牛乳の細菌検査(00/08/23)
 

たまに、「牛乳は殺菌してあるから細菌はいないんだよね」 と聞かれることがありますが、「いやいや、実は、」と説明します。

牛乳(パックやビンに入っているもの、牛から搾ったままのものは生乳といいます) には厚生省令により成分規格があります。それには、細菌数(生菌数)は1ml中5万以下 、大腸菌群陰性となっています。
よく間違われますが、殺菌とは細菌を殺す行為をおこなうことで、生き残る菌もいます。 細菌を全て殺すことを滅菌といいます。
 
この5万という数値が高いか低いかは人により感じ方が違うでしょう。ちなみに、他の食品にも衛生規範というものがあり、 洋生菓子(ショートケーキなど)では1g中10万以下 、弁当及びそうざいの加熱食品(卵焼き、揚げ物など)でも10万以下です。

ここに書いた数値は法律上の上限であり、実際に工場から出荷される牛乳からはそんな高い数値は出ません。

検査方法について付記しておきますので読む気力のある方はどうぞ。
 

   牛乳,特別牛乳,殺菌山羊乳,部分脱脂乳,脱脂乳,加工乳,クリーム,乳飲料,濃縮乳,脱脂濃縮乳,無糖れん乳,無糖脱脂れん乳,加糖れん乳,加糖脱脂れん乳,全粉乳,脱脂粉乳,クリームパウダー,ホエイパウダー,たんぱく質濃縮ホエイパウダ-,バターミルクパウダー,加糖粉乳及び調製粉乳の標準平板培養法による細菌数(生菌数)の測定法

 
A 検体の採取及び試料の調製法

  牛乳,特別牛乳,殺菌山羊乳,部分脱脂乳,脱脂乳,加工乳クリーム及び乳飲料にあっては容器包装のまま採取するか,又はその成分規格に適合するかしないかを判断することのできる数量を滅菌採取器具を用いて無菌的に滅菌採取瓶に採り,濃縮乳及び脱脂濃縮乳にあってはa 生乳及び生山羊乳の直接個体鏡徐法による細菌数の測定法A 検体の採取に定める方法により約200gを採取する。この場合4度以下の温度で保持し運搬する。検体はその後4時間以内に試験に供しなくてはならない。4時間を超えた場合は,その旨を成績書に付記しなければならない。

  次に濃縮乳及び脱脂濃縮乳を除き,滅菌採取瓶に採取したものにあってはそのまま,容器包装のまま採取したものにあってはその全部を滅菌広口瓶に無菌的に移し,25回以上よく振り滅菌牛乳用ピペットをもって滅菌希釈瓶を用いて10倍及び100倍の希釈液を,更に希釈をする場合には滅菌化学用ピペットをもって同様に希釈液をつくる。

 無糖れん乳,無糖脱脂れん乳,加糖れん乳,加糖脱脂れん乳,全粉乳,脱脂粉乳,クリームパウダー,ホエイパウダ-,たんぱく質濃縮ホエイパウダ-,バターミルクパウダー,加糖粉乳及び調製粉乳にあっては容器包装のまま採取するか,又はその成分規格に適合するかしないかを判断することのできる数量を滅菌採取器具を用いて無菌的に滅菌採取瓶に採り,濃縮乳及び脱脂濃縮乳にあっては滅菌採取瓶のまま,25回以上よく振り,滅菌スプーンで検体10gを共栓三角フラスコ
(栓を除いて重量85g以下で100mlの所にかく線を有するもの)に採り,滅菌生理食塩水を加え100mlとして10倍希釈液をつくり,以下牛乳,特別牛乳,殺菌山羊乳,部分脱脂乳,脱脂乳,加工乳,クリーム及び乳飲料と同様に希釈液をつくる。
 

B 測定法

 牛乳,特別牛乳,殺菌山羊乳,部分脱脂乳,脱脂乳,加工乳,クリーム,乳飲料,濃縮乳,脱脂濃縮乳,加糖れん乳,加糖脱脂れん乳,全粉乳,脱脂粉乳,クリームパウダー,ホエイパウダ-,バターミルクパウダー,加糖粉乳及び調製粉乳の各希釈液で1平板に,30個から300個までの集落が得られるような希釈液を選択し,同一希釈液に対し滅菌べトリー皿2枚以上を用意し,滅菌ピペットでそれぞれの希釈液各1mlずつを正確に採り,これにあらかじめ加温溶解して43度から45度までの温度に保持した標準寒天培養基約15mlを加え,静かに回転,前後左右に傾斜して混合し,冷却凝固させる。

 試料をべトリ一皿に採ってから培養基を注加するまでに20分以上を経過してはならない。

 培養基が凝固したならば,これを倒置して32度から35度までの温度で48時間(前後3時間の余裕を認める。)培養後発生した集落数を算定する。この場合培養時間を経過した後,直ちに算定できない場合は,これを取り出して5度以下の冷蔵庫に保存すれば,24時間以内は算定に供し得る。

 試料を加えないで希釈用液1mlと培養基とを混合したものを対照とし,ベトリ一皿,希釈液及び培養基の無菌であったこと並びに操作が完全であったことを確かめなくてはならない。

 べトリー皿は直径9cmから10cmまで,深さ1.5cmとする。

 無糠れん乳及び無糖脱脂れん乳は調製した10倍希釈液10ml2mlずつ滅菌べトリー皿5枚に採り,以下牛乳と同様に実施する。

 細菌数算定は,次の要領による。

 無糖れん乳及び無糖脱脂れん乳を除いては一平板の集落数30個から300個までの場合及び拡散集落があってもその部分が平板の2分の1以下で他の集落がよく分散していて,算定に支障のないものを選び出し,集落計算器を用いて常に一定した光線の下で集落数を計測し,一平板の集落数又は2枚以上の平均集落数に希釈倍数を乗じた数字を記載する場合,高位から3けた目を四捨五入して2けたのみを記載しそれ以下は0を附する。

  次の場合はこれを試験室内事故とする。

 イ 集落の発生のなかった場合(常温保存可能品,無糖れん乳,無糖脱脂れん乳及び摂氏115度で15分間以上加熱殺菌した乳飲料の場合を除く。)

 ロ 拡散集落の部分が平板の2分の1を超えた場合

 ハ 汚染されたことが明らかなもの

 二 その他不適当と思われるもの

 
○培 地

  標準寒天培養基

   ペプトン5 g,酵母エキス2.5g,ブドウ糖1g及び寒天15gを精製水1,000mlに合して加熱して溶かし,高圧滅菌する(滅菌後のpH7.0から7.2までとする。)
 

トップページへ戻る