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過去の研究論文、ニュースの一覧です。 

◎研究論文
 愛知県産業技術研究所研究報告(平成14年12月〜)※常滑窯業技術センター分

 愛知県常滑窯業技術センター報告(昭和44年〜平成13年)


●ニュース
 愛産研ニュース(平成14年4月〜)※常滑窯業技術センター分

 愛窯技ニュース(平成11年5月〜平成14年3月)


△技術の広場(ネットあいち産業情報より転載)
 ・ホウ素含有排水の処理について(平成20年5月号)
 ・依頼試験の最近の話題について(平成19年8月号)
 ・レーザーマーキングの陶磁器製品への応用(平成18年5月号)
 ・最近の光触媒の動向について(平成17年5月号)
 ・瓦屋根の性能(平成16年5月号)
 ・新しいとこなめ焼の素地(平成15年5月号)
 ・「水」と多孔性建材の環境分野への利用(平成14年4月号)


(研究紹介)
 ・無機廃棄物を活用した水熱固化建材の開発
 ・ゼオライト/セピオライト多孔性基材の強度向上と空気浄化機能
 ・新とこなめ焼食器素地を用いた業務用食器のデザイン
 ・粘土瓦の耐風性能評価
 ・低品位原料や廃棄物の押出成形技術
 ・ハイドロタルサイト系化合物の応用
 ・ガーデニング用煉瓦素地について
 ・新とこなめ焼食器の試作
 ・安全で快適な居住空間とするために

(技術解説)
 ・釉薬のデータベース化
 ・瓦用原料の特性
 ・セラミックスの多孔化技術
 ・粘土中の硫酸イオンの簡易測定法について(その2)−電気伝導率測定による原料管理−
 ・ホウ素含有排水の処理技術について
 ・陶磁器素地中クリストバライトの生成挙動
 ・環境材料とセラミックス

(Q&A)
 ・セラミックスの吸音板による音の吸収はどのようなしくみによって起こるのですか?
 ・歩道用れんが・タイルの滑りやすさはどのように評価しますか?
 ・新しく入手した原料について調べたいのですが?
 ・素地や釉薬の表面の凹凸状態はどのように評価しますか?

(釉薬シリーズ)
 ・その19・熔化化粧土
 ・その18・バリウムマット釉
 ・その17・乳白釉
 ・その16・青磁釉
 ・その15・白色釉
 ・その14・均窯釉
 ・その13・辰砂釉
 ・その12・黄マット釉
 ・その11・白色マット釉
 ・その10・ニッケル青釉
 ・その9・クロム赤釉
 ・その8・生掛白色化粧釉
 ・その7・ニッケル−チタン黄緑釉
 ・その6・コバルト濃紺釉
 ・その5・織部釉
 ・その4・鉄赤釉
 ・その3・結晶釉
 ・その2・白色釉
 ・その1・透明釉


釉薬シリーズ(その16)
○青磁釉
 還元焼成により、含有する鉄分が青緑色を呈する釉薬を青磁釉と呼びます。ここでは、還元開始温度1000℃、最高温度1200℃で得られる青磁釉を紹介します。
 この青磁釉の塩基組成はゼーゲル式に示すとおり、KNaO-CaO-MgO-SrO系です。0.30SrOは、同量のBaOよりも釉の溶融温度を高くする効果があり、還元開始温度を高めに設定できます。MgOは釉の熱膨張を低下させる効果があります。鉄分の最適な添加量は、弁柄で1.5%です。
 釉性状図に示すとおり、光沢の良好な組成範囲は広いですが、シリカの増加とともに白味を帯びた青緑色へと変化します。表に示したNo.1,2,3の釉組成で、貫入のない青味の青磁釉が得られます。なお、素地には白5号土(とこなめ焼協同組合製)を使用しました。還元焼成時のCO濃度は7%程度必要です。

 0.30KNaO
 0.30CaO   0.35〜0.50Al2O3 ・3.0〜4.5SiO2
 0.30SrO
 0.10MgO      +弁柄1.5%

      表 青磁釉の調合例(%)
  原料          No.1   No.2  No.3
 平津長石        51.7   47.7   46.8
 鼠石灰          8.4    7.8   7.7
 焼タルク         3.4   3.1    3.1
 炭酸ストロンチウム  12.5   11.5   11.3
 インドネシアカオリン  4.9    4.5   7.7
 福島珪石        19.1   25.4   23.4
 弁柄           1.5    1.5    1.5

釉薬シリーズ(その15)
○白色釉
 とこなめ焼の特産である朱泥茶器等に利用されている釉薬に白色光沢釉があります。一般的には長石、石灰、亜鉛華、炭酸バリウム、カオリン、珪石、無鉛フリット及びジルコンを使用し、焼成温度1100〜1140℃で実用化されています。
 ここでは、湯呑みや食器にふさわしい柔らかな表面光沢の白色釉のゼーゲル式((1)式)と調合割合(表)を示します。
 フリットのゼーゲル式は(2)式のとおりです。例えばKOフリット(日本琺瑯釉薬製)が使えます。
 この釉は、釉組成中のAl2O3とSiO2分を三石蝋石、天草陶石、村上粘土から優先的に取り、必要な残りの量を福島長石、カオリン、福島珪石から取り入れました。このため、釉薬泥漿の沈殿が起こりにくく、施釉時における付着性の良い釉薬になっています。1100〜1140℃1時間保持で焼成すると、釉の表面は、貫入、ちぢれ等の欠点のない、暖かみのある柔らかい白色釉となります。
 この調合に顔料を5%程度添加すると鮮やかな色調の着色釉となります。
 0.55KNaO
 0.15CaO 0.40〜0.46Al2O3 3.70〜4.30SiO2 (1)   フリット
 0.05MgO                0.30B2O3      0.68KNaO 1.48SiO2
 0.20ZnO                0.20ZrO2       0.32CaO 1.36B2O3 (2)
 0.05BaO

 表 白色釉の調合割合(%)
   焼成温度(℃)   No.1  No.2  No.3
   無鉛フリット    15.0  14.2  13.5
   福島長石     24.1   26.3  28.5
   天然いす灰    15.0  15.1  15.2
   福島長石     24.1  26.3  28.5
   天然いす灰    15.0  15.1  15.2
   鼠石灰石     11.3   11.5  11.8
   骨灰        2.2   2.2   2.2
   炭酸バリウム    3.5   3.5   3.5
   炭酸ストロンチウム  2.5   2.5   2.6
   天草陶石     4.2   4.3   4.3 
   タルク       0.3   0.3   0.3
   カオリン      6.3   5.4   4.5
   福島珪石    18.4   18.0  17.6
   フリット       5.5   4.2   2.8
   酸化錫       5.3   5.3   5.4

   金属銅      0.6   0.6   0.6
   黒浜        0.8   0.8   0.8
   酸化コバルト    0.2   0.2   0.2

釉薬シリーズ(その14)
○均窯釉
 花器、食器及び置物等に利用されてきた還元焼成用の高級釉薬に均窯釉があります。 ここでは、中火度(1160〜1200℃)焼成で、青色と紫色、赤色の混ざった均窯釉を出すための組成を紹介します。呈色成分としては金属銅、酸化コバルトを用い、助剤としては黒浜を用います。中火度で安定した還元状態にするためには、還元剤の酸化錫を多めに用います。ゼーゲル式を(1)式に、各温度別の釉組成を表に示します。各温度に適合させるために、B2O3(モル)の添加量を変えて調合しています。
ただし、使用フリットのゼーゲル式は((2)式)のとおりです。
 この釉の特徴は市販の金属銅、酸化コバルトと鉄化合物として黒浜を使用します。焼成条件は、還元ガス濃度とその保持時間が発色に大きく影響しますが、還元焼成の開始時間も影響します。各焼成温度別釉の所定の焼成温度より約50℃低い温度から還元焼成を開始します。ガス濃度はCO2.5〜4.0%、CO25.0〜8.1%で約45分間保持で明るい色調の均窯釉が得られます。
 0.17KNaO
 0.68CaO 0.22Al2O3     2.20SiO2
 0.05SrO 0.01Fe2O3 0.04〜0.08B2O3 (1)   0.68KNaO 1.48SiO2
 0.05BaO            0.03P2O5       0.32CaO 1.36B2O3 (2)
 0.05MgO            0.10SnO2
    (0.025モル Cuを外割で添加)
    (0.08モル CoOを外割で添加)

均窯釉のゼーゲル式

 表 焼成温度別均窯釉の調合割合(%)
   焼成温度(℃)  1160  1180  1200
   福島長石     24.1   26.3  28.5
   天然いす灰    15.0   15.1  15.2
   鼠石灰石     11.3   11.5  11.8
   骨灰        2.2    2.2   2.2
   炭酸バリウム    3.5    3.5   3.5
   炭酸ストロンチウム  2.5    2.5   2.6
   天草陶石     4.2    4.3   4.3
   タルク       0.3    0.3   0.3
    カオリン     6.3    5.4   4.5
   福島珪石    18.4    18.0  17.6
   フリット      5.5    4.2   2.8
   酸化錫      5.3    5.3   5.4
   金属銅      0.6    0.6   0.6
   黒浜       0.8    0.8   0.8
   酸化コバルト    0.2    0.2   0.2

釉薬シリーズ(その13)
○辰砂釉
 花器、食器及び置物等に利用されてきた還元焼成用の高級釉薬に辰砂釉があります。一般的には長石、いす灰、珪石を主原料とし、着色剤の酸化銅と還元剤の酸化錫等を加えて高火度(1250〜1300℃)で焼成して実用化されています。
 ここでは、赤色の呈色を示す成分として金属銅及びその助剤として黒浜を用い、還元剤の酸化錫を多めに用いた釉組成で中火度(1160〜1200℃)焼成用のゼーゲル式((1)式)と調合割合(表)を示します。各焼成温度別釉組成の調製は、B2O3(モル)を0.12,0.19及び0.06と変化させて調合計算します。ただし、使用フリットのゼーゲル式は((2)式)のとおりです。
 この釉の特徴は市販の金属銅と鉄化合物として黒浜を使用します。焼成条件は、還元ガス濃度とその保持時間が発色に大きく影響しますが、還元焼成の開始時間も影響します。各焼成温度別釉の所定の焼成温度より約50℃低い温度から還元焼成を開始します。ガス濃度はCO2.5〜4.0%、CO25.0〜8.1%で約45分間保持で明るい色調の辰砂釉の釉面が得られます。
辰砂釉のゼーゲル式
 0.20KNaO
 0.65CaO 0.28Al2O3      2.20SiO2     0.68KNaO   1.48SiO2
 0.05SrO 0.01Fe2O3 0.06〜0.12B2O3 (1)   0.32CaO   1.36B2O3 (2)
 0.05BaO             0.02P2O5
 0.05MgO             0.10SnO2
   (0.018モル Cuを外割で添加)
 表 焼成温度別辰砂釉の調合割合(%)
   焼成温度(℃)  1160  1180  1200
   金属銅       0.4   0.4   0.4
   福島長石     25.6  28.7  32.0
   天然いす灰    13.0  13.1  13.2
   天草陶石      4.1   4.1   4.2
   鼠石灰石     11.6  11.9  12.2
   炭酸バリウム     3.4   3.4   3.4
   炭酸ストロンチウム   2.5   2.5   2.6
   タルク        0.3   0.3   0.3
   骨灰         1.2   1.2   1.2
   酸化錫        5.2   5.2   5.2
   カオリン      10.4   9.3   8.0
   福島珪石     13.5   13.0  12.4
   フリット       8.0    6.1   4.1
   黒浜        0.8    0.8   0.8

釉薬シリーズ(その12)
○黄マット釉
 花器、食器、置物の釉薬に使用されてきたものにマット釉があります。一般的に黄マット釉では顔料又は酸化チタンを使用した例が多い。
 ここでは、酸化第二鉄を活用した亜鉛−マグネシア系の黄マット釉の調合割合を表に示します。焼成条件は1160〜1200℃で60分間保持します。図中のアルミナ・シリカの範囲で、1160℃焼成では○印、1180℃では◎印、1200℃では●印の組成が最も良い黄マット釉となります。特に○印の釉は結晶が微細で、表面がなめらかで色調にむらのない質感の優れた釉となります。
 0.15KNaO
 0.50CaO 0.29〜0.35Al2O3 2.15〜3.15SiO2
 0.20MgO     0.06Fe2O3
 0.15ZnO

 表 焼成温度別黄マット釉の調合割合(%)
  原料/焼成温度   1160   1180   1200
   平津長石       40.5   43.5   48.0
   鼠石灰石       16.4   17.6   19.3
   タルク          8.1   8.8    9.6
   亜鉛華         4.1   4.4    4.8
   カオリン        12.3   15.0    −
   アルミナ        −    −    8.1
   福島珪石       15.7   7.6    6.8
   酸化第二鉄      2.9   3.1    3.4

釉薬シリーズ(その11)
○白色マット釉
 光沢のにぶい釉薬をマット釉(つや消釉)と呼びます。ここでは酸化焼成による石灰−マグネシア−亜鉛系の白色マット釉を紹介します。
 この釉は、ゼーゲル式に示すとおり塩基成分の中でMgOのモル数が多く、これをタルクから調合します。添加剤のジルコンは釉を白くするためのものです。
 0.18KNaO
 0.26CaO 0.20〜0.40Al2O3 2.00〜4.00SiO2
 0.31MgO
 0.25ZnO         ZrO2・SiO210%

 表 白色マット釉の調合割合(%)
  原料     No.1   No.2  No.3
 平津長石  43.9   42.8   38.3
 鼠石灰石  10.4   10.1   9.0
 焼タルク   15.0   14.6  13.1
 亜鉛華    8.1    7.9   7.1
 INカオリン  5.2   10.0   9.0
 福島珪石  17.4   14.6   23.5
 ジルコン   10.0   10.0  10.0

 塩基組成を一定にして、アルミナ−シリカ比を変化させたときの焼成温度1180℃における釉性状を図に示します。シリカのモル数が多く、アルミナのモル数の少ない組成域では、釉性状は不溶となりますが、その他の組成域では、マットとなります。ただし、アルミナのモル数が多くなると光沢が増して半マットとなります。表に調合例を示したNo.1,2,及びNo.3の釉組成では、きめの細かく、柔らかさのある白色マット釉が得られます。焼成範囲は焼成温度1160〜1200℃です。

釉薬シリーズ(その10)
○ニッケル青釉
 ニッケルによる釉の発色は、黄、濃い茶、オリーブ、ヒワ色、青、赤紫等様々です。ここでは、基礎釉の塩基組成が石灰−亜鉛−リチウム系の酸化焼成によるニッケル釉を紹介する。
 0.20KNaO
 0.10CaO 0.20〜0.40Al2O3 1.50〜4.00SiO2
 0.60ZnO               0.05B2O3
 0.10Li2O Ni2O31.0%

 表 ニッケル青釉の調合例・呈色(%)
   原料           No.1    No.2    No.3
  福島長石          34.9    31.4     30.6
 鼠石灰石           1.9     1.7      1.7
 亜鉛華            18.5    16.6     16.2
 炭酸リチウム          2.8     2.5      2.5
  INカオリン          9.8     8.8     12.9
 福島珪石           22.8    30.7    28.0
 6305フリット          9.3    8.3     8.1
酸化ニッケル         1.0     1.0     1.0
 
 マンセル表色系    H    8.0B    7.6B     7.9B
 測色値:1180℃ V/C  3.6/5.3   3.8/5.1   3.6/5.0

 釉性状図に示した光沢域の色相及び色調は、アルミナが0.30モルまでは、ほぼ一定ですが、0.30モルを超えると色相、色調ともに大きく変化します。色相は0.35モルでは緑みを帯びた青、0.40モルでは青緑となり、色調は明るい灰みへと変化します。シリカに対しては色相、色調ともにほぼ一定です。表に示したNo.1,2,3の釉組成では、焼成温度1160〜1200℃で安定した光沢性と良好なニッケル青の呈色が得られます。


釉薬シリーズ(その9)
○クロム赤釉
 クロム赤釉は通常クロム錫ピンク顔料を用いて作られますが、ここでは、顔料を使用しない酸化焼成のクロム赤釉を紹介します。ゼーゲル式に示すとおり、基礎釉は石灰−バリウム−リチウム系で、着色剤のうち、酸化第二クロムの添加量はごく少量です。
 0.14KNaO
 0.48CaO 0.30〜0.50Al2O3 2.00〜4.50SiO2
 0.22BaO                0.12ZrO2
 0.16Li2O Cr2O30.2%、H2SnO38.0%
   クロム赤釉のゼーゲル式

 表 クロム赤釉の調合例・呈色(%)
   原料            No.1   No.2   No.3
  福島長石          12.6   11.6   11.4
  クリオライト            1.4   1.3     1.3
 鼠石灰石          14.2   13.0   12.8
 炭酸バリウム          12.8   11.7   11.5
 ペタライト           28.9   26.5   26.1
  INカオリン           7.4    6.8   10.1
 福島珪石           16.2   23.1   21.0
 ジルコン            6.5    6.0    5.8
酸化第2クロム          0.2    0.2    0.2
メタ錫酸             8.0    8.0    8.0
 マンセル表色系   H     0.8R   0.6R    9.0RP
 測色値:1160℃ V/C  2.4/5.3  2.4/5.0  2.7/4.6

 釉性状図に示した光沢域の呈色は、アルミナのモル数が増加すると赤から、赤紫へと変化し、色調もうすくなります。シリカに対しては、ほぼ一定です。表に示したNo.1.2.3の釉組成では、焼成温度1140〜1200℃で安定した光沢性と良好なクロム赤の呈色が得られます。なお、光沢域のアルミナ0.03モルの釉組成範囲においては、調合例の釉薬よりも赤みの強いクロム赤釉が得られますが、適正焼成温度は1160℃までです。

釉薬シリーズ(その8)
○生掛白色化粧釉
 食器、茶器等の釉薬に最適な生掛白色化粧釉を紹介します。使用例は、朱泥の湯呑みの中白釉です。この釉の特徴は、生素地へ比較的高濃度で直接施釉することにより素地への浸透を少なくし、乾燥前に仕上げをする事で素地と釉の境界面を鮮明にすることが出来ます。標準的な調製例は、水分40%、CMC0.15%、珪酸ソーダ0.4%です。
 着色剤として各種顔料、金属酸化物を2〜7%添加すれば好みの色調が得られます。ゼーゲル式と焼成状態図及び調合割合を示します。
   生掛白色化粧釉のゼーゲル式   
 0.57KNaO
 0.13CaO 0.80〜1.00Al2O3 3.50〜3.90SiO2
 0.20ZnO                0.20B2O3
 0.05MgO                0.15ZrO2
 0.05BaO

使用したフリットのゼーゲル式
0.90Na2O  0.10Al2O3   3.20SiO2
0.10K2O          0.50B2O3

 表 生掛白色化粧釉の調合割合(%)
    焼成温度:1140℃用
  原料      No.1    No.2    No.3
 福島長石    31.7    30.8    29.8
 鼠石灰石    3.1     3.1     3.0
 炭酸バリウム   2.1    2.3     2.2
 タルク      1.5     1.5     1.4
 亜鉛華      3.9    3.8     3.7
 朝鮮カオリン    0.5    0.5     6.4
 アルミナ     9.9    12.1    9.2
 村上粘土    4.8    4.7     4.5
 天草陶石   11.6    11.3    10.9
 フリット     21.8    21.3    20.6
 ジルコン    8.8     8.6     8.3

釉薬シリーズ(その7)
○ニッケル−チタン黄緑釉
 ニッケルの呈色は、釉塩基組成や呈色補助剤により顕著に変わると言われています。ここでは、ZnOのモル数が多い、石灰−亜鉛−マグネシア系基礎釉による黄緑色の光沢失透釉を紹介します。
 0.30KNaO
 0.14CaO 0.30〜0.45Al2O3 2.50〜4.00SiO2
 0.42ZnO                0.06ZrO2
 0.14MgO NiO3%、TiO27% 0.08B2O3

 表 ニッケル−チタン黄緑釉の調合例・呈色(%)
  原料            No.1     No.2    No.3
 福島長石          49.5     44.6     43.6
 鼠石灰石          2.2      2.0     1.9
 亜鉛華           12.5     11.3     11.0
  タルク            6.5       5.8     5.7
  INカオリン          7.6      6.8     10.9
 福島珪石           3.4     13.0     10.7
 ジルコン          4.0       3.6     3.6
 6305フリット          14.3     12.9     12.6
酸化ニッケル          3.0       3.0     3.0
酸化チタン          7.0       7.0     7.0
 
 マンセル表色系   H    3.2GY    2.8GY   3.0GY
 測色値:1160℃ V/C   7.3/5.4  7.3/5.0   7.4/5.2

 ゼーゲル式、アルミナ−シリカ比の釉の性状を図に示し、特に良好な調合例と呈色を表に示します。表にあげた3種類の釉薬は、図に示した光沢良好域中、光沢が最も良好で、釉の呈色も緑色が最も強く、焼成温度1140〜1180℃で安定した釉性状と呈色が得られます。

釉薬シリーズ(その6)
○コバルト濃紺釉
 食器、花器、置物等の釉薬に使用されてきたものにコバルト濃紺釉があります。ここでは、石灰−バリウム系で鮮明な濃紺釉の呈色となるゼーゲル式と表に調合割合、図に釉性状を示します。
 ここにあげた3種類の釉薬は、焼成温度幅が広く、釉表面の光沢が良く、非常に安定した釉性状が得られ、食器、花器、置物等の高級釉薬として利用できます。
 0.30KNaO
 0.42CaO 0.32〜0.38Al2O3 2.60〜3.20SiO2
 0.28BaO               0.06ZrO2
 CoO 0.07モル            0.04B2O3
   濃紺釉のゼーゲル式(SK4a〜6a)

 0.50Na2O 2.50SiO2
 0.50CaO 0.50B2O3
   使用フリットのゼーゲル式
  (日本琺瑯釉薬製 No.6305)

 表 濃紺釉の調合割合(%)
  原料    No.1   No.2   No.3
 福島長石  48.6   46.1   45.5
 鼠石灰石  11.6  11.0   10.9
 炭酸バリウム 16.8   16.0   15.8
 INカオリン  4.7   4.5    6.6
 福島珪石  7.3  12.1   11.0
 ジルコン  3.4   3.2    3.1
 6305フリット  6.0   5.6    5.6
酸化コバルト  1.6   1.5     1.5


釉薬シリーズ(その5)
○織部釉
 織部釉は、深い緑の釉薬で、銅成分による酸化焼成の代表的な釉薬です。織部釉に適する基礎釉は、一般的に土灰釉、石灰釉の透明釉と言われていますが、ここでは、焼成温度1150〜1250℃で得られる石灰−亜鉛−リチウム系の基礎釉による織部釉を紹介します。ゼーゲル式及びアルミナ−シリカ比の釉性状を図に、調合割合を表に示します。
 0.30KNaO
 0.23CaO  0.35〜0.55Al2O3  3.00〜5.50SiO2
 0.23ZnO     CuO3%、Fe2O31%
 0.24Li2O

 表 織部釉の調合割合(%)
  原料    No.1  No.2  No.3
 福島長石  77.2  70.0  66.0
 鼠石灰石  6.8   6.2   5.9
 亜鉛華   6.2    5.7  5.4
 炭酸リチウム  5.9  5.4   5.1
 蛙目粘土  −   −    9.3
 福島珪石  3.9   12.7   8.3
 酸化銅   3.0   3.0    3.0
 弁柄    1.0   1.0    1.0

 表に示した3種類の釉薬は、黒みを帯び、光沢が強く、暖かみのある鮮やかな黄緑色の織部釉です。No.2とNo.3はアルミナ成分量のみが異なりますが、アルミナ成分の少ないNo.2は、No.3に比較して、緑味の強い色調になります。No.1とNo.2は同様の色調です。なお、酸化銅のみの添加でも織部釉となりますが、黒味・黄味の弱い色調となります。

釉薬シリーズ(その4)
○鉄赤釉
 タイル、花器、置物等の釉薬に使用されてきたものに鉄赤釉があります。釉組成から見ると、リン酸カルシウム及びリチウム化合物と鉄を含む釉組成で優れた呈色をします。ここでは、焼成温度が1230℃で1時間保持する事で実用可能な釉を記載します。表に調合割合、図に釉性状を示します。
 0.06KNaO
 0.38CaO   0.19〜0.23Al2O3   1.76〜1.80SiO2
 0.23MgO       0.17Fe2O3      0.04P2O5
 0.12BaO
 0.21Li2O

 表 鉄赤釉の調合割合(%)
  原料    ○    ◎    ◇    ☆
 平津長石  13.4   12.8   13.2   12.6
 鼠石灰石  4.8    4.6    4.7    4.5
 タルク    11.6   11.1   11.5   11.0
 炭酸リチウム 4.5    4.2    4.4    4.2
 炭酸バリウム 9.5    9.0    9.4    8.6
 ペタライト  14.7   14.0   14.6   13.9
 骨灰     10.8   10.3   10.7   10.2
 リン酸アルミ   2.1   2.0    2.1    2.0
 カオリン   5.7   5.4    7.6    7.3
 福島珪石  12.1  10.4   10.8   10.3

 この鉄赤釉で最も良好となる◎印は、全面に安定した鉄赤色の呈色となり、タイル、花器、置物等へ応用できます。酸化焼成と所定温度の保持ならびに自然冷却で鮮やかな鉄赤釉となります。

釉薬シリーズ(その3)
○結晶釉
 花器、置物等の釉薬に使用されてきたものに結晶釉があります。ここでは、合成ウイレマイトを使用した針状の大きな紋様の出来る調合割合を示します。焼成温度は1230℃で30分、1100℃で2時間保持する事で実用可能な釉になります。
 表に調合割合、図に釉性状を示します。
 0.20KNaO
 0.10CaO   0.13〜0.19Al2O3 1.1〜1.7SiO2
 0.60ZnO                 0.04B2O3
 0.02BaO                  0.14TiO2
 0.08Li2O

 表 白色釉の調合割合(%)
  原料     *   ☆    ★
 福島長石   25.8  25.2   24.7
 鼠石灰石   3.7   3.6    3.5
 亜鉛華    14.5   14.2  13.9
 炭酸バリウム  2.1   2.0    2.0
 蛍石     1.2   1.2    1.2
 氷晶石    2.2   2.2    2.1
 酸化チタン  5.9   5.8    5.7
 カオリン   1.4   5.3    9.1
 福島珪石   14.5  12.4  10.3
 ウイレマイト    28.7  28.1   27.5
  着色剤(外割%):酸化銅0.5、酸化コバルト0.2
  ※ウイレマイトの調合割合(%:1200℃焼成)
   亜鉛華35.9、福島長石19.0、福島珪石24.6、炭酸リチウム10.1、
   炭酸ソーダ3.6、無水硼砂6.8

釉薬シリーズ(その2)
○白色釉
 常滑地区で広く使用される白色釉は、ジルコン系を中心に調整され、衛生陶器、タイル、花器等の釉薬として多く利用されています。それらの釉組成のゼーゲル式と原料調合は次のとおりです。
 光沢白色(1200〜1230℃)
 0.23KNaO
 0.48CaO  0.24〜0.28Al2O3 2.9〜3.1SiO2
 0.24ZnO                0.21ZrO2
 0.05BaO

 表 白色釉の調合割合(%)
  原料     *    ☆    ★
 釜戸長石   63.1   61.2   60.4
 鼠石灰石   15.4   14.7   14.4
 亜鉛華    6.0    5.8    5.7
 炭酸バリウム  3.2    3.1    3.0
 カオリン   0.4    1.8    2.1
 福島珪石   −    1.8    3.0
 ジルコン    11.9  11.6   11.4

ここにあげた3種類の釉薬は、焼成巾も広く衛生陶器等の釉薬として利用され、釉表面の光沢、白さも良好で貫入もなく非常に安定した釉性状が得られます。また、塩化コバルトやコバルト呉須を0.01〜0.05%添加すれば蛍光白色となり白さの調節も可能です。


釉薬シリーズ
その1)
○透明釉

 常滑地区で古くから耐酸瓶、鉢物類、タイル用等の釉薬に使用されてきたものに透明釉があります。代表的なものとしてブリストル釉といわれる石灰、亜鉛で構成されるものと、さらにバリウムを添加したものがあります。適正な釉組成を検討して調合すれば、軟化温度は低く、焼成巾の広い釉が得られます。時に、アルカリ、アルカリ土類成分が釉薬表面に偏在すると耐久性などに問題が起こる場合があります。しかし、アルミナ−シリカのモル比の調整により解決が可能です。安定した釉組成の中から特に良好な調合例と、ゼーゲル式を次に示します。又、アルミナ−シリカのモル比の変化による釉性状は図に示したようになります。焼成温度は1180〜1250℃で実用化できます。
 0.28KNaO
 0.31 CaO  0.28〜0.32Al2O3  3.1〜3.5SiO2
 0.31 ZnO
 0.10 BaO
 
 表 透明釉の調合割合
  原料     *   ☆   ★
 釜戸長石   75.7  72.3  69.2
 鼠石灰石   9.8  9.4   9.0
 亜鉛華    7.9  7.6   7.3
 炭酸バリウム  6.2   5.9  5.7
 カオリン   −   1.6   3.0
 福島珪石   0.4  3.3   5.9

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