犬のシツケ考(1)
よい家庭犬は飼い主に都合がよい性質を伸ばして育てられる
犬は人に馴染み、家庭に馴染む家庭犬としてシツケられる
犬は人とともに生活する動物です。犬は飼い主とともに生活する家庭犬としてシツケられ育てられるのが普通です。普通の人が普通に犬を飼うのであれば、犬は人に馴染み、家庭に馴染む家庭犬としてシツケられることになります。
日本犬の紀州犬や柴犬は猟犬として用いられてきたという歴史的経緯から、それと家庭犬としての融合の関係を理解しにくい面があります。いま家庭で飼われている紀州犬や柴犬はその猟性能は静かに内にしずめていることになります。本当に猟性能を発揮させようとするとその訓練は大変なもので、飼い主と犬とが血のにじむような思いで訓練に励まなくてはならないものです。これにはおまけまで付いておりまして、猟性能はどの犬にもあるものではなく、系統的に繁殖したものにその性能が色濃く残っているというのが実情です。猟性能に優れた犬を意識して残していくことを通じて優れた猟犬ができていくのです。
紀州犬の繁殖家のなかには猟性能と家庭犬としてのよい性能と展覧会に出ても賞を取れる犬を育てている人もいます。猟犬だから気が荒く家庭犬にならないというのは一種の思い過ごしであります。縄文時代の犬は猟をしておりましたが、人に可愛がられて、死ぬと丁寧に埋葬もされておりました。実猟犬はよき家庭犬でもあるのです。シツケとは、犬の人にとって都合のよい性質を伸ばしてやること
犬には人に従う性質があります。紀州犬を飼うにしても、柴犬を飼うにしても家庭で飼うわけですから、よき家庭犬になってもらわなければ困ります。犬の人に従う性質を上手く引き出してやることが、家庭犬としてよい犬になる条件でもあります。犬の人にとって都合のよい性質をどんどん伸ばしてやること、これがよい犬に育てることでもあります。
シツケとは、犬の人にとって都合のよい性質を伸ばしてやることだと考えましょう。逆の言い方をすれば、人にとって都合の悪い性質は抑制してその行動をさせないようにすることがシツケであります。よいシツケとは飼い主が苦にならない犬に育てること
犬の飼育の本、シツケの本はどんな犬でも方法に従えばシツケができるように書いてあると思いますが、普通の飼い主は犬を飼うのは一生のうちで1頭から3頭程度であると思います。はじめの1頭を上手くシツケられるかといいますと、ほどほどのものでありましょう。シツケののことがわかっていない普通の人が優れたシツケができるわけがないのです。せいぜいほどほどのシツケしかできないものですし、世の中の犬を見ていてもほどほどにシツケられていれば上等ということができます。ほどほどのシツケとは、飼い主が苦にならない犬に育つこと、人に迷惑をかけない犬に育つこと、他の犬に迷惑なならない犬に育つことであると思います。オシッコなど排便を飼い主の望む場所ですること、人を噛まないこと、人に吠えないこと、犬を噛まないこと、犬に吠えないことなどが、家庭犬として必要なことであり、そのようなシツケができれば上等な家庭犬に育ったということができると思います。
犬の性質を理解しないことにはシツケはできない
万全のシツケなど普通の家庭でできることなど望んでもできないことです。犬を飼う人は犬は家庭犬としてどのようにあらねばならないか、ということをまずしっかりと思い描いてください。そして犬という動物の性質をある程度学んでください。子供をシツケることと、犬をシツケることの共通性があることは確かですが、犬の性質を理解しないことにはシツケができない部分があります。
推奨できるシツケの本
犬の性質を知ることのために参考になる本があります。犬をシツケるうえで実用的な本があります。これらの本は犬のシツケの理屈が同じではありません。意見が対立する部分が多い本であります。一つの理論で上手くシツケできればそれにこしたことはありませんが、そうはいかないのが実際です。読めば非常に参考になる実用の本です。
(1)藤井聡著
- 『しつけの仕方で犬はどんどん賢くなる』(青春出版社、1200円)
宣伝文句=ムダ吠え、いたずら、トイレなど困ったクセは生まれつきじゃない。犬の本音を知れば誰にでも簡単にできる正しいやり方。- 『愛犬の「困った!」をカンタンに解決する裏ワザ77』(青春出版社、1200円)
宣伝文句=飛びつく犬には玄関マット、吠える犬にはお酢スプレー、ほしがる犬にはキャスター付き椅子。- 『犬がどんどん飼い主を好きになる本』(青春出版社、1200円)
宣伝文句=いいと思ってやってきたことの8割が、実は犬にはストレスなのです。一緒にいてほっとする関係のつくり方。 以上、青春出版社 電話03−3205−1916(2)中村重信著
- 『犬の家庭教師−間違いだらけのしつけ方−』(WAVE出版、1300円)
宣伝文句=今や世界的な常識になったアルファシンドローム理論、つまり犬はオオカミの仲間であり、群れで生きている動物だから飼い主をリーダーと思わせなければならないという理論を、一度見直した方がよいと考えざると得なかった理由が本書のなかに書いてある。 WAVE出版 電話03−3261−3713(3)川俣昭彦著
- 『−愛犬がピタッということをきく−魔法のドッグサイン−誰もが知りたい犬の真実のしつけ−』(主婦と生活社、1300円)
宣伝文句=犬の幸不幸はすべて飼い主の犬観によって決まります。アルファシンドローム(権勢症候群)は人間が頭で考えた犬の代表格であり。間違い、勘違い、はき違えの集大成です、犬を擬人化して考えてはなりません。 主婦と生活社 電話03−3563−5121