三焦さんしょう(三焦は、気血、津液を全身にめぐらす)
三章 三焦は、「決tokub.jpg (743 バイト)(けっとく)の官〈溝を切り開いて水を流す役人〉」と呼ばれ、飲食物を消化し、それを気血、津液(しんえき)と化して全身にめぐらし、体内の水路を整え、不用の物質を尿、便として排泄させる総合的な機能を持つ腑とされています。そして、その部位、および機能のうえで、上焦、中焦、下焦の三つに区分されています。

この三焦について、素問の霊蘭秘典論篇では「三焦は決tokub.jpg (743 バイト)の官、水道ここより出でて、膀胱に属す」と述べられていて、難経三十一難には、「三焦は水穀の道路、気の終始するところ所なり」と記載されています。

しかし、他の腑と違い、三焦の実体は明確なものではなく、多くの異なった考え方や説がありますが、臓腑の外府、外衛として、それぞれが包含する臓や腑と密接な関係を有しつつ、それら臓腑の機能を調節したり、あるいは補佐したりする働きを持つともいえるのです。(素問:霊蘭秘典論篇、霊枢:営衛生会篇、難経:三十一難)

三焦の区分と機能

◎上焦‥舌下から胃の上口(噴門)までをいい、胸部と心・肺を包含し、主として「天(空)の気」をつかさどり、また、呼吸運動や、飲食物(水穀)の受納を補佐しているといいます。難経三十一難では、「上焦は胃の上口にあり、納めて出でざるをつかさどる」と述べています(納めるとは、呼吸と飲食の意)。上焦は「天(空)の気」と「水穀の気」を霧のように全身にめぐらし、肌(皮膚)を暖め、肉を充実させ、毛を潤沢にするといっています。これにより、肌肉は栄養を得て、外邪から身体を守る働きを発揮する(この働きを衛気という)といいます。したがって、もし、上焦に異常が生ずると、気の運行に障害が現れて、肌肉に暖かみがなくなり、汗口の開閉が悪くなって、悪寒戦慄や発熱などの症状が起こるといっています。(霊枢:営衛生会篇、決気篇、難経け三十一難)

◎中焦‥胃の上口から下口(幽門)までの部分をいい、上腹部と胃、脾を包含し、主として「地の気(飲食物の精気)」をつかさどり、胃と脾の消化、および運化の働きを補佐するといわれています。これを難経三十一難では、「中焦は胃の中kanb.jpg (750 バイト)(ちゅうかん)(臍の上方)にあり、水穀を腐熟(消化)するをつかさどる」と記述されています。また、中焦は飲食物から栄養を含んだ気血、津液を生み出す働きもしているとあります。霊枢の営衛生会篇では、「中焦もまた胃中にあり、かすを出し、津液を蒸し、その精微(栄養素)を化して上肺脈に注ぎ、化して血となす」と説明し、同じ決気篇でも、「中焦は気を受け、汁を取り、変化して赤くなる。これを血という」と述べています(汁とは飲食物の精微な物、つまり栄養素)。したがって、この中焦に機能異常が生じると消化不良が起こり、気血の生成が低下するというのです。(霊枢:営衛生会篇、決気篇、難経:三十一難)

◎下焦‥胃の下口から陰部までの部分をいい、下腹部をはじめ、肝・腎・小腸・大腸・膀胱などの臓腑を包含して、主に水液の清濁を分類し、尿や便の排泄を行うとあります。これについて、難経三十一難は、「下焦は、膀胱の上口にあり、清濁の分別をつかさどり、出して入れず、もって伝導するをつかさどる」と説明しています。したがって、この下焦に疾患が生ずると、尿閉、夜尿症などが現れるというのです。(霊枢:営衛生会篇、難経:三十一難)
三焦と心包絡の関係
三焦と心包絡は手の厥陰経と少陽経の二経脈を通じて相互に表裏の関係にあり、三焦は臓腑の、心包絡は心のそれぞれの外衛としてこの両者はその機能の上で密接に関連しているとしています。(素問:血気形志篇)

 

 

三焦は内臓(臓と腑)の外衛であり、心包絡は心の外衛。そして両者は表裏関係にあります。たとえば、神経を使うと胃部がキリキリ痛んだり、興奮すると心部がドキドキするのは、それぞれ三焦、および心包絡のなせるわざと考えているのです。

 

元へ