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本センターで本年度実施する研究計画および最近実施した研究成果です。
| 研究計画 平成20年度 ◎特別課題研究 (1)常滑焼セラミックス建材開発推進事業 常滑焼セラミックス建材の開発(2/2) 省エネルギー貢献型遮熱建材の開発(1/1) (担当)応用技術室 片岡泰弘・光松正人・福原 徹 (目的) 近年、ヒートアイランド現象・地球温暖化に対応した住宅設計が求められ、遮熱建材の開発はその一つと考えられる。また、省エネルギー推進の観点からも社会的ニーズが認められる。本研究では、真夏の都市部のヒートアイランド化現象緩和ならびに省エネルギーに貢献できる建材として、外装用タイルを対象に遮熱機能の付与および製品開発の支援を行う。既存の遮熱技術は、赤外線反射シートや断熱材を用い施工工事を要する。本研究ではタイルから屋内側への放射を抑えて遮熱することで、住生活の省エネルギー化と快適空間の創出に貢献できる。既存のタイルには積極的に屋内温度の上昇を抑える機能はなく、他産地に対してのアドバンテージを期待できるので、常滑焼産地の活性化にもつながる。 ○経常研究 (1)低騒音タイルの開発(2/2) 低騒音タイルの製品化研究(1/1) (担当)開発技術室 竹内繁樹・深澤正芳・星 幸二 (目的) 集合住宅の玄関ホールや廊下などの共用部分での歩行による騒音は住宅トラブルにも発展しやすい問題である。また、駅コンコースでは歩行音が騒音源となり、利用者の快適性が損なわれるという報告もなされている。このような空間では建材としてタイルが使用される場合が多いことから、靴底がタイルと衝突するときに発生する固体衝撃音を低減させることが、騒音の発生源対策として有効と考えられる。 そので、前年度開発した歩行騒音を低減できる多孔化タイル素地を用いて、試作タイルを作製し施工状態を想定した性能評価を行ない、製品化のために必要な評価手法や施工方法について検討する。 (2)低環境負荷プロセスでの酸化物薄膜合成よる絶縁体の表面改質技術の開発(1/2) 機能性薄膜の液相合成プロセスの開発(1/1) (担当)開発技術室 濱口裕昭・深澤正芳・星 幸二 (目的) 常滑地域の陶磁器産業は輸入製品の増加等によって厳しい現状に立たされている。その状況を打開する為にも、多製品との差別化や新しい技術の導入による新分野への参入が望まれている。そこでセラミックスに新機能を付与する為の表面改質技術についての研究を行う。本研究ではセラミック表面への導電性薄膜の作製技術について研究する。導電性薄膜は導電膜として以外に、帯電防止、熱線反射などの機能も有し、本技術により常滑産地製品に新たな機能性を付与することができる。 現在、透明導電膜の作製技術は気相法が中心であり、製造装置が高価なため、中小企業にとって設備導入が難しい。気相法に変わりディップコーティング等の液相法での優れた透明導電膜の合成技術が確立すれば安価な装置での製造が可能となり、中小企業の参入機会が増える。また製造の際の消費エネルギーの面でも液相法は優れた方法である。 (3)パーティション建材のシステムデザイン(1/1) パーティション建材のシステムデザイン(1/1) (担当)応用技術室 福原 徹・水野 潤 (目的) 近年建築される住宅は好まれるテイストが急速に変化してきており、欧米調、カントリー調が減りシンプルでモダンなデザインが求められるようになってきている。そうした傾向にマッチした感性をもつ住宅用建材として、陶製パーティションブロックが挙げられるがニーズを満たすだけのバリエーションが無く、様々なシチュエーションに合致するデザイン開発が求められている。こうしたことから従来の陶製ブロックにはない機能を付加することにより、新規市場の開拓を目指す。 陶製パーティションブロック「風」・「光」・「癒し」などをテーマに感性に訴える付加機能を加えると共に住宅の一構成部材としての利便性を考慮した機能性をシステム的に付与することによって新規性のある建材の開発を行う。 (4)瓦シャモット調整材を利用した人工干潟造成材の開発(2/2) 瓦シャモットの海域での長期的な予測評価(1/1) (担当)三河窯業試験場 榊原一彦・鈴木陽子・松下福三・福永 均 (研究計画) 高い水質浄化機能を有する干潟・浅場の修復に必要な良質な海砂の入手は、全国的な海砂採取の規制により困難な状況になっており、海砂に替わる新たな干潟・浅場造成用人工砂の開発が必要である。一方、地場産業である瓦製造業においては、製造過程で規格外瓦が発生することから、規格外瓦から製造される瓦シャモットの用途開発が求められている。このため、新たな干潟・浅場の造成材としての瓦シャモットの用途開発を県水産試験場と共同で実施してきた。県水産試験場が大規模な瓦シャモットの海域投入実験を平成21年度に計画しているため、今年度は海底における瓦シャモットの相互摩擦による磨耗現象の加速試験を行って、瓦シャモットが海域に与える影響の長期的な予測評価を実施する。規格外瓦を人工干潟・浅場の造成用瓦シャモットとして利用できれば、瓦廃棄物の軽減に役立つと同時に海洋環境保全に貢献できる。 |
| 研究成果 平成19年度 ◎特別課題研究 (1)常滑焼セラミックス建材開発推進事業 常滑焼セラミックス建材の開発(1/2) 抗カビ性に優れるセラミックス建材の開発(1/1) (担当)応用技術室 片岡泰弘・水野 潤・光松正人・星 幸二 (研究成果) 吸水・吸湿性によりカビが発生しやすい保水性建材や調湿建材を対象に、抗カビ技術の開発に取り組んだ。その結果、簡便かつ経済的なショットコーティング法により銀・銅粒子を建材表面に凝着させる抗カビ技術を開発した。本技術によれば、常温・常圧下において二丁掛タイルを数秒で処理可能である。既存の陶磁器製品の抗菌処理は銀などの抗菌剤を釉中に分散させているが、本技術によれば無釉品にも適用できる。また、基材の選定が陶磁器から金属製品まで幅広く適用可能である。 (2)シーズ提供型共同研究推進事業 ジルコニアコーティングによるセラミックス製品の耐食性向上(1/1) (担当)開発技術室 福原 徹・濱口裕昭・福永 均 (研究成果) 本センターのセラミックス薄膜技術を基にして、ジルコニア薄膜技術を必要とする当該企業との共同研究を行った。ジルコニア溶液としてジルコニウムブトキシドを用い、ディッピングによるコーティング厚さや乾燥・熱処理条件を検討し、良好なジルコニア薄膜の作製条件を確立した。さらに、薄膜の表面性状、耐熱衝撃性および耐食性向上にはイットリアの添加が有効であり、ジルコニア−イットリア組成を最適化することにより耐食性に優れたセラミックス製品を開発することができた。 (3)応募型研究開発推進事業 住宅エクステリア用不焼成100%リサイクル保水不燃建材の開発(2/3) 保水不燃建材の高機能化(1/1) (担当)応用技術室・開発技術室 星 幸二・光松正人・片岡泰弘・福原 徹・濱口裕昭・榊原晴勝 (研究成果) ルーフバルコニーの表面に不燃施工でき、保水機能を持たせたヒートアイランド化防止建材の高機能化を図った。耐凍害性は成形時のラミネーションを防止することで焼成タイルのJIS規格をクリアできた。鉄系顔料を使用すれば低コストで素地の着色が可能であった。保水性評価では、吸水率は28.3%と多角、夏の表面温度の比較ではコンクリートより19.3℃低下した。 (4)応募型研究開発推進事業 粘土瓦再生循環システムの構築(2/2) リサイクル瓦の実用化研究(1/1) (担当)三河窯業試験場 松下福三・榊原一彦・深澤正芳・山田義和 (研究成果) 前年度から開始した「粘土瓦再生循環システムの構築」に継続して取り組み、廃瓦粉の粒度別に配合量と成形体物性の関係を試験した。その結果、廃瓦粉の微粉砕化は、配合量20〜60%の範囲において、曲げ強さの向上と吸水率の低下に効果があることが判った。また、リサイクル瓦の製造試作品について、JIS(A 5208 粘土がわら)の方法により、曲げ試験、吸水試験及び凍害試験を行った。その結果、JISを満足する品質と従来の陶器瓦と比較しても遜色のない品質を得た。 ○経常研究 (1)瓦シャモット調整材を利用した人工干潟造成材の開発(1/2) 瓦シャモットの調製技術(1/1) (担当)三河窯業試験場 松下福三・榊原一彦・深澤正芳・山田義和 (研究成果) 粒径5mmアンダーの瓦シャモットの粒度分布、圧かい強さ、かさ比重等の基礎性状を測定し、干潟造成計画地である、吉良及び一色地区の海砂と比較した。瓦シャモットの粒径は広範囲に亘って分布しているのに対し、海砂は粒径150〜210μmに集中していることが判明した。圧かい強さについては、海砂の方が強度が大きいがバラツキが大きい。かさ比重はほぼ等しく約2.1g/cm3であった。また瓦シャモット中の有害成分について調査したところ、釉薬に起因する鉛が存在するが、その量は含有量及び溶出量とも環境基準値を下回っていた。 (2)低騒音タイルの開発(1/2) 低騒音タイル用素地の開発(1/1) (担当)開発技術室 竹内繁樹・福永 均 (研究成果) 集合住宅の共用部分や駅コンコースなどでの歩行による騒音を低減させるタイルの開発を目指して、靴底がタイルと衝突するとき発生する固体衝撃音を低減させるような多孔化素地の開発を行なった。タイル原料に気孔形成剤としてSiCを添加し、1000〜1320℃で焼成した。得られた焼成体についてタイル素地単味と反発特性(ショア硬さ)と落球法による固体衝撃音測定により比較を行った。その結果、SiC添加素地のショア硬さはほぼ素地のかさ比重に対応して変化することと固体衝撃音がタイル素地単味よりも低減することが確認できた。 |
| 平成18年度 特別課題研究 (1)機能性セラミックス製品開発推進事業 アメニティを創出するセラミックス製品の開発(2/2) 機能性セラミック内装材の製品化研究(1/1) (担当)開発技術室 竹内繁樹・濱口裕昭・福永 均 (研究成果) 前年度に開発した機能性付与技術を用いて、セラミック内装材の製品化について検討した。タイル内部に高熱伝導の熱橋を形成する技術を用いて二丁掛けタイルを試作し、床暖房システムでの使用を想定して加熱試験を行った。試作タイルの見かけの熱伝導率は現行素地タイルに比べ約30%高く、エネルギー効率が良い床暖房用仕上げ材として実用化が見込まれる。また、フッ素樹脂と光触媒用酸化チタンから調製したショット剤を用いて、ショットコーティング法で光触媒機能を市販内装用タイルに付与し、光触媒による空気浄化機能を確認した。 (2)シーズ提供型共同研究推進事業 防災機能の高い屋根瓦の開発(1/1) (担当)三河窯業試験場 榊原一彦・深澤正芳・松下福三・山田義和 (研究成果) 共同研究を実施し、桟瓦に防災性能を付与する安価な緊結金具の製品開発を試みた。防災金具の基本形状の考案と試作品の性能評価を当センターが行い、製品設計と試作を共同研究先が行った。防災金具を適用する桟瓦の形状についても検討を加えることにより、目標性能値である2700Paの風圧力に耐えうる屋根システムを提案できた。ただし目標コストについては、選定材質をSUS304としたこともあり、約20%超過した。 (3)ニーズ提供型共同研究推進事業 ショットコーティング法による陶磁器製品への加飾技術の開発(1/1) (担当)開発技術室 濱口裕昭・福原 徹・福永 均 (研究成果) ショットコーティング法を用いて、ショット剤(金属粒子、樹脂粉末、無機粒子)の種類や配合割合を変えて、釉薬製品や無釉製品にコーティングし、加飾技術を検討した。金属粒子をショットコーティングすることにより、金属光沢を有する新しい色合いの加飾製品が得られた。さらに金属膜や微粉顔料膜を樹脂でマスクし、酸処理や焼成することにより、新しい色合いの陶磁器製品が得られた。またカッティングシートを利用して、パソコン画面から任意の文様等をマスクすることにより、望みの文様やデザインが陶磁器製品に加飾できる技術を確立した。 (4)応募型研究開発推進事業 住宅エクステリア用不焼成100%リサイクル保水不燃建材の開発(2/3) 建材物性と保水性の評価(1/1) (担当)応用技術室 星 幸二・片岡泰弘・水野 潤 (研究成果) ルーフバルコニーの表面に不燃施工でき、保水機能を持たせたヒートアイランド化防止対策建材の開発を目標とした。その結果、不焼成でも焼成タイルの曲げ強度のJIS規格をクリアできる建材を開発できた。模擬太陽光で真夏での保水性能を評価したところ、保水不燃建材裏面では比較したコンクリートに較べて最大31.5℃の温度低下効果があった。また、乾燥していても多孔質で太陽光の反射率が高いので建材裏面で21℃の温度低下効果があった。これらの結果から開発品を施工すると屋根の大きな温度低下が見込めることを確認した。 (5)応募型研究開発推進事業(新規) 粘土瓦再生循環システムの構築(1/2) リサイクル瓦製造技術の開発(1/1) (担当)三河窯業試験場 松下福三・榊原一彦・深澤正芳・山田義和 (研究成果) 「粘土瓦再生循環システムの構築」における主要テーマの一つである「リサイクル瓦(廃瓦粉50%配合)製造技術の開発」に取り組み、本事業の1年目である今年度は、リサイクル瓦に必要な物性値の目標を定めるため、市販されている粘土瓦の特性を調査し、調査結果を基に検討を行い、リサイクル瓦の目標特性値を決定した。さらにリサイクル瓦の物性と廃瓦粉砕条件との関係を調べ、リサイクル瓦の目標特性値を達成するための基礎的な知見を得た。 ○経常研究 (1)セラミックス薄膜による表面改質建材の開発(1/3) 超親水性酸化チタン薄膜を付与した建材の開発(1/1) (担当)開発技術室 福原 徹・濱口裕昭・福永 均 (研究成果) タイルや衛生陶器などの建材は表面の汚れが問題となることが多く、超親水性酸化チタン薄膜により建材の表面を改質し、防汚性に優れた建材の開発を行った。チタン系溶液としてチタン2―エチル―1―ヘキサノラートを用いて、ディッピングによるコーティングや熱処理条件を検討し、良好な超親水性酸化チタン薄膜の作製条件を確立した。酸化チタン薄膜の結晶性評価、組成分析、光学特性評価、表面性状及び防汚性の評価技術を確立した。本研究で開発した酸化チタン薄膜をタイル表面にコーティングすることにより、防汚性に優れた建材の試作を行った。 (2)低温焼成素地の応用化研究(1/1) (担当)応用技術室 片岡泰弘・星 幸二・生浦京子 (研究成果) 低温素地の応用化研究として、産地で広く使われている地元組合製泥しょう、多孔陶管や瓦土の低温焼成を目的とする研究を行った。これらの素地にマンガン精製時の副産物であるマンガン酸化物を添加し、鋳込成形または練土成形後、最高温度1000〜1250℃で大気焼成した。その結果、マンガン酸化物1〜2%の添加により、焼成温度を100〜50℃下げた場合でも現行品と同等の吸水率・曲げ強度を得られた。これは消費電力量にして19〜12%の削減効果であった。 (3)伝統技法を活用した新製品開発(1/1) (担当)応用技術室 水野 潤・生浦京子 (研究成果) 16年度から実施している常滑焼伝統技法の調査記録事業として、「茶器編」「大物・陶彫編」に引き続いて、本年度は「陶芸編」に取り組み、常滑焼産地を特徴づける象嵌、練り上げ等各種の陶芸手法及び常滑方式の穴窯焼成について調査した。その結果7名の陶芸作家と常滑市立陶芸研究所の実演を撮影し、DVD約2時間10分の映像資料を作成した。また、これらの資料をもとに、伝統的な象嵌技法を簡略化した手法による陶製装身具を始め、つぼ押し健康具や陶額等新商品を15種38点デザインし試作した。 |