手の少陽三焦経(Arm Lesser Yang Triple Energizer Meridian (略:TE))

三焦経(イラストはつぼツボから)

三焦経を流れている正常な気血は、多気少血と言われている。
是が変動すると 三焦経に属する経脈が病気になと(所生病)
耳が聞こえにくくなる。 汗がよく出る。
耳鳴りがして騒々しい感じがする。 目の外眼角が痛む。
咽が腫れる。 頬が腫れる。
喉頭が痺れるような感じがする。 耳の後ろから肩、上腕、肘、前腕の外側である三焦経の走路が痛む。
  薬指が使えなくなる。
東洋医学では、三焦は『後天の元気の入るところ』つまり、人間が生まれて天の気(大気)、地の気(穀物の類)を身体に取り入れ、これを呼吸・消化により五臓六腑に循環して、生まれながらに父母から受け継いだ先天の元気をうるおし、補っている器官であると言っています。三焦とは、三つの熱源という意味を現しています。三焦は『名前ありて、形無し』ともいわれるように、独立した器官名ではありません。首の根元からみぞおちまでが上焦、みぞおちから臍までが中焦、臍から恥毛の生え際のところまでが下焦と言うことになっています。

上焦は呼吸循環系、中焦は消化呼吸系、下焦は泌尿排泄系とに大きく分けられます。この三焦の機能を調節する大切なツボは、上焦が中・中焦が中、下焦が陰交のツボです。

三焦経の経脈の機能が弱ると、耳の聞こえが悪くなる、目尻が痛む、頬が痛む、咽が腫れて痛むなど、顔を中心とした痛みや、首から下顎、肩から上腕・肘・前腕の手背側から親指にかけて痛むなどの症状が出てくる傾向があります。

三焦経を調べ身体の健康状態を調べるには、みぞおちから臍までの筋肉が固いと、胃・膵臓・肝臓等の働きが弱っている証拠です。臍より下の筋肉が固ければ、婦人科の疾患か虚弱体質を疑います。

 

手の少陽三焦経国際表示:Arm Lesser Yang Triple Energizer Meridian (TE)
関衝(かんしょう)井穴国際表示:(TE1)
関は、門を閉じる横木が変じて、しめくくる、ふさぐ、薬指の別名環指の環に通じるの意味です。衝は、先端、末端の意味です。薬指末端のツボの意味です。 変形性頸椎症のときの症状、薬指から小指にかけて、手先が冷え手指の腹がしびれる、腕の小指側にかけて、重いだるさを感じることがありますが、この様な症状を取るのに使われるツボです。
筋肉: 血管:掌側指動脈 神経:尺骨動脈

取穴法

主 治

鍼灸法

薬指の尺側端で、爪甲角から約1分 頭痛、咽喉腫瘍、熱病、上肢痛で手が挙がらないもの 直刺1〜3分
液門(えきもん)栄穴国際表示:(TE2)
液は、うるおう、ひたすの意味です。門は、邪気ので入りする門の意味です。三焦経の経脈、井泉よりかすかな谷川の流れとなって兪(次の中渚)に注ぐ部の意味です。 このツボは、小指と環指との別れ目(腋部)にあるところから付いた名でもあります。
筋肉:背側骨間筋 血管:背側指動脈 神経:尺骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

第四・五指間で、肌目より手背側へ5分のところ 頭痛、結膜炎、咽喉腫痛、手腕痛、間歇熱を伴う疾患 直刺3〜5分
中渚(ちゅうしょ)兪穴国際表示:(TE3)
中は、なか、真ん中の意味。渚は、なぎさ、水際、小島の意味です。 このツボは、手を握ったとき、小指と環指と間の波方をなす陥凹中にあることから付いた名です。
筋肉:背側骨間筋 血管:背側中手動脈 神経:尺骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

軽く拳をつくり、酒杯側で第四・五中手骨の間、液門穴の後方約1寸 聾唖、耳鳴り、肩背痛 斜刺5分〜1寸
陽池(ようち)原穴国際表示:(TE4)
陽の池で、少陽三焦経の滞るところの意味です。 このツボは、腕が痛んでどうにも力が入らないとか、富に精力が衰えてきたというときに、よく効くツボですが、この陽池というツボは、三焦経の原穴であるということで、「三焦の虚実みなこれを抜く」といって三焦経の機能が高まっているか、弱くなっているかは、みなこの陽池で見分けます。東洋医学には昔から、「人南面すれば左が陽なり」という原則があります。また、「天子、南面す」という言葉があり、京都御所の紫宸殿も南を向いていて、南は陽の最も盛んな方向です。当然、人が南を向けば左手は東を向き、太陽の昇る陽の方角に当たるわけです。そこから左手が大切だということになったのです。
筋肉:伸筋支帯、総指伸筋、小指伸筋 血管:背側手根動脈網 神経:尺骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

手関節横紋の中央、やや尺即よりの凹陥部で、総指伸筋腱の尺側 手腕痛、肩腕痛、マラリア 直刺3〜5分
外関(がいかん)絡穴国際表示:(TE5)
心包経のツボの一つに、内関というツボがありますが、それに相呼応する効果を持っているといわれるのがこのツボです。 このツボは特に、三焦の病として昔から知られる耳聾、難聴に大変効果のあるツボです。古典に「手の五指、ことごとく痛みて、物を握ることを得ざるを治す」とあり、手足が痛くて動かないときににもよく効くツボです。
筋肉:総指伸筋、小指伸筋 血管:後骨間動脈 神経:後前腕皮神経、橈骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

手関節横紋の正中の直上2寸で、尺骨と橈骨の間 上肢関節痛、耳下腺炎、耳鳴り、ねちがい 5分〜1.5寸直刺あるいは斜刺
支溝(しこう)経穴国際表示:(TE6)
支は、肢に通じて手足の意味です。溝は、みぞで、橈骨と尺骨の間の意味です。  
筋肉:総指伸筋、小指伸筋 血管:後骨間動脈 神経:後前腕皮神経、橈骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

外関穴の直上1寸 肩腕痛、便秘 直刺1〜1.5寸
会宗(えそう)国際表示:(TE7)
会は、あうの意味です。宗は、むね(主)、おさ(長)、もと(本源)、はじめの意味です。  
筋肉:小指伸筋、尺側手根伸筋 血管:後骨間動脈 神経:後前腕皮神経、橈骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

支溝穴の尺側で傍ら一横指、尺骨の橈側縁 上肢痛、癲癇 直刺5分〜1寸
三陽絡(さんようらく)国際表示:(TE8)
三陽は、陽明、太陽、少陽の三つの陽の意味です。絡は、交わり、別れるところの意味です。 古典の鍼灸甲乙経には、臂上の大交会とあります。
筋肉:小指伸筋、尺側手根伸筋 血管:後骨間動脈 神経:後前腕皮神経、橈骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

支溝穴の上1寸で、尺骨と橈側の間 腕痛、失語症 直刺5分〜1寸
(しとく)国際表示:(TE9)
四は、太陰の数の意味です。は、みぞ、くぐりの意味です。  
筋肉:小指伸筋、尺側手根伸筋 血管:後骨間動脈 神経:後前腕皮神経、橈骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

尺骨肘頭の下5寸で、尺骨と橈骨の間 前腕痛、上肢の麻痺、歯痛、腎炎 直刺1〜1.5寸
天井(てんせい)合穴国際表示:(TE10)
天は、天に通じる意味です。井は、泉の意味です。天井で泉の水が湧き出るところ、天部に通じる経水の湧き出るところの意味です。 このツボは、「手の少陽の脈入るところ合となす」といい、三焦経が本流となるところに合流するツボ、つまり、三焦経の小さな流れが集まって、大きな海のような流れに合流するという意味があります。のぼせる、目尻が痛む、耳の聞こえが悪い、喉が痛む、咳が出る、胸の動悸がおさまらせない、肩から上腕にかけての三焦経の経路が痛むなどといった時によく使われるツボです。
筋肉:上腕三頭筋腱 血管:肘関節動脈網 神経:後上腕皮神経、橈骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

尺骨肘頭の上方で、肘を曲げたとき現れる凹陥部 片頭痛、胸・腕・頸・肩の痛み、リンパ腺炎 直刺5分〜1寸
清冷淵(せいれいえん)国際表示:(TE11)
清は、きよし、濁の反対、澄む、きよめる、明らか、静平、整えるなどの意味です。冷は、ひややか、熱の反対、さむし、すがすがしいなどの意味です。淵は、ふち、水、地より出て深くたたえて流れざるもの、転じて物の多く集まるところの意味です。 つまり、清冷淵とは、三焦経の経病変にあたり、経気の邪(濁)を清め、整える意味があります。
筋肉:上腕三頭筋腱 血管:肘関節動脈網 神経:後上腕皮神経、橈骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

天井穴の上1寸で、肘を曲げてとる 肩腕痛 直刺1〜1.5寸
(しょうれき)国際表示:(TE12)
消は、きゆ、けす、つく(尽く)、ほろぶ(滅ぶ)、ちる(散る)、とける(釈)、火が消えて亡ぶ意味です。は、たのしむ、よろこぶ、やすんず(安)、心に苦しみうれうる事なき也の意味です。消とは、病症消滅して苦しくなく憂いなく、患者喜び安ずるツボの意味です。  
筋肉:上腕三頭筋 血管:中側副動脈 神経:後上腕皮神経、橈骨神経

取穴法

主 治

鍼灸法

清冷淵と臑会穴とを結ぶ線の中央 頭痛、頸・項の強ばり痛み、腕痛 直刺1〜1.5寸
臑会(じゅえ)国際表示:(TE13)
臑は、上腕の意味です。会は、手の陽明と少陽の経脈の交会するところの意味です。  
筋肉:上腕三頭筋 血管:上腕深動脈 神経:外側上腕皮神経、腋窩神経

取穴法

主 治

鍼灸法

穴と尺骨肘頭とを結ぶ線上で、三角筋の後縁 肩腕痛 直刺1〜2寸
(けんりょう)国際表示:(TE14)
肩は、肩の意味です。は、角すみの意味です。肩とは、肩の骨の角すみにあるツボの意味です。  
筋肉:三角筋 血管:後上腕回旋動脈 神経:鎖骨上神経、肩甲上神経、腋窩神経

取穴法

主 治

鍼灸法

肩峰の後下縁で、上腕を外方に平らに挙げ、肩穴の後方約1寸の凹陥部 肩痛、腕痛で手が挙がらないもの 直刺1〜2寸
(てんりょう)国際表示:(TE15)
天は、頸より上(頭部)を天部となすの意味です。は、角すみの意味です。天とは、頭骨の角すみにあるツボの意味です。  
筋肉:僧帽筋 血管:肩甲上動脈 神経:肩甲上神経、副神経

取穴法

主 治

鍼灸法

肩峰突起と大椎穴とを結ぶ線の中点の肩井穴後下方1寸 肩腕痛、腕が挙がらないもの、肩甲・頸項部の疼痛 直刺5分〜1寸
(てんゆう)国際表示:(TE16)
天は、頸より上(頭部)を天部となすの意味です。は、まど、光を取り入れるところ、正気の通じるところの意味です。天とは、天部に正気を取り入れ、三焦経の様々な症状を治すツボの意味です。 頭や目、歯などの痛み、肩から首にかけての痛み、こりには非常に効果があるツボがこのツボです。
筋肉:胸鎖乳突筋、板状筋 血管:浅頸動脈 神経:小後頭神経、副神経

取穴法

主 治

鍼灸法

乳様突起の後下方で、胸鎖乳突筋の後縁、下顎角と水平のところ 頸・項の強ばり 直刺1.5〜2寸
翳風(えいふう)国際表示:(TE17)
翳は、かざす、しりぞく、目のほし、目がかすむ、かくす、かげの意味です。風は、中風の風、中風よりくる眼、耳の疾患に効くツボの意味です。  
筋肉:顎二腹筋 血管:浅側頭動脈 神経:大耳介神経、顔面神経

取穴法

主 治

鍼灸法

乳様突起前下方の凹陥部で、耳垂と水平、口を開けてとる 耳鳴り、顔面神経麻痺 鍼先をやや前上方に向けて1.5〜2寸斜刺
(けいみゃく)国際表示:(TE18)
は、くるう、精神病の意味です。脈は、みゃくの意味です。脈は、耳鳴りに効くツボの意味です。  
筋肉:後耳介筋 血管:後耳介動脈 神経:大耳介神経、顔面神経

取穴法

主 治

鍼灸法

耳の後部、乳様突起の中央で、翳風穴と角孫穴とを耳輪に沿って結ぶ線の中・下方1/3のところ 耳鳴り、頭痛 斜刺3〜5分
顱息(ろそく)国際表示:(TE19)
顱は、頭の骨、頭の意味です。息は、呼吸、息をする、憩う、休む、ねぎらう、ふさぐ、安しの意味です。このツボは、頭病むを止める意味です。  
筋肉:後頭筋 血管:後耳介動脈 神経:大耳介神経、顔面神経

取穴法

主 治

鍼灸法

脈穴の上1寸 耳鳴り、嘔吐、中耳炎 斜刺1〜3分
角孫(かくそん)国際表示:(TE20)
角は、すみ、額の骨の意味です。孫は、まご、ゆずる、へりくだる、したがう、のがるの意味です。このツボは、額角より後ろへへだたり下る意味です。  
筋肉:上耳介筋 血管:浅側頭動脈 神経:下顎神経、顔面神経

取穴法

主 治

鍼灸法

耳介を前方に折り曲げ、耳先端の直上方の髪際に入るところ 耳部赤腫、角膜白濁、歯痛 斜刺2〜3分
耳門(じもん)国際表示:(TE21)
耳は、耳の意味です。門は、邪気の出入りするところの意味です。このツボは、耳疾患の重要なツボの意味です。  
筋肉:前耳介筋 血管:浅側頭動脈 神経:下顎神経、顔面神経

取穴法

主 治

鍼灸法

聴宮穴の上方で、耳珠前切痕と水平のところ、口を開けてとる 耳鳴り、中耳炎、歯痛 やや下方に向け1〜2寸斜刺
(わりょう)国際表示:(TE22)
和は、やわらぐ、おだやか、のどか、元気、精気の意味です。は、角すみの意味です。  
筋肉:前耳介筋 血管:浅側頭動脈 神経:下顎神経、顔面神経

取穴法

主 治

鍼灸法

耳門穴の前上方、耳介根部の前と水平、浅頭動脈の脈の触れる部分の後方 耳鳴り、頭痛、顔面神経麻痺、顎関緊閉 斜刺2〜3分
絲竹空(しちくくう)国際表示:(TE23)
絲は、いと、蚕の口より吐き出される糸、すじ、きぬいと、転じて微細な意味です。竹は、たけの意味です。空は、陥凹部の意味です。眉毛を絲、竹に例えてその外端、微細なる空なる中の意味です。  
筋肉:眼輪筋 血管:浅側頭動脈 神経:上顎神経、顔面神経

取穴法

主 治

鍼灸法

眉弓外側端の凹陥部 片頭痛、眼痛、顔面神経麻痺 斜刺5分〜1寸

手 の 三 焦 経  絡 脈

絡脈は古典の十四経脈の別脈で、経脈より絡脈に別れる処にある経穴を絡穴と名付けています。各経の絡脈に虚実の異常を認めたときはこの経穴をよく治療するようにいわれています。特に各経の慢性的疾患に効く経穴と称えられています。
古典の霊枢経脈篇によれば、経脈は身体の深い処を走行しているから、常態では見ることが出来ないが、絡脈は浅い処を通っているので、脈の現れてのは皆絡脈です。
此の絡脈は十五絡あって、邪気が実するときには必ず見られるが、虚するときは之を視ようとしても見えない。それで之を上下の事情を推察して求めなさい。というような意味のことが書かれている。
参考 霊枢経脈篇より
三焦は手の少陽の脈である。小指の次指の端に起こり、上がって両指の間に出て、手表の腕を循り、臂外の両骨の間に出る。上がって肘を貫き、臑外を循り、肩に上がって足の少陽の後に交わり出る。缺盆に入ってだん中に布き、散じて心包を絡い、膈を下り、循って三焦に属する。其の支は、だん中より上がって缺盆に出て、項を上がり、耳後に繋って、直ちに上がって耳の上角を出て、以て屈して頬に下り頬骨に至る。其の支は、耳後より耳中に入り、出て耳前に走り、客主人の前を過ぎり、頬に交わり目の鋭眥に至る。
是が動ずるときは、則ち病、耳聾し、渾々惇々(こんこんとんとん)とし、喉が腫れ痺れる。
是は気を主どり、生ずるところの病は、汗が出て、目の鋭眥が痛み、頬が腫れる。耳後・肩・臑・肘・臂の外が皆痛み、小指の次指が用いられない。
霊枢経別篇の一節
手の心主の正は、別れて渕脇を下ること三寸にして胸中に入り、別れて三焦に属し、出て喉テりゆうを循り、耳後に出て、少陽に完骨の下に合す。

走 行

三焦経の絡脈は、後前腕部の手根中手関節の上約二横指の処にある外関より別れ、前腕を繞り、胸中に注いで心包経に合す。
参考 霊枢経脈篇の一節
手の少陽の別は、名づけて外関と曰う。腕を去ること二寸、外臂を遶り、胸中に注いで心主に合す。病実するときは肘攣り、虚するときは収まらない。之を別れる所に取る。

三 焦 経 絡 脈 図

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