ダイアナ・ロス

出会いの扉へ

バーブラ・ストライサンドで洋楽の洗礼を受けたわたくしですが、洋楽への抵抗(これってけっこう大きなものがありました。)がなくなると同時に、他にも聴いてみたいアーティストが出てまいりました。それがディオンヌ・ワーウィックでありオリビア・ニュートン・ジョンでありシーナ・イーストンであり、ダイアナ・ロスでした。

ダイアナ・ロスで一番最初に買ったのは『オール・ザ・グレイト・ラブ・ソングス』というコンピレーションCDでした。何故か、というとバーブラが歌っていた「マイ・マン」が入っていたからです。グレイテスト・ヒッツとは別に企画されたラブ・ソング・コレクションでしたから、おとなしめの曲が多いこのコンピ。最初に聞くにはちょっとインパクト不足だったかも知れません。なので一番気に入ったのは、この中で一番アタックの強い「タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング」でした。(とはいいながら今でもこのCDはよく聴きます。聞き込むほどに味の出てくるいい選曲なんですよね。)そうこうしているうちに発売となったのが、あの『イートゥン・アライブ』でして、世間様的にはその年のワースト・アルバムに選ばれるほど評価の低いアルバムですが、マイケル・ジャクソンとビー・ジーズがコラボレーションしたド派手なタイトル・トラックや、モータウン再現ナンバーでイギリスでNo.1ヒットになる「チェイン・リアクション」、高いキーがセクシーに響く「オー・ティーチャー」、ミッド・テンポでモダンな「ラブ・オン・ザ・ライン」等ダイアナ初心者には充分魅力的な楽曲が多く、ダイアナ好きに拍車をかけることになったのは間違いがありません。後はそれ以前のRCAのアルバムやモータウンのアルバムを少しずつ聞いていって、よりダイアナの魅力にはまっていくことになりました。

ダイアナの魅力もそのバーサイタルなところにあります。ポップスもソウルもロックもジャズも、少女のような繊細な声のバラードから、怒涛の破壊力を感じさせるダンス・ナンバーまで、とにかく変幻自在に歌いまくります。女優としても「ビリー・ホリデイ物語」ではアカデミー賞にノミネートされるほどの演技力を発揮しており、第一人者として様々なバッシングの矢面に立たされることもありますが、世界の音楽史に残る巨星であることに間違いはありません。

ダイアナを語るうえで忘れちゃいけないのがスープリームスのこと。誰もが一度は聞いたことがある、あのドッドドォ、ドッドドォドドドという独特のリズムを刻む「恋はあせらず」や「ベイビー・ラブ」「ユー・キープ・ミー・ハンギン・オン」等のまさにキラ星の如く輝くヒット曲群は、時代なんか軽々と超える魔力(魅力)をもっております。

スープリームスとして12曲、ソロで5曲、デュエットで1曲の合計18曲のナンバー・ワン・ヒットを持つダイアナ。もちろん女性アーティストでは1位ですし、総合でもビートルズの4人のメンバーに次ぎエルビスと肩を並べる堂々の5位。マライアやホイットニーが足踏みをはじめたので、この記録な当分破られないのではないでしょうか。

おすすめ

スープリームスはなにしろヒット曲が多いので、オリジナル・アルバムよりベスト盤をおすすめします。ユニバーサルから発売されている2枚組みの『アンソロジー』か、1枚ものの『ウルティメイト・コレクション』でも充分魅力を堪能できると思います。ソロになってからは、70年代のモータウン時代、80年代のRCA時代、90年代以降のモータウン復帰後に分けられます。70年代では初々しさの残るソロ第一弾『ダイアナ・ロス』、「マホガニーのテーマ」や「ラブ・ハングオーバー」といったNo.1ヒットを含む『愛の流れに〜ダイアナ・ロス』、シックと組んだ記念碑的アルバム『ダイアナ』等がおすすめです。『モータウン・アンソロジー』という70年代と90年代の代表曲を2枚組にしたベストもいいですね。RCA時代はアルバム個々がそれぞれの個性を持っているのでどれもおすすめなんですが、強いてあげれば『ファースト・レディ』『スウェプト・アウェイ』の2作でしょうか。方や王道のダイアナ・ポップスが、もうひとつはかなりアグレッシブなダイアナが聴けます。

ダイアナ・ロス(スプリームス)アルバム・CD・セレクション