は肝の病変の現れとされています。
さらに、肝血が不足すると、その症状は爪に現れ、柔らかく薄くなり、色が淡泊となって艶がなくなるなど、爪の様子で肝の健康状態がどうなっているかを知ることもできるというのです。(素問:陰陽応象大論篇、五臓生成篇)
肝と目の関係
慢性のかすみ目、めまい、両目の乾燥、とり目(夜盲症)などの目に生じる異常は肝と関係があるとされています。
素問の金匱真言論篇には、「肝は目に開孔す」とあり、同じく五臓生成篇では、「肝は血を受けてよく視る」と説明しています。
したがって、目に症状があるときは肝の治療を重視するとあります。
なお、目は五臓六腑とそれぞれ関連し、肝以外では、特に心・腎と深い関係にあるとされています。(素問:金匱真言論篇、五臓生成篇)

 

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