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みすず(美鈴):みすずは『フーゲツ』一の美女だった。ボクの知る限り、彼女の右に出るものはいない。みすずはハーフで、一時は立木義浩や長濱治のモデルもしていた。67年頃に、フェルトと駆け落ちして京都の出町柳近くに住んでいた。ボクも、訪ねて行ったことがある。京間を知ったのも、彼等のアパートでであった。ユニークなクリスチャンの老夫婦が隣人で住んでいた。彼等の駆け落ちは、まるで「道行き」のようだった。美男・美女が手に手を取り合ってというところまで…。長い間、会っていないが『フーゲツ』閉店の日のスナップ・ショットに2〜3才の子供を連れて写っている。フェルトとの子だろうか? その子も、今は28才位になっているはずだ。
ダダ(桃枝):「フーゲツのダダ」として有名な存在だったらしいが、交流はなかった。というのも、ダダは1階フロアのマドンナだったからだ。家出少女として男たちの下を泊まり歩いた。今も、新宿をうろついているとのことだ。怪優麿赤児のつれあいとなったもう一人のダダ(「モッサン」)とは違う人物だろう。
マジョ:マジョは画家志望の小柄で可愛い娘だった。幡ヶ谷にすんでおり、『フーゲツ』には、歩いて通うこともあった。『フーゲツ』出入りの少女のなかでは、珍しく身持ちの堅い娘さんだった。
ヴェルベ(美知子):現在の「MY CITY」=新宿ステーションビルのデパート・ガールだった。カソリック信者。名前の由来は、ヴェルベット。1階フロアの画廊関係者の中にいたが、バムやフーテンとも交流した。
マミ:マミも絵を描いていた。キュートな顔立ちで、スリムな娘であった。強烈な個性はなかったが、男達をなごませる雰囲気を持った少女だった。
アンナ:アンナの名は、当時フランスの新進女優だったアンナ・カリーナからつけられた。誰もがJ・L・ゴダールの「女と男のいる鋪道」を見ていたからすぐに覚えた。アンナは、新宿を出て澁谷道元坂の『SAV』でウェイトレスをしていた。
ヨシコ:ヨシコは学生だった。顔の片面に生まれつきの痣をもっていたが、心根のきれいな娘さんだった。『フーゲツ』2階に入り浸っていた、どうしようもない男たちには少し優しすぎたかもしれない。
ワコ(三和子):ワコはその熱情的な身ぶりといい、詩人の資質たっぷりだった。三姉弟の一番上で姉さん女房役はぴったりで今も相方のキラと連れ添っている。
キヨ(稀世):ワコの妹。画家、詩人。キヨは10代の頃の生き方そのものが、一遍の詩であった。『フーゲツ』には、16才の時に来店し、60年代後半は関西圏で活躍したらしい。18才にして、アングラ映画の監督と結婚し母親となった。高校生ドロップアウト組のはしりとなる。
ネコ(たなべみえこ):ネコは不思議な女性だった。年令不祥。ボクなんかより上だったはずだが、時には幼く可愛い年下に見えたりもした。小柄だが豊満。顔にペィンティングをほどこして、よくマスコミに登場した。常に黒詰めのスタイル、「実存主義」タイプだった。一説によると、女しか愛せないレズビアンだということだったがよく解らない。イラストをものし、「京都新聞」などにイラストつきのエッセイを寄せていた。
ふう(南部ふう):『フーゲツ』の女性では、最古参格。鎌倉に住む有閑夫人とのことだったが、SF関係の会合にも顔を見せ、イラストもこなした(SF関係で会って『フーゲツ』をボクが教えたのかもしれない。記憶不確か)。一度、『フーゲツ』で個展を開催した。
モリ:細身の実存主義タイプのお嬢様だった。モリも不思議少女で、一体何をやっているのか分からないのに、あるグループの女王様だったのだ。
アグリー:マッキーの女で、いつも一緒にラリっていた。
カズコ:サックス吹きのゴローの女だった。慢性的なスリク(薬)の使用で、舌がまわらずいつもラリったような話し方をした。
ミコ:ゴロー、カズコにつかず離れずいた人で、最近再会した。ゴールデン街で飲み屋のママをしていることが、最近わかって飲みに行ったのである。おかげで、また色んな事を思い出した。