Chapter 1 : What グライダー?


 グライダーは、エンジンなど前に進むための動力を持たない航空機です。そのため、離陸するには動力を持つ別の軽飛行機やウインチなどにロープで引っ張り上げてもらう必要がありますが、高度をとって、ロープを切り離した後は自在に飛ぶことができます。

 もし、グライダーがボールのような形なら、軽飛行機から切り離された瞬間、まっ逆さまに地上に落下するでしょう。しかし、グライダーをはじめ,飛行機はを持っています。翼の断面は"かまぼこを押しつぶしたような形"をしていて、この様な形のものに風が当たると,上面曲面部は風が速く流れ,下面は風がゆっくり流れる性質があります。更に,流速が速いところほど圧力は低くなるという性質があるので,翼の上面は圧力が低く,下面は圧力が高くなり,翼の下から上へ押し上げる力揚力が発生します。

  

 揚力の力は大きく、飛行機の自重を支えるほどの力を発生します。飛行機はエンジンの噴射を下側に向けてその反動で浮いていると思われがちですが,あくまで翼に発生する不思議な力”揚力”で浮かんでいるのです。グライダーを適度な角度で降下させ翼に風を当ててやると、この揚力が自重を支えてくれるので長時間の飛行を楽しむことができます。

 グライダーに限らず飛行機は一般に、先述の揚力を発生させ機体を支える主翼、水平安定板とエレベーターより構成される水平尾翼、垂直安定板とラダーより構成される垂直尾翼 の3つの翼を持っています。

 グライダーの操縦は、操縦桿ペダルでおこない、操縦桿の前後の動きで機首の上げ下げを、左右の動きで機体の左右の傾きを、ペダルの踏み込みで機首の左右の振りをコントロールします。実際の飛行に当たっては、操縦桿を左に倒して左ペダルを踏み込むとグライダーは左に旋回し、逆の操作で右に旋回します。また、機首の上げ下げにより速度を調整します。

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 グライダーの滑空性能を表す指標に”滑空比”というものがあり、一般的な練習に使われる機体でこの値は25〜30ぐらいです。滑空比は機体が1m沈むのに対して何m前に進めるかを表す比で、例えば滑空比30の機体だと機体が1m沈む間、前方に30m進むことができます。高度2,000ft(約600m)で切り離された機体は、計算上600m×30=18,000m、すなわち片道9kmの距離を往復できることになりますが、実際の飛行では安全を見込んで、飛行場上空で1,000ftの余裕を持って戻れるように行動半径を設定しています。

 また、グライダー特有の飛行法として、"ソアリング"というテクニックがあります。これは局地的に発生する"上昇気流:サーマル"を見つけ、この中で旋回を続けることで上昇気流に乗り高度を稼ぐテクニックです。ソアリングを駆使すれば、何時間もの飛行をすることも可能です。

 グライダーの操縦操作自体はいたって簡単ですが、これを上手く飛ばすには、環境変化が激しくそこそこ"G"もかかるので、体力や平衡感覚の練磨はもちろん、それと同時に航空力学や気象学それに航空無線などの深い造詣が不可欠です。また、空という自然が相手ですから、いつも同じコンディションではありません、その場その時での適切な判断が要求されます。言うなれば、究極の体育会+文化会系複合スポーツ、それがグライダーです。


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