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ブルー:ワン・ラブ<スペシャル・エディション>(03年) とうとう買ってしまいましたよ、フレンチさん…。UKで人気のあるボーイズ・グループ、ブルーが2003年1月にリリースしたセカンド・アルバムです。ボーイズ・バンドはビジュアルも大事ということで、ライブの模様を収めたDVD付で再発売されたものをゲットいたしました。全員英国出身で平均年齢22.5歳というんですから、おじさん年齢を感じてしまいました。ジャケット(黒い方)左からアントニー、ダンカン、リー、サイモン。見ての通り白人と黒人の混成グループというのが第一の特色ですね。全員リードが取れますが、ちょっとしゃがれ声でヤンキーみたいな風貌のダンカン、ファルセットを聞かせる一番年若(20才)のリーがわりとフロントで、ラップもこなすけれどけっこうジェントルな雰囲気のサイモン、インシンクでいえばクリス的な役回りのオールマイティーなアントニーという布陣で構成されております。2001年5月のデビュー以来UKでは快進撃中で、このアルバムからも「ワン・ラブ」、エルトン・ジョンのカバーをエルトン自身とコラポレートした「悲しみのバラード」など数曲をチャート上位に送り込みました。基本的にはポップスに今様なR&Bのフレイバーをまぶした感じで、ファースト・アルバムからの再収録ですがアコースティックで柔らかな響きのある「イフ・ユー・・カム・バッム」他、多少おとなし目ながら平均点クリアな楽曲が多く、ボーイズ・グループを聞きなれている人にはけっこう楽しめる内容だと思います。ただ、このグループにしかないという個性を発揮するまでには至っていないので、後何作出せるかわからない作品(何しろボーイズ・グループは短命なので…)の中で、いかに差別化を図れるかが今後の課題のような気がしますね。ライブは熱狂的な幅広い年齢層を前にしたソング&ダンスのパフォーマンスですが、ダンスはあまり得意でないようで、コーラス・グループとしての旨みももう一息かなーって感じです。それでもバスケット・ボールを振りに取り入れたり、中盤で70‘sディスコ・メドレーを披露して盛り上げ場を作ったりと、がんばってる所は好感がもてます。CDではそれほど目立ってないんですが、一番若いメンバー、リーくんがけっこうパワーのあるボーカルを聞かせてくれていて、将来的にはローナン・キティングやロビー・ウィリアムズ的なソロ展開が可能な人材だと思います。ファーストや昨年出たサードにも手を伸ばしてみようかと思うわたくしでした。 |
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ブレンダ・アンド・ザ・タブレーションズ:ライト・オン・ザ・チップ・オン・マイ・タン(71年) 「LS」より。66年にフィラデルフィアで結成されたグループで、リード・ボーカリストのブレンダ・ペイトンを中心に男性3〜4名のメンバーが脇を固める布陣です。これは71年にリリースしたアルバムで、67年にブラックで8位、ポップで20位まで上った「ドライ・ユア・アイズ」に次ぐヒット曲「ライト・オン・ザ・チップ・オブ・マイ・タン」(ブラック10位)を収録しております。「レディ・ソウル」での紹介を読むまで、おはずかしながら全く知らなかったグループでございました。ちょっと比べるのは違うのかもしれませんが、紅一点繋がりでローズ・ロイスさんとかだとNo.1になった「カー・ウオッシュ」やマドンナがカバーした「ラブ・ドント・リブ・ヒア・エニモア」等、表舞台で語られやすい曲がありますが、ブレンダさんぐらいの成績だと中々語られる場がないようなので、このような歌手の方々が他にもいっぱいるんだろうなぁとちょっとまだ見ぬ宝の山に思いをはせてみるわたくしでございました。閑話休題。ゆったりしたメロディで展開する「ライト・オン・ザ・チップ・オブ・マイ・タン」に代表されるような、どこか初々しさを漂わせるブレンダさんのくっきりとしたボーカルが非常に魅力的。ディオンヌのカバー「ドント・メイク・ミー・オーバー」も、原曲の良さを素直に伝えてくれます。「ライズ・ライズ・ライズ」「カリフォルニア・ソウル」等ジャンプ・ナンバー系もきりっとした感じがカッコ良く、ファンキーなインスト曲「Scuse Uz Y'All」や、珍しいところではスプリームスの「またいつの日にか」のカバーも収録されております。知っている人は知っているだろうアーティストにしてはポピュラリティがけっこう高いので、安心してお薦めできる1枚です。 |
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マーベレッツ:マーベレッツ(67年)、ソフィスティケイティッド・ソウル(68年) 67年リリースの『マーベレッツ』と68年の『ソフィスティケイテッド・ソウル』のお馴染みモータウン2in1シリーズの1枚です。マーベレッツの全盛期は60年代前半、スプリームス登場以前になりますので、グループとしての終焉を迎えつつある時期の作品をいうことになりますでしょうか。『マーベレッツ』はグループ結成時からの中心メンバーでリード・ボーカルを担当していたグラディス・ホートンが在籍した最後のアルバムで、メンバーもワンダ・ジャクソンほか1名の3人編成。4人ないし5人編成時代の厚いコーラスも、元気にはじけるような歌声も後退しておりますが、その分ベテランらしい味わいのあるボーカルに磨きがかかって、のんびりムードも素敵な作品に仕上がっております。ブラック・チャートで大ヒットした「ハンター・ゲッツ・キャプチャード・バイ・ザ・ゲーム」、後にステイシー・ラティソウもカバーするバン・マッコイの「ウェン・ユア・ヤング・アンド・イン・ラブ」、バカラックの「マイケルへのメッセージ」など、キュートな魅力を失っていないのがさすがです。『ソフィスティッケイド・ソウル』はグラディスが抜けて新加入のアン・ホーガンがリードを取る作品。その名の通り洗練度の高い伝統的ガール・グループ・マナーの作品が並びますが、「アイム・ゴナ・ホールド・オン・アズ・ロング・アズ・アイ・キャン」などで見せるちょっとアーシーな熱さにマーベレッツの伝統が息づいているように思います。 追記:blueさんから情報をいただきまして、『ソフィスティケイテッド・ソウル』の主なリードはワンダ・ジャクソンさんがとっていることがわかりました。訂正させていただきます。 |
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マーサ・&・ザ・バンデラス:カム・アンド・ゲット・ディーズ・メモリーズ(63年)他 63年リリースの『カム・アンド・ゲット・ディーズ・メモリーズ』と64年の『ヒート・ウェーブ』をカップリングした新版モータウン2in1シリーズの1枚です。新版がリリースされた時に、わたくしもAlexさんを見習って総お買い上げしたかったんですが、懐が許さじでコツコツ中古屋めぐりで1枚ずつ集めて回り、ようやくこれで4枚揃いました。(あぁ…良かった…。)マーサの荒削りなボーカルに拍車がかかり、旨みを増していくのはサード以降ですが、ファースト・アルバムの持つこのゆったり&のんびり感は、ホテル三日月(ご存知?)だって敵わないぐらいの素晴らしさ。「カム・アンド・ゲット・ディーズ・メモリーズ」「ラブ・ライク・ユアーズ」他、デトロイト・サウンド確立一歩手前くらいのホランド・ドジャー・ホランドの楽曲自体が放つ初々しさも手伝って、この時期限定な魅力がいっぱいです。続く『ヒート・ウェーブ』は、数あるモータウン・クラシックスの中でも上位入賞間違いなしの「ヒート・ウェーブ」を表題にした作品。豪腕エンジンの掛かり出したマーサのドライブする歌声に、何度聴いてもわくわくさせられる最高のパーティー曲ですよね。急ごしらえだったのかカバーを多く含んだアルバムですが、「ヘイ・ゼア・ロンリー・ボーイ」「ジャスト・ワン・ルック」「マイ・ボーイフレンズ・バック」「ダンケ・シェーン」等、まだまだ可愛いマーサのボーカルが楽しめる作品です。 |
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マービン・ゲイ:アイ・ウォント・ユー(76年) 76年にリリースされたアルバムです。解説書の受け売りになりますが、一応このアルバムの成り立ちを簡単に書いておきますと、73年の『レッツ・ゲット・イット・オン』以来アルバムをリリースしていなかったマービン(最初の奥さんであるモータウン社長ベリー・ゴーディの妹さんと離婚し、新しい恋人と暮らしていたそうです。)に、ベリー・ゴーディが強くアルバム制作を命じて作らせたもので、モータウンのおかかえライターであったリオン・ウェアが製作していたアルバム『アイ・ウォント・ユー』のフォーマットをそのまま譲り受けてマービンのアルバムにしてしまったんだそうです。そのままといっても内4曲にはマービンがソングライターの一人としてクレジットされているので、曲を聴いてマービンが手を加えた部分があったのではないかと思います。そんな経緯で制作されたアルバムですが、とても他人の作品に乗っかったとは思えない高品質ぶりで、いかに当時のマービン・ゲイに魅力と才能が溢れていたかがよくわかりますね。『レッツ・ゲット・イット・オン』で展開していた「性と愛」の世界を更にトータル感を持って提示しているような作品で、メッセージはひとつ「愛し合おう」という事。巻頭の「アイ・ウォント・ユー」から終幕の「アフター・ザ・ダンス」まで、一定のグルーブを保ったバック・トラックに多重録音も駆使したマービンの官能的なファルセットがさざ波のように押し寄せて、それはもう高揚感満点です。2曲目の「エンジェル」ではため息のようにかすかに聞こえる女性の声が、8曲目の「シンス・アイ・ハッド・ユー」でははっきりとメイク・ラブ中の喘ぎへと変わっていきます。あたかもマービンの歌声と交わっているようですが…(ちょっとやりすぎですね。そんな効果音(?)が無くても充分すぎるほど官能的なんですから。)ジャケットの絵がまた素敵なこのアルバム。リオン・ウェア、マービンとともに共作しているT−ボーイ・ロスという方は、ダイアナ・ロスの実弟だそうです。いろんな注釈で彩られる、素晴らしいアルバムでございます。 |
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ジョス・ストーン:ザ・ソウル・セッションズ(03年) YO-SUKEさんも取り上げていらっしゃる話題の新人ジョス・ストーンさんのデビュー・アルバムです。英国出身、87年生まれの16才…もうすぐ90年代生まれの歌手なんていう人も出てくるんでしょうね。(モー娘。なんかそうかぁ。)マイアミ・ソウルの大御所ベティ・ライトをメイン・プロデューサーに迎え、アンジー・ストーンやラティモアなど錚々たる面々をバックに聞かせるのは、これまたオーソドックスなソウル・ナンバーの数々。それも有名どころはアレサの「王様の馬」とアイズレーの「フォー・ザ・ラブ・オブ・ユー」ぐらいで、後はその筋の方々が喜びそうな渋めの選曲で固めております。1曲目の「チョーキン・カインド」からして低い位置からぐっと押し上げてくるような深いエモーションがそこここに漂っていてしてやられます。「ダーティ・マン」や「アイ・ハッド・ア・ドリーム」などじっくりと歌いこむナンバーの腰の据わり具合、「フェル・イン・ラブ・ウィズ・ア・ボーイ」や「サム・カインド・オブ・ワンダフル」で見せるラフな感覚も素晴らしいですね。今回のこのアルバムは、ジョスさんのティーンエイジャー離れしたボーカルの素晴らしさを、余計な装飾を排除することでいっそう浮き上がらせる戦略があったのではないかと思うんです。好例がほとんどアカペラに近い形で歌われる「フォー・ザ・ラブ・オブ・ユー」ですが、派手なプロダクションや誰もが知っていそうな有名曲を外しているのも、まずはジョスの歌力を聴いて欲しいということなのではないかと思います。色で言えば真っ白、今ようやくスタート・ラインに立ったという感じです。次の作品が本当の意味でのデビュー・アルバムになるのではないかと思いますが、どんな色で再び私たちの前に登場してくれるのか、今から楽しみにしたいと思います。 |
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メイズ・フューチャリング・フランキー・ベヴァリー:シルキー・ソウル(89年) BBSにも何度が登場させましたが、「ブラック・ディスク・ガイド」というあったまに来るけどブラック・ミュージックを聴く上で大変参考になる本がございます。この本のガイドをもとに聴いてみたアーティストは数知れずなんですが、けっこうな情報量なもので、取りあえずぱっと見て自分が好みそうな人(もちろん主に女性シンガー)の項を読んで、後はパラパラと何となく眺めているという状態で今も過ごしております。そんな感じなので、けっこう見落としているアーティストも多く、先日ジョセリン・ブラウンを配するイナー・ライフを別の経緯(「LS」)で知り、他にも見落としている好みの人がいるんじゃないかとページをめくっていて見つけたのがこちら、メイズ・フューチャリング・フランキー・ベヴァリーでございます。(前置き長〜い。)70年代半ばから活動しているグループで、マービン・ゲイの前座などを経てメジャー・デビューを果たしています。これは89年に発表され、R&BチャートでNo.1を獲得し、4曲のシングル・ヒットを放った大ヒットアルバムです。パーティが始まる前のようなざわついた人の声、滑らかに流れ始める心地の良い音楽、それに乗るフランキーさんの柔らかな歌声。「愛のゆくえ」を彷彿とさせるタイトル曲でマービン・ゲイにオマージュを捧げる「シルキー・ソウル」で幕を開けた後は、「キャント・ゲット・オーバー・ユー」「ジャスト・アス」と極上なアーバン・チューンが続きます。何かを飲み込まんとするような大きな表現力がフランキーさんの魅力ですね。後半はメロウ・ファンキーなインスト「ミッド・ナイト」で流れを変え、シンセの音も軽やかな「ラブズ・オン・ザ・ラン」、ズッシリとした重いリズムを刻む「マンデラ」などバンドとしてアンサンブルの良さで聞かせてくれます。まさに極上なひと時を楽しめる素敵な1枚です。 |
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ディオンヌ・ワーウィック:ラブ・ソングス(01年) RHINO編集の「ラブ・ソングス」シリーズの1枚として01年にリリースされた我らがディオンヌの小粋な歌曲集。「こわれたハート」のハミングが聞こえてきた時点でもう白旗揚げてしまうチャーミングさなんですが、有名曲は他に「小さな願い」「悲しみは鐘の音とともに」「クロース・トゥ・ユー」ぐらいで、後はラブ・ソングというコンセプトの下、愛すべき隠れた名曲を集めており、セプター時代から70年代のワーナー時代の作品までもカバーしているのが珍しいですね。先日Jittaさんがライブで披露してくれた「ドリーム・スウィート・ドリーマー」もこれに収録されております。Jittaさんの力強くも可愛らしい歌声とシンクロするようにディオンヌ・バージョンも夢見るような語り口で聴かせてくれる魅惑の1曲です。「ヒア・ウェア・ゼア・イズ・ラブ」など本来のディオンヌのキーよりも高いんではないかと思われる歌がバカラックのものには多いんですが、そこに生まれる緊張感と何ともいえない透明度は、初期ディオンヌ最大の魅力ですよね。(比べることに語弊があるかもしれないんですが、顔が似ているなんていわれるわたくしのフェイバリット歌手研ナオコさんがその全盛期に見せていた「苦しそうでいながら実に伸びやかな歌声」と共通する部分を感じたりして、ますます思い入れが深まってしまうのでした。)ワーナー時代の名品『トラック・オブ・ザ・キャット』からの2曲も流麗度高しで素晴らしく、ラストに収められた「アイ・ドント・ミーン・トゥ・ラブ・ユー」での情緒感たっぷりな熱唱に陶然と酔わされてクローズ。セカンド・ベストとしてお薦めしたい編集盤でございました。 |
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ブレンダ・ラッセル:トゥ・アイズ(83年) ブレンダ・ラッセルが83年にリリースしたサード・アルバムで、異様に(って言い方は失礼かな)AOR方面での人気が高い作品です。それもそのはずで、ブレンダ・ラッセルのAOR資質プラス、プロデューサーがトミー・リピューマ、共作陣にその道の職人たち(ビル・ラバウンティ、デビッド・フォスター、マイケル・マクドナルド)を迎えているんですから、それは聞いてみたくもなりますよね。「ピアノ・イン・ザ・ダーク」のバラード・イメージでいくとこれもしてやられるアルバムで、全体的に明るいイメージのポップスが並ぶブレンダらしい作品になっています。結局このつくりが返ってアルバムの中でのバラードの地位を押し上げている感じで、中盤に用意された唯一バラード・タイプの「ステイ・クロース」がまた絶大な効果を発揮しております。そして、いつもブレンダのアルバムにアクセントとして置かれる日本で言えばフォーク(ないしはムード)歌謡的な作品が「アイル・シー・ユー・アゲイン」で、これがまた最高なのですよ。華やかな「アイ・ワント・ラブ・トゥ・ファインド・ミー」、ブレンダならではのミドル・オブ・ザ・ロードな「トゥ・アイズ」など、清涼感いっぱいの歌声を丁度良いさじ加減で味わえる素敵な作品です。 |
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アラベスク:ノン・ストップ・ベスト・ヒッツ(98年) 70年代後半にディスコ・ブームに乗って西ドイツから登場したアラベスクは、オリコン・チャートでも最高位8位を記録した大ヒット曲「ハロー・ミスター・モンキー」でもって日本に上陸し、その後ノーランズやドゥーリーズ、3つ子のトリックス(憶えてます?)などとともにキャンディ・ポップという括りで呼ばれるひとつのジャンルを確立してしまいます。姉妹ならではのハーモニーと健康的な魅力をアピールしたノーランズのほうが一般的な人気は高かったようですが、「フライデイ・ナイト」「フライ・ハイ」「ペパーミント・ジャック」「ビリーズ・バーベキュー」など認知度の高いヒット曲を次々と放ったアラベスクのほうに思い入れがある方も多いのではないでしょうか。これはそのアラベスクが放ったヒット曲、代表曲を27曲ノンストップのメドレーにした変則的ベスト盤です。どこかバタ臭く妖しい魅力のあるサンドラのボーカルと、どこまでものりの良いミュンヘン・サウンドの妙がたっぷりと味わえます。個人的にはアラベスクといえば「恋にメリーゴーランド」、この曲は好きでしたねぇ。こういうものはひとりで部屋で聴いてもつまらないので、ドライブなんかで皆とやんやいいながら聴きたいものです。文句なく、楽しいですよ。 |
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ナタリー・コール:アスク・ア・ウーマン・フー・ノウズ(02年) ナタリー・コールがジャズ系の名門レーベルとして知られるヴァーブに移籍して、2002年に発表したアルバムです。大成功した『アンフォゲッタブル』以降ジャズ・スタンダード・シンガー的な位置づけでの活動がメインになってきておりましたので、ヴァーブに移籍したというニュースを聞いたときもなるほどーと思いましたよね。今回の作品はダイナ・ワシントンやサラ・ボーンなどが歌ったスタンダードをメインに、マイケル・フランクスやバーグマン夫妻の作品、現代のスタンダード・ナンバーと言える「コーリング・ユー」などを取り上げたもので、純正ボーカル・アルバムとして非常に楽しめるアルバムです。「小粋」という表現がお似合いな豪華だけれどわきまえを知るバックの演奏、ナタリーの声もベテランらしい深みと軽快さを併せ持って快調を堅持、聴き進むほどにこれはいいなぁと思わせてくれます。色んな類似するキー・ワード(スタンダード、バーグマン夫妻、「ミュージック・ザット・メイクス・ミー・ダンス」)のせいもあるのかもしれませんが、どこかバーブラの昔のアルバムを聞いているような雰囲気もあったりで、個人的な肩入れ度もアップなんです。駄目押し(というか最初に確認してなかっただけなんですけど)だったのがプロデューサーにトミー・リピューマの名前を発見したこと。それでこんなに素敵なアルバムなんだ〜と再びの納得でした。『アンフォゲッタブル』のプロデューサーでもあるトミーと再びタッグを組んでいたのですね。華やかでありながらしっとりと落ち着いた魅力を併せ持つ快作でございました。 |
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バート・バカラック:60グレイテスト・ヒット・ソングス(01年) DISKYという主にリイシューを専門に行うレーベルから2001年にリリースされた作品で、バカラックの名曲60曲が40名以上の歌手の方の歌唱によって一挙に楽しめる3枚組BOXセットです。曲名はアマゾンのリンクを張っておきますのでそちらを参照いただければと思いますが、ジーン・ピットニー、シラ・ブラック、サンディー・ショウ、BJ・トーマス、シャーリー・バッシー、トム・ジョーンズ、ヘレン・シャピロ等など錚々たる顔ぶれが並んでいます。50年代のレコーディング曲が4曲、以下60年代が最も多くて45曲、70年代が6曲、80年代が5曲という構成。珍しい録音というのも含まれているのかもしれませんが、ごめんなさい、わたくしにはどれが珍しいのかよくわかりませんです。個人的に聴きたかったのがジーン・ピットニーの歌う「タルサからの24時間」、面白かったのはサーチャーズの歌うグループ・サウンズ風な「エンプティー・プレイス」や「マジック・ポーション」、ボビー・ゴールズボロの歌うオリエンタル調の「ミ・ジャパニーズ・ボーイ・アイ・ラブ・ユー」(64年74位まであがる小ヒットを記録)、ジュリー・ロンドンのビッグ・バンドを従えたムーディーで華やかな「ワイフス・アンド・ラバーズ」など。バカラックの2大歌姫であるディオンヌ・ワーウィックとダスティ・スプリングスフィールドの作品は含まれていないんですが、これはあえてスタンダードな二人をはずす事で、色んな歌手のバージョンを楽しめるような編集方針だったのではないかと思います。(二人だけで、60曲ぐらいのBOXセット、楽に作れちゃいますものね。)わたくしは中古で買いましたが、新品で買っても2,000円ちょっとというのはかなりお安いと思いますので、バカラック三昧なひと時を過ごすために、おひとついかがでしょうか? |
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キース・スウェット:メイク・ユー・スウェット ザ・ベスト・オブ(04年) 80年代に一世を風靡したニュー・ジャック・スウィングをテディ・ライリーと共に生み出した(でいいのかしら)キース・スウェットさんのベスト盤です。かなりリアルタイムで、最初のヒット曲「アイ・ウォント・ハー」がトップ10に入ってきた時のこととかよく憶えているんですが、当時正直それほど興味を引かれるタイプのアーティストではなかったのでスルー・パス。その後中古で見つけたファーストからサードまでがBOXに収められたセットを買ったんですが、これもほとんど聴かずに放置してありました。で、最近になってケニー・ラティモア&シャンテ・ムーア夫妻の共演アルバムにキースさんの「メイク・イット・ラスト・フォーエバー」が取り上げられていたのをきっかけにファースト・アルバムを改めて聴いてみたらこれがどんぴしゃり。勢いに乗ってRHINOからでたこちらを購入いたしました。ニュー・ジャック・スウィング・・・つんのめるようなって言うか、はねるようなビートを持った音楽形態(?)で、当時的には随分先鋭的な感じをもっていましたが、今聞くとどこか間合いみたいなものがあって、忙しすぎる昨今のビートものに比べて安らぎすら覚えてしまうのはわたくしが80年代の人間だからでしょうか。「アイ・ウォント・ハー」「サムシング・ジャスト・エイント・ライト」「メイク・ユー・スウェット」等のNJSの基本形みたいな曲のもつカッコよさ、「メイク・イット・ラスト・フォーエバー」や「テリン・ミー・ノー・アゲイン」等王道的に展開する美メロバラードの濃厚な世界。ねちっこさを感じさせるボーカルに好き嫌いはあるかもしれませんが、ひとつのスタイルを確立し、その後も高い人気を維持し続けているその世界は非常に魅力的だと思います。 |
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スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ:ゴーイング・トゥ・ア・ゴー・ゴー(65年)ほか スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ、65年リリースの『ゴーイング・トゥ・ア・ゴー・ゴー』と70年リリースの『涙のクラウン』のカップリングによるモータウン2in1シリーズの1枚です。『ゴーイング・トゥ・ア・ゴー・ゴー』はミラクルズのアルバムの中でも特に名盤の誉れ高き1枚。冒頭の「ひとすじの涙」から「ゴーイング・トゥ・ア・ゴー・ゴー」「ウー・ベイビー・ベイビー」「マイ・ガール・ハズ・ゴーン」と続くミディアム、アップ、スロー、ミディアムのヒット曲の4連打が何といっても最高なんですが、その後に続く「チュージー・ベガー」や「フロム・ヘッド・トゥ・トー」などの曲もクオリティが高く、非常にバランスの良いアルバムになっています。個々の楽曲の出来も素晴らしいものなら、スモーキーさんのボーカルもまた最高。未だ残る若さの輝きと円熟に向かう表現力が渾然となった、最高の瞬間を味わう事が出来ます。70年の『涙のクラウン』は、もともと67年に『メイク・イット・ハプン』のタイトルでリリースされていた作品ですが、70年にこのアルバムに収録されていた「涙のクラウン」がミラクルズ初のNo.1ヒットになったため、急遽タイトルを変更して再リリースされた作品です。キム・カーンズのカバー・ヒットでもお馴染みの「モア・ラブ」やかっこいいダンス・ナンバー「ダンシングス・オールライト」などを含む水準作。忘れてましたけど「涙のクラウン」はスティービー・ワンダーとの共作なんですよね。歌詞の持つ道化師の哀愁と、どこまでも陽気で楽しいメロディ、スモーキーさんのファルセットが哀と楽を繋ぐマジカルな1曲です。 |
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テルマ・ヒューストン:ザ・ベスト・オブ・テルマ・ヒューストン(98年) モータウンのコンピレーションには必ず入っている77年のNo.1ヒット「ディス・ウェイ(ドント・リーブ・ミー・ディス・ウェイ)」で有名な、テルマ・ヒューストンのベスト盤です。ほんとうは名盤評価の高い69年のファースト・アルバム『サンシャワー』あたりを聞きたかったんですが、とりあえずベストということでアマゾンから70年代後半にモータウンにレコーディングされた曲を集めたこのCDを取り寄せて見ました。「ディス・ウェイ」はもともとハロルド・メルヴィン&ブルーノートが歌っていたバラードで、プロデューサーだったハル・デイビッドが当時全盛のディスコ・バージョンに仕立てて録音させた作品。静かなオープニングから次第にテンポ・アップしていってサビで一気に加速するドラマティックな1曲ですね。(関係ないですけど、シーナ・イーストンやティナ・ターナーなどが歌っているのはそれぞれ同名異曲です。)テルマさんは若干ハスキーながらゴム毬のような弾力性のあるお声で、女優もされているためか歌の中にあるドラマ性を引き出すのがとても上手く、ただのディスコ物に終わらせない魅力を作品に吹き込んでいます。大らかなスタンダード風メロディが心地よいポップ・ソング「イフ・イッツ・ザ・ラスト・シング・アイ・ドゥ」、バックの演奏と一体となり全編弾みまくる「アイ・ワナ・ビー・バック・イン・ラブ・アゲイン」、ストーンズのカバーで、サビのヒートアップぶりが凄まじい「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、面目躍如たるドラマティックなバラード「メモリーズ」「イフ・ディス・ワズ・ザ・ラスト・ソング」など好曲、佳曲がたくさんあって、お薦め度高しです。オリジナル・アルバムも是非聴いたみたいですね。 |
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ティナ・マリー:イット・マスト・ビー・マジック(81年) ホワイト・ソウル・シンガーとして名高いティナ・マリーが、81年にモータウンからリリースした4枚目のアルバムで、ブラックで2位まで上がったティナ最大のヒット作です。プロデュースに全曲のソングライトにと才能をフルに発揮した1作で、公私にわたるパートナーでもあったリック・ジェームズやテンプテーションズも参加しています。とにかく奔放で力強いそのボーカル力がティナの魅力ですが、巻頭の「イット・マスト・ビー・マジック」からその華やかで押しまくる歌唱が全開、パーティー調の女性コーラスやテンプテーションズを従えて、リックの「スーパー・フリーク」のフレーズを取り込むなど遊び心も楽しい1曲です。巻き舌でドライブをかける「レヴォリューション」や、パワー・バラードの「ウェアーズ・カリファルニア」、ブラックで3位まであがり、ティナのラップも聴けるアッパーなダンス・チューン「スクエア・ビズ」、非常に魅力的なメロディ展開をもつしなやかな「ポーチュギス・ラブ」など好曲揃いの全9曲。リイシューにあたり、「スクエア・ビズ」のインストと、ロング・ビーチで行われたライブ・レコーディングからの2曲がボーナス・トラックとして収録されていますが、ダニー・ハサウェイの「サムデイ・ウィール・オール・ビー・ア・フリー」のアカペラをイントロに始まる13分に及ぶ「デジャ・ブ」の熱唱は、実に開放感に溢れた素晴らしい聞き物です。お薦めですよ。 |
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アニタ・ワード:ザ・ディファニティブ・アンソロジー(03年) 先日タワー・レコードで手に入れた出所のよくわからない「リング・マイ・ベル」を表題にしたアルバムを紹介いたしましたが、こちらはかなりしっかりとした編集盤で、79年にシングルと共にヒットを記録したアルバム『ソング・オブ・ラブ』の全曲に、セカンド・アルバム『スウィート・サレンダー』からの曲とシングルで構成されております。(セカンド・アルバムがあったなんて初めて知りました。)「リング・マイ・ベル」は8分のロング・バージョンにて収録。アニタさんのキュートなボーカルにアレンジも遊び心たっぷりで、いっそうチャーミング度が増しております。小ヒットを記録した「ドント・ドロップ・マイ・ラブ」、「カバー・ミー」「メイク・ビリーブ・ラバーズ」などは同系列のディスコ・ソングですが、ハイトーンのボーカルが軽く音符の上を滑っていくようなところは得難い心地よさですよね。「LS」で南部のミニー・リパートンという!?マーク付で紹介された魅力は、ス-プリームスのカバー「またいつの日にか」や、後半に用意された「コート・ビトゥイーン・ア・グッド・シング」「アイ・ウォント・ストップ・ラビング・ユー」「ユー・ライド」などの作品群でたっぷり味わう事が出来ます。「リング・マイ・ベル」のイメージが強力すぎるためかあまり歌手としての魅力について語られる事が少ないアニタさんですが、こうしたしっとりした作品群の味わいはミニーさんやデニース・ウィリアムスさん等と比べられるだけの実力と素敵さがあると思うんですけど、いかがなものでしょう? |
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マーバ・ホイットニー:イッツ・マイ・シング(69年) ジェームズ・ブラウンのショー(ソウル・レビュー)には大抵女性シンガーがフューチャーされていたそうですが、リン・コリンズやヴィッキー・アンダーソンとともにその名を知られているのがこちらのマーバ・ホイットニーさん。60年代後半にJBと活動を共にし、69年にこのアルバムでソロ・デビューを果たしております。このキュートな佇まいを見せる表ジャケよりも、絶叫しているライブの写真を捉えた裏ジャケのほうが内容をよく表していると思います。バックの演奏をJB‘sが務めているためサウンドはそのままJBのもので、ヒットしたアイズレー・ブラザーズの「イッツ・ユア・シング」の返歌である「イッツ・マイ・シング」からスタートするオリジナル・アルバム収録の12曲プラスボーナス・トラック6曲の全18曲、激情系のマーバさんのボーカルとJB’sの太いのりが一体となった熱い演奏がくり広げられています。(最初から最後まで強靭なリズムが1本通っていて、悪く言うとどの曲も同じに聞こえてしまうというのは、この場合欠点と言えるのかどうか…。)17曲目、相変わらずの太いリズムながら、はてどこかで?とよく聴いていたら、バカラックの「ディス・ガールズ・イン・ラブ・ウィズ・ユー」でした。ちょっとだけ柔らかなフィーリングも感じとれるのは、バカラック・マジックなのでしょうか。で、ラストに収録されたJBとのデュエット「サニー」がまた出色、雰囲気たっぷりにはじまり、そして楽しげに次第に高揚していく息もぴったりな二人。良い関係の時に録音されたのが伝わってくるような、好トラックになっております。 |
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アース・ウィンド&ファイヤー・アンド・フレンズ:ベスト・オブ・ザ・ベスト(95年) 以前にミート・ローフのものを紹介しましたが、それと同じシリーズのアース・ウィンド・アンド・ファイヤー版です。16曲入りの本編ディスクに6曲入りのエクストラCDがついた2枚組全22曲。アースの「ファンタジー」に始まり、エモーションズの「ベスト・オブ・マイ・ラブ」→デニース・ウィリアムスの「フリー」→アースの「ブギー・ワンダーランド」→モーリスの「スタンド・バイ・ミー」…と次から次へと代表曲が流れてくるんですから、楽しくないわけがありません。アース本体が5曲、モーリスのソロが2曲、フィリップ・ベイリーが1曲(「ウォーキング・オン・ザ・チャイニーズ・ウォール」ですが、これが「イージー・ラバー」だったら完璧だったんですけどね。)、エモーションズが4曲、ラムゼイ・ルイスが2曲(今回この方のみお初でした。60年代から活躍するジャズ/ポップ/ソウルの大御所なんですね。代表曲「太陽の女神」が収められています。)、デニースにいたってモーリスの息がかかっていない「レッツ・ヒア・ボーイ」まで含んだ8曲も収録されていて、アース&フレンズというよりデニース&フレンズといったほうがぴったりくる構成なのが面白いですね。アース関連のヒット曲をまとめて聴きたい!という方にはうってつけのコンピになっております。 |
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ジェニファー・ロペス:ザ・リール・ミー(04年) ジェニファー・ロペスのデビュー・シングル「マイ・ラブ」から最新の「ベイビー・アイ・ラブ・ユー」まで16曲のシングル全てのビデオ・クリップを収めたDVDと、サード・アルバム「ディス・イズ・ミー…ゼン」から7曲のリミックスを収めたCDをセットにした作品。前作の「ディス・イズ・ミー…ゼン」は、ここ数年にリリースされたアルバムの中でもかなりお気に入り度の高い作品でした。ヒップホップの人脈を駆使してうまく流行の音楽を取り入れながらもポップスとしての魅力的なメロディは失わず、ジェニファーさんの歌声も凛とした響きを持ちながら、どこか肩の力が抜けたような自然体を漂わす…わたしにとってはかなり理想的なアルバムでしたです。前から映像作品も欲しかったところに大盤振る舞いな内容でリリースされたのでこれはとっても有難い企画でした。クリップはどれも凝った映像にキュートな魅力をふりまくジェニファーさんがぎっしりで、デビューの「マイ・ラブ」は既に5年も前の作品ながら全く古びていないのが素晴らしいですね。ビデオの間にジェニファーさんのインタビューが挿入されているんですが、これがまぁ機関銃のようにしゃべりまくりで、そのパワーには圧倒されます。ジェニファーのお母さんや本物の友達、クリップで共演して結婚しすぐ離婚したクリス・ジャッドや、熱々だったはずなのに結局破局(ヒロシ&キーボーか)してしまったベン・アフレックなど、出演者がかなり私生活とリンクしているのが面白いというか何と言うか…。ジャ・ルールが参加して作られた「アイム・リアル」や大ヒットした「エイント・イット・ファニー」のリミックスは原曲と全く違う曲になっていて、こういうのもリミックスっていうのかかねがね疑問に思っているわたくしでした。「アイム・グラッド」は本人たちが目指したとおり完璧に近く「フラッシュ・ダンス」を再現していますが、オマージュと言い切って何の許可も取らなかったのは、かなりの暴挙ですよね。とにかく話題の多さでも現在トップ・クラスを誇るジェニファーさんの軌跡がよくわかる作品なので、ファンのかたは必携だと思います。 |
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ミニー・リパートン:ステイ・イン・ラブ(77年)/ミニー(79年) ミニー・リパートンと言えば、一般的にはやはり「ラビング・ユー」ということになると思います。天使の歌声とも小鳥のさえずりとも形容されるあの独特のハイトーン・ボイスは様々な歌手に影響を与え続け、その声と普遍的な優しいメロディの妙によってエバーグリーンな地位を確立している名曲であります。先ごろ大好きな2in1で『パーフェクト・エンジェル/アドベンチャーズ・イン・パラダイス』とこの『ステイ・イン・ラブ/ミニー』が発売となり、どちらを買おうか迷ったんですが、とりあえず今回は「ラビング・ユー」の呪縛(イメージ)から逃れてみようということでこちらを購入してみました。ファンキーな演奏に乗って始まる1曲目の「ヤング、ウィリング・アンド・エイブル」からしてグルーブ感いっぱい、セクシー度もけっこう高くて早速「ラビング・ユー」の天使イメージを打ち破ってくれました。『ステイ・イン・ラブ』はそんなグルーブ感覚が全編に漂うアルバムで、高らかに駆け上がる「5オクターブ半」の歌声も感情の発露として自然に受け止められ、ラストの美しいタイトル曲まで心地よく酔わされる作品です。ミニーさんはいわゆるフリー・ソウル人気が高いそうなんですが、この作品を聴くとなるほどぉと思いますね。生前最後のアルバムとなった『ミニー』のほうも「ダンシン&アクティン・クレイジー」やドアーズのカバー「ハートに火をつけて」などファンキー&グルービーな曲がメインですが、そんな中に収録された透き通るような歌声に気高さが溢れるバラード「リターン・トゥ・フォーエバー」が出色の出来。永遠になってしまった美しい天使の歌声に時さえ忘れる素敵な作品集です。 |
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クリス・モンテス:A&Mデジタル・リマスター・ベスト(98年) 先日blueさんにご紹介いただいたクリス・モンテスの、A&Mからリリースされた4枚のアルバムから満遍なく選曲された25曲入りのベスト盤です。クリス・モンテス・・・どこかで聴いた名前だなぁと思っていたんですが、「愛の聖書」の人でしたね。日本だけでヒットした洋楽曲の中での紹介記事を読んだことがあって、心の隅に引っかかっていたようです。すっかりヨーロッパのアーティストだと思っていたんですがロサンゼルス生まれのアメリカ人(お父さんはメキシコの方だそうですが)。もとはリッチー・バレンスに影響を受けたロックンロールを歌い、最大のヒットは全米4位まで上昇した62年の「レッツ・ダンス」だそうですが、65年にA&M入りした後はソフト・ロック〜MORに転向して現在はそちらのイメージのほうが強いようです。どこか頼りなげなボーカルがソフトなサウンドにベスト・マッチで、カバー曲が大半ながら「モア・アイ・シー・ユー」「ワン・ノート・サンバ」「サニー」「恋の面影」など不思議な幸福感に満たされてしまう珠玉の作品集。こういうMOR系はダメな方にはとことんダメなようですが、はまると抜け出せない魅力がありますよね。(さすがA&M、さすがトミー・リピューマ、ニック・デカロ。)そして「愛の聖書」なんですが、これだから歌謡曲は止められない、こんなところで辺見マリさんに出会うなんて…。「経験」は筒美先生ではなく村井邦彦先生ですけど、皆さん色んなところに題材を求めているものなんですねぇ。さすが日本だけでヒットしただけあるウェットな名曲でございます。「いそしぎ」がこのベストの選からもれていて残念でした。そのうちオリジナル・アルバムのほうを手に入れたいと思います。 |
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キャロル・ダグラス:ザ・ベスト・オブ・キャロル・ダグラス(94年) 75年にデビューし、ディスコ・ディーバの一人に挙げられるキャロル・ダグラスさんのベスト盤です。「ドクターズ・オーダーズ/恋の診断書」と聞いて一瞬アレサ・フランクリンとルーサー・ヴァンドロスのデュエット曲を連想したんですが、同名異曲でした。電話の効果音から始まる軽快でポップなメロディを持つ楽しい曲でございます。メジャーなヒット曲はこの1曲なんですが、「ミッドナイト・ラブ・アフェア」「ライ・トゥ・ミー」など典型的なミディアムのりのディスコ曲満載で、70年代のミラーボールな空気を(想像上ですが)満喫することが出来ます。ビー・ジーズの「恋のナイト・フィーバー」のカバーはありがちですが、アバの「ダンシング・クイーン」を正面切ってカバーしており、おまけにクラブ・ヒットまでさせているのが何だか珍しいですね。(他にディオンヌも歌っている「フ・ワット・ホエン・ウェアー・ワイ」などもあり。)75年の作品ながらシンセ使いに80年代的なセンスを感じる「マイ・シンプル・ハート」、「ユア・ノット・ソー・ホット」など耳につく好曲が多く、歯切れの良い美しい声も素敵な1枚でした。 |
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グロリア・ゲイナー:アイ・アム・ホワット・アイ・アム(96年) グロリア・ゲイナーのオリジナル・アルバムです。先入観からか80年代ぐらいの作品かと思って聴いていたのですが、96年リリースの割と新しいアルバムだったのでちょっと以外でした。(それだけ音的には80年代っぽいつくりではあります。)ジェリー・ハーマンのミュージカル「ラ・カージュ・オ・ホール」からの「アイ・アム・ホワット・アイ・アム」のダンサフル・バージョンで幕をあけてからの前半はエフェクトに工夫をこらした「チェインズ・オブ・ウィスパー」やどこかドナ・サマー的な「イーニー・ミーニー・マーカー・ラック」などお得意のパワー溢れるダンス・ソングを連発、疾走感のあるサウンドで一気に突っ走っていきます。後半は味のある艶唱を聞かせるバラード「オンリー・イン・ア・ラブ・ソング」でちょっと流れをかえて、弾力のある演奏に乗ったミディアムもの「アイブ・ビーン・ウォッチング・ユー」、自作の「モア・ザン・イナフ」、エンゲルベルト・フンパーディングの代表作「アフター・ザ・ラビン」としっとりとしたボーカル・チューンを披露、最後は女性コーラスを従えた「ユア・オール・アイ・ニード」を景気よく歌い飛ばしてくれます。オリジナル曲、カバー曲とも出来が良くて、何よりアップにバラードにとグロリアさんの実力が遺憾なく発揮されていて聴き応え充分です。珍しいアルバムかと思ったら、アマゾンとかでも購入出来るようなので機会があればお試し下さい。 |
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テルマ・ヒューストン:スロウ・ユー・ダウン(90年) いや〜見つけました。ディスクユニオンで4枚CD買おうとしたら、今日は5枚買うと10%引きになりますよと言われて、性懲りもなく売り場に戻ってもう一度よーく棚をみたら鎮座ましましていましたよ。前から聴きたかったテルマ・ヒューストン90年リリースのアルバムです。リチャード・ペリーのプロデュース作で、作家陣もサイーダ・ギャレット/グレン・バラード、カーリー・サイモン/アンディ・ゴールドマーク、エリオット・ウルフ、トム・スノウ、ダニー・センベロと相当の力を注いだと思われる超豪華ぶり。ラップまでフューチャーした現代的な「ワット・ヒー・ハズ」、ガンガン行け行けのナンバー「スロウ・ユー・ダウン」、時代がらニュー・ジャック・スウィング的な「シリアス」など重量級のダンス・ナンバーにまずはしてやられます。作詞のほうとは言えどこかカーリー・サイモンらしさの漂う「ア・マン・フー・イズント・ソー・スムース」、はつらつとしたポップ・ソング「アイ・ウォント・フォゲット」、ミディアムのりがまたかっこいい「ハイ」などもとても魅力的です。バラードらしいバラードがないのが惜しい気もしますが、ここは一番押し捲ったろというテルマさんの姿勢が素敵な好盤でございます。 |
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マリリン・モンロー:ザ・ベリー・ベスト・オブ・マリリン・モンロー(00年) マリリン・モンローのミュージカル映画からの曲を中心にしたベストです。前にビクターから出ているベストを購入したんですが、カートン・ケース入り、ハート・マークのピクチャー・レーベルの豪華仕様なこちらのほうがよりマリリンさんらしいので(安かったし)購入いたしました。父親を知らず、その他にも劣悪な環境に取り囲まれて孤児院を点々としていた少女時代、スターへの階段、結婚、離婚、ドラッグ、アルコール依存症、そして謎に包まれたままのその死。悲劇的な要素ばかりに彩られた人生と、ここに収められた華やかな歌の数々の対比には胸が痛まずにはおれませんです。改めてご冥福をお祈りしたいと思います。マリリンさんは「紳士は金髪がお好き」「ショウほど素敵な商売はない」などのミュージカル映画に出演していますが、低めの声に世の男性諸氏を虜にする舌ッ足らず発声、歌い手としての技巧がどうのこうのというよりもそのコケットリーな魅力で聞かされてしまうんですよね。「ダイアが一番」や「あなたに愛されたいのに」、ジョンF・ケネディ大統領の誕生会で歌った「ハッピー・バースデイ」などの歴史的な歌唱は一聴の価値ありです。「帰らざる河」とかスタンダードの「恋に落ちた時」なども良い雰囲気で聞かせてくれます。この手のものには珍しく歌詞:対訳付なのが嬉しいエターナル・エディションでございました。 |
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キム・ウェストン:ザ・ベスト・オブ・キム・ウェストン(03年) タミー・テレルの前にマーヴィン・ゲイのデュエット・パートナーを務め、後にソロでも何曲かのヒットを放ったキム・ウェストンさんのベスト盤です。この20th・センチュリー・マスターズというシリーズは曲数が少ないので今まで手を出した事がなかったんですが、キムさんのCDはあまり出ていないので取り合えず購入いたしました。マービンとのデュオでヒットした「イット・テイク・トゥー」は二人の溌剌としたボーカルが掛け合うポップ・ソウルで、ロッドとティナのかっこ良すぎるカバーでもお馴染みの1曲ですよね。ソロでヒットした「ヘルプレス」や「テイク・ミー・イン・ユア・アームズ」は典型的なモータウン・ガールズ・ポップスで、やはりキムさんの元気のいいボーカルがはじける逸品。「ア・スリル・ア・モーメント」や「ジャスト・ラビング・ユー」などの真っ直ぐに歌いこむ熱っぽさも素敵ですし、初期スプリームスの楽曲に近い「ルッキング・フォー・ザ・ライト・ガイ」がまたチャーミングで痺れます。前述のソロ・ヒットがホランド・ドジャー・ホランドで、その他は主にスモーキー・ロビンソンのプロデュース作品。70年代にスタックスから発売された『キム・キム・キム』もその筋では名高いですが、容姿、歌の実力ともに、もっと売れても良かったような要素を多く持つシンガーでいらっしゃいます。 |
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チコ・デバージ:ロング・タイム・ノー・シー(97年) これはlevieさんお薦めチコ・デバージのサード・アルバム。ご存知デ・バージ兄弟のお一人で、80年代にモータウンからソロ・アルバムを2枚だした後、お薬関係で5年8ヶ月も服役された後に発売された作品です。Long time no see っていうのは、「ごぶさたしてます」とか「お久しぶりね」みたいなことなんでしょうか。イントロがあって、廊下みたいなところをコツコツと歩いていき、鍵ががしゃがしゃと開いて小鳥のさえずりとお迎えに来てくれた人に久しぶりのご挨拶・・・これは出所風景なんでしょうね。懲りているのか懲りていないんだかわからない幕開けでございます。アーバン度の高いトラックで全編通しますが、ケニー・ラティモアタイプの暑苦しくない歌声で濃厚マナーながらもべったりしないところがわたしの好みのタイプ。ファルセットを駆使して「トラブル・マン」のカバーをやっているあたり、目指すのはかつての所属レーベルの大先輩なんでしょうね。そのマービンの曲以外は全てチコの自作または共作で、2曲でエル・デバージが参加しています。イケ面度も高いので、容姿からいける人にもお薦めですね。 |
2004年3月のエトセトラ