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アイメイト誕生物語


TOSS岡山サークルMAK赤木雅美


日本初の盲導犬『チャンピイ』誕生の物語を授業化したものです。授業用資料はこちらから!!


1、写真提示

この写真を見て気づいたこと、思ったこと、分かったことをノートに箇条書きにしなさい。

一人ずつ発表させる。
・犬である。・人なつっこそうだ。・ラブラドールだ。

2、資料提示

これは何のマークだと思いますか。

・「盲導犬同伴可」ステッカーである。
再び写真を提示する。

この犬は「盲導犬」です。盲導犬とは、目の不自由な方の目となって働く犬のことです。

3、塩屋賢一の写真提示。

この人は塩屋賢一さんといいます。
昭和32年、犬の訓練士塩屋賢一は数々の困難を乗り越え、ついに日本初の盲導犬第一号を誕生させました。この犬です。名前は『チャンピイ』。

4、盲導犬の歴史を知る。

盲導犬の歴史は古く、古代ローマの時代にさかのぼります。資料1を見てください。

(資料1)
確実な資料では、1819年、ウィーンの神父が犬の首輪に細長い棒を付けて、盲導犬として正式に訓練したのが最初とされています。その後1916年には、ドイツにおいて盲導犬育成の学校が発足。1923年にはポツダムに国立の盲導犬学校が設立され、第一次大戦の戦盲者の社会復帰に役立ちました。

(盲導犬ってなーに?http://www.artnomori.com/modoken-fukyu/)

本格的に盲導犬の育成が始まったのは第一次世界大戦後のドイツで、戦傷で目の見えなくなった人たちを社会復帰させるために盲導犬の訓練が始まったと言われています。しかし欧米で増え始めていたこのような盲導犬は、50年前の日本には1頭もいませんでした。そればかりか盲導犬の存在も知られていなかったのです。

5、訓練法を知る。

塩屋さんは盲導犬に関する文献を各国から取り寄せ辞書を片手に調べたのです。ところがどの本を見ても盲導犬育成のための訓練方法は書かれていなかったのです。仕方なく、塩屋さんはどうしたと思いますか?

・諦めた。・自分で考えた。

塩屋さんは自分で工夫してやってみたのです。試行錯誤のくりかえしでした。塩屋さんが考え出した訓練法は主に二つに分かれます。写真を見てください。
服従訓練」と「誘導訓練」です。資料2を見てください。

(資料2)
盲導犬としての必要な科目を教え、服従心と学習への態度の基礎をつくる『服従訓練』。ハーネスを付け、段差や分岐点の告知・障害物回避・信号や踏切の横断・電車やバスの乗降などを教える『誘導訓練』。このあと指導員が目隠しをして仕上げとテストを行います。期間は約3ヶ月〜6ヶ月です。

6、問題点を考える。

こうした訓練を重ね、やっと一匹の盲導犬が盲人の手に渡されました。ところがある問題が起きたのです。当時の日本には犬を連れたまま入れない場所があったのです。どこだと思いますか。

・電車・レストラン・食堂・お店

資料3を見てください。念願の盲導犬を手に入れたばかりのある盲人の方の言葉です。

(資料3)
この子は私の言うことを何でも聞いてくれることが分かって私自身も自信が持てました。私は中途失明だったので杖で歩くのは本当に大変だったんです。極度に神経を集中して歩くため、出かけただけでくたくたに疲れてしまい、家にとじこもりがちになってしまいました。でもこれからはどんどん外に出られる!念願の旅行にも行ける!!
さっそく私は電車を利用して旅行に出かけようとしたんです。ところが
「犬なんか連れて乗っちゃだめだ!」と怒られてしまいました。
「これは盲導犬なんです。」
盲導犬?何だ?そりゃ」「目の不自由な私を安全に誘導してくれる犬です。とてもおとなしくて吠えたり噛んだりしないんです。」「そんなこと分かるものか!しょせん犬じゃないか!ダメなものはダメだ!動物は乗せてはいけないという規則があるんだ!!」
私は出かけるのを諦めました。しかい、その後食事をしようと入った店でも・・・。

乗り物、食堂、ホテル・・・杖をついていた時は入れた所がどこも入れなくなってしまったんです。これでは以前の方が自由に外出できたのではないかと思えてしまって・・・・・・。(写真提示)

5、現状を知る。

では、今はどうなのでしょうか

・どこでも入れる。・入れない場所もある。

(資料4)
いまは乗車が認められています。以前は電車では貨物扱いにされたり、事前申請が必要でしたが、1977年から状況は少しずつ変化してきました。この年の春、国会に置いて盲導犬に関する質疑が行われ、史上初めて使用者と盲導犬(アイメイト)が議事を傍聴。この結果、国鉄(現JR)乗車の事前申請は解除され、自由乗車が実現したのです。これにともない、全国のバスも自由乗車が可能になりました。この動きは他の交通機関にも波及し、いまは航空会社・私鉄・私バスも搭乗・乗車を認めています
1980年、環境庁より全国の国民宿舎に対して、「盲導犬使用者の宿泊」に協力するように通達が出されました。1982年には、厚生省環境衛生局からレストラン・喫茶店・旅館などに対して、盲導犬使用者への対応の仕方についての指導が行われました。もちろんこれらは強制力がないため、各飲食店・宿泊施設の考え方ひとつで受け入れは変わります。理解は確実に高まってはいますが、まだまだ入場を断られるケースもなくなってはいません。きちんと訓練された犬はぜったいに吠えたり噛み付いたりしませんし、じっとおとなくしています。
犬の毛が落ちないようにプラッシングを入念にするなど、使用者自身もマナーを大切に考えています。こうした正しい認識が、もっと広まってほしいと思います。 (盲導犬ってなーに?http://www.artnomori.com/modoken-fukyu/)

6、「アイメイト」の意味を考える。

平成元年、「東京盲導犬協会」は「財団法人アイメイト協会」と名称が変更されました。「盲導犬」のことも「アイメイト」と呼ぶことがありますね。この「アイ」には意味があるのです。どのような意味でしょうか。

「I」・・・自分

アイは   I   私
アイは  Eye  目

アイは  愛   Love
アイメイト(目の仲間)は私の愛する仲間として・・・信頼と愛情と連帯を込めて・・・・・・

7、クイズ

横崎剛志氏 盲導犬(アイメイト)クイズ http://homepage1.nifty.com/yokozaki/moudouken.htmより
 【問1】  どんな犬でも盲導犬になれる。
(1) ○  (2) ×
 【問2】  盲導犬は生まれたときから訓練所で育てられる。
(1) ○  (2) ×
 【問3】 盲導犬を育てる上で一番大切なことは、訓練である。
(1) ○  (2) ×
 【問4】 盲導犬としての訓練を受け合格すると、すぐに主人(目の不自由な方)のガイドをすることができる。
(1) ○  (2) ×
 【問5】 盲導犬が知っている道(毎日歩いている道)なら、主人を案内することができる。
(1) ○  (2) ×
 【問6】 盲導犬がいれば、主人は道に迷うことはない。
(1) ○  (2) ×
 【問7】 他の犬がけんかを売ってきても、盲導犬はけんかを買わない。(例:かみつかれても我慢する。)
(1) ○  (2) ×
 【問8】 仕事中の盲導犬は自分の気分で止まったり、方向を変えたりする。
(1) ○  (2) ×
 【問9】 盲導犬は主人の言うことに必ず従う。 
(1) ○  (2) ×
 【問10】 寿命が来て死ぬまで盲導犬として働くことができる。
(1) ○  (2) ×

【資料】

盲導犬編

Q 盲導犬とは何ですか?
盲導犬とは、道路交通法施工令第8条第2項によって国家公安委員会が指定する 「盲導犬の訓練を目的とする法人」で盲導犬として訓練された犬、または 盲導犬として必要な訓練を受けていると認められた犬の事をいいます。

Q 盲導犬の特徴は何ですか?
 盲導犬の特徴は、白又は黄色のハーネスという胴輪をしていることです。 盲導犬として活躍している犬もハーネスを外していればペットと同じ扱いになります。(ハーネスを付けてなければ飲食店等に入る事はできません) 他には、雄は去勢、雌は避妊の手術をしてあります。 これは、発情期にほかの犬が寄ってこないようにする等の理由です。

Q どんな種類がいますか?
 現在活躍くしている盲導犬の種類は、ラブラドール・レトリーバー 、ゴールデン・レトリーバー、ジャーマン・シェパードです。なかでも一番多いのはラブラドール・レトリーバーの毛の色が白っぽい茶色の種類です。

Q 雑種の犬も、かしこい子だったらなれますか?
 子犬はボランティアで繁殖を手がけている 方々から譲り受けたり、各協会で繁殖させたりしています。
基本的に子犬は不足していないのが現状です。 かしこい子犬を探すよりは かしこい親犬に子犬を生ませるのが早いのかも知れません。 盲導犬が不足しているのは、盲導犬育成訓練に多額の費用が かかることや、訓練士の不足等があるのです。

Q 盲導犬は何年くらい生きるんですか?
 盲導犬として活やくした犬も、家庭で飼われているペットと同じ12年から15年くらい生きます。これは、盲導犬として使われている中型犬の一般的な寿命です。

Q 盲導犬はなぜ8年〜10年しか働けないのですか?
 盲導犬として働くようになるのは大体1歳半位からです。犬の寿命が12年〜15年なので、8年〜10年働くと犬も歳をとってしまいます。そうなるとどうしても目が悪くなったりして、盲導犬としては働けなくなります。それは病気になったわけではなく、老化によるものですが、中には病気でもっと早くリタイアする盲導犬もいます。人間のように定年退職の年齢は決まってはいませんが、盲導犬のユーザーが健康診断などで自分の盲導犬の状況を見てリタイアの時期を決めます。リタイアした犬はリタイア犬をボランティアで飼育してくれる家庭で残りの人生をペットとして過ごします。その後生を終えると、盲導犬協会などで用意されているお墓で永眠します。お墓には供えられているお花が絶えることはありません。     

日常生活編

Q 使用者が握っている盲導犬の胴具は何ですか?
 ハーネスといいます。これを装着しているときは、盲導犬にとって『仕事中』になります。使用者はハーネスと引き綱を左手に持ち、犬の右側に立って歩きます。犬が落ち着かずにキョロキョロしているときは、いつもと違う振動が伝わってくるなど、犬の心までを知ることができます。

Q 犬の名前は誰が付けるのですか?
 繁殖奉仕をお願いしている方に、犬が誕生したときに付けていだいています。ちなみにポチやシロなどの一般的な犬の名前や、太郎や次郎など日本人の名前は避けています。名前を呼んで命令する際、たまたま居合わせた同じ名前の犬や人を呼んでしまわないようにしているのです。

Q たとえば駅や職場までの道を、盲導犬は覚えているのですか?
 主人の行き先を知って誘導するわけではありません。盲導犬は交差点など道が分かれる箇所で必ず止まり、主人の「ライト(右)」「レフト(左)」「ストレート(直進)」などの命令に従って動きます。どこへ行くかという意志は使用者にあります。あらかじめ地図を調べて、いくつめの交差点を右…というように頭に入れたり、知らない場所は人に聞きながら行くのです。

Q 階段はどう判断するのですか?
 階段は下りなら一旦停止、登りならさらに前足を一段掛けることで、使用者にその存在を伝えます。また、曲がり角は「コーナー」、階段は「ブリッジ」と命令語を掛けて捜させることもできます。階段をブリッジというのは、歩道橋の場合もあるためです。

Q 犬には信号の色が分かるのですか?
 犬は色盲だとされているので、色は分かりません。交差点はコーナーですから、まず一旦停止します。つぎに使用者が、耳でクルマの流れを判断します。自分の近くを行き来する他人の足音もヒントになります。この結果、横断してもいいと判断すると、犬に「ゴー」と命令します。ただし、横切るクルマがあるときは、命令しても犬は進まないように訓練されています。これを『利口な不服従』と呼びます。

Q 駅で自動改札のときは困りませんか?
 人に頼ることなく乗降するために犬の訓練と使用者への指導をしています。まず「カイサツ」と命令すると、犬は改札口まで歩いていきます。自動改札機の場合は、直前で一旦停止し、鼻をキップの投入口に付けます。使用者は手探りで犬の首〜頭〜鼻と撫でていくことで投入口を知り、そのまま手をすべらせていくと排出されたキップも取ることができます。また、券売機へも「キップ」という命令で知ることができます。金額ボタンに点字が付いているのはご存知の通りです。

Q 歩行中は、他の犬とじゃれたりしないのですか?
 こちらからじゃれるようなことはありませんし、向こうからやってきてもじゃれません。たとえば他の犬に噛まれたりしても、大声で鳴いたり噛みつき返したりはせずに、じっと耐えます。もちろんこんなことのないように、飼い犬をあまり近づけないようにお願いしたいと思います。

Q 散歩の際、排泄の始末はどうしているのですか?
 なるべく外出前の決まった時間にするように習慣づけています。ただし、その時間が歩行中に当たった場合などは、まずハーネスをはずし、引き綱をはめて使用者の周りをグルグル回るように歩かせます。これが排泄してもいい、という合図です。『大』か『小』かは、背中の曲がり具合で分かります。目の見える方と同様に、『大』はビニール袋などできちんと始末します。背中をなぞって尻尾の位置を確認し、その手前に足を置きます。その足の少し先を探るわけです。

Q 使用者が病気のとき、犬の世話はどうするのですか?
 入院などで長期におよぶ場合には、協会等の指導員が取りに伺ってお預かりしています。協会にいるあいだに、健康状態や命令にきちんと従うかなどをチェックしてお返ししています。

Q 盲導犬が病気のときはどうするのですか?
 病気が治るまで盲導犬の仕事は休みます。入院の間にしつけが乱れてしまった場合は、各盲導犬協会で再訓練を受けることができます。

街で見かけたら編

Q お利口ね、と犬を撫でるくらいはいいですよね?
 ハーネスを付けているときは『仕事中』ですから、むやみに声を掛けたり、撫でたりしないでください。犬好きの人が触りたいと思う気持ちは分かります。しかし、ちょっと考えてほしいのです。盲導犬はペットではありません。視覚障害者の『目』なのです。ふだんの生活で、いきなり見ず知らずの人の顔や持ち物に触ったりはしないと思います。それとおんなじことです。下項目の「皆様へお願い」からもう少し詳しい内容が見られます。

Q 使用者が困っているような場合は、どうすればいいですか?
 そのときは積極的に声を掛けてあげてください。心配そうに眺めているだけでは、目の見えない使用者には分かりません。もちろん場合によっては、手助けはいらない、と言われることもあるでしょう。しかし、そんなときは「そうですか、それではお気をつけて」と言うくらいの感じがいいのではないかと思います。

Q 誘導を求められたら、どう案内すればいいのですか?
 ハーネスを持って犬を引っ張るようなことはしないでください。使用者の後ろから言葉で方向を教えるか、使用者の右側(犬が左側なので)に立って、あなたの左肩か左腕を持たせて案内してください。方向を教えるときには時計の文字盤を読むようにすると伝わりやすくなります。正面なら12時、右斜め前なら2時ということです。

Q 使用者が犬を叱っていると、つい可哀想になるのですが…
 よく誤解されてしまうポイントですが、叱っているときは、段差を教えなかったなど、犬がミスをしたときです。小さなミスも重なると誘導がいい加減になり、使用者が危険にさらされることもあります。そのため、その都度教えているわけで、けっしていじめているのではありません。普通のペットをきちんと躾(しつけ)ている皆さんとおんなじ行動ではないでしょうか。


【写真はこちらから!】

「1970 盲導犬」写真展  http://www.asahi-net.or.jp/~nx9s-ysok/dog.html

「盲導犬写真集」  http://web.kyoto-inet.or.jp/org/kgdba/albm/albm0.html

「盲導犬フォトギャラリー」 http://www.artnomori.com/modoken-fukyu/gallery/index.htm

参考文献『歩けアイメイト』講談社

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